概要
車内が畳敷きになっている車両で編成された列車。既存車両を改造した団体専用車両が多く、大抵は贅を尽くしたデラックス指向で、ビデオやカラオケ等が装備され、外からの視界を遮る障子が窓に設置されていることが多い。また、第三セクターや中小私鉄などでは、定期列車に連結して運用されることがあり、いずれもイベント対応車としての位置づけとなっている。
JRグループのお座敷列車
基本的に団体専用車として運用されるのは先述の通りだが、中高年主体のいわゆる「目的地まで単に飲んでカラオケで騒ぐ」大口団体列車は時代と客層の変化により急激に衰退した。近年はノスタルジックビュートレインを祖とする、景色および乗車体験自体を楽しむ個人参加型の体験型観光列車(その極北に位置するのが「77系」ななつ星)の台頭もあり、これらお座敷車は画一的な大口団体輸送のみの対応・豪華デラックス一点張りの設計思想自体が古く(お座敷は所詮集団向けの走る宴会場でしかなく、ビデオやカラオケなどは車窓を楽しむためには邪魔でしかない。障子などはただの視界の邪魔である。)、一般乗客を対象とした「雷鳥」向けのサロ481-500番台「だんらん」はその構造から個人客に対応できず持て余され、数年で座席グリーン車に再改造されてしまうなどすでに1980年代にはその問題が具現しており、現代では決定的に陳腐化したことから急激に廃車が進み絶滅危惧種的傾向にある。
未だに現代のクルーズトレインをこれら古典的お座敷・欧風車と比較して富裕層中心だと批判する錯誤した人間がいるが、ムラ社会的画一客層の団体のみが対象で個人の空間はなく、宴会や外向性、同じ行動を強要されるお座敷車はもはや完全に陳腐化している。少なくとも乗りたいとはもう思わない。
以下の列車はお座敷車両のほんの一例。
- キハ183系6000番台
- リゾートエクスプレスゆう
- 宴
- ニューなのはな
- とれいゆ(コンセプトはむしろ近年の体験型に近い)
- 漫遊(→ふるさとへ名称変更)
- ほのぼのSUN-IN
- サロ481形500番台「だんらん」(485系特急「雷鳥」内連結)
- ゆとり(サロンエクスプレス東京の改造車・和風客車化したもの)