概要
JR東日本千葉支社が保有・運用していたお座敷列車の165系「なのはな」は直流型電車であったため、団体専用列車として運用するには交流電化区間を走行できないという事情があった。そこで165系「なのはな」の老朽取り換え用として、交直流電車の団体専用車両を製作することになり、車両は特急型かつ交直流電車の485系の改造で対応することにした。こうして1997年に485系改造車「ニューなのはな」が登場した。
車体は種車のものを使用せず、車体の載せ替えを行っている。車内は165系「なのはな」と同じくお座敷列車の仕様となっているが、必要に応じてボックスシート(固定クロスシート)仕様への切り替えが可能な構造になっていた。(大口団体専用のお座敷専用車、という設計思想が客層の変化から既に陳腐化しつつあった事情もある。)車両は6両すべてがグリーン車扱い。
ただしすべての座席をボックスシートとした場合は普通車指定席として扱われた。
485系改造車「ニューなのはな」は、こうしてJR東日本管区内の団体専用車両としての使命を全うし、老朽化のため2016年8月に運行を終了。9月25日に運転された長野総合車両センターへの廃車回送列車を兼ねた臨時団体列車をもって完全に引退、翌日付で廃車された。
なお廃車から程なくして生涯の住処であった幕張電車区の目の前にある幕張本郷駅に期間限定でこの車両のボックス席が休憩スペースを兼ねて1組設置された。設置期間が過ぎて1度は撤去されたもののその後隣の幕張駅に同じく千葉で活躍した183系の座席(こちらも幕張本郷駅にかつて置かれたことがあるもの)と共に再度休憩スペースとして設置され令和6年9月現在も現役で使い続けられてる。
181系の生き残り
先頭車(1号車)のクロ484-5号は、もともと181系のサロ181-1106号として製造された。181系の晩年にグリーン車補充のために製造されたのに由来し、もとから485系への編入を考えて485系の車体で製造された。1978年製。
181系撤退後の1982年に485系に編入(サロ481-1506号)され、そして「ニューなのはな」化改造の時に車体を載せ替えて中間車から先頭車へと変化した。「ニューなのはな」引退に伴い、「181系の生き残り」は同じくジョイフルトレインの485系改造車「リゾートやまどり」の両先頭車のみとなった。