投入背景
高崎地区で運行していた485系のお座敷車両、「やまなみ」「せせらぎ」を、お座敷列車という大口団体輸送専用コンセプトの決定的陳腐化による需要減少により、組みかえて多客臨時輸送へも充当できる、汎用性のある座席車へと仕立て直した。2011年に再デビューし、引き続き高崎に配置された。
名称は群馬県の県鳥であるヤマドリから。
4両編成だった「やまなみ」「せせらぎ」を統合した形になっており、「せせらぎ」に「やまなみ」の中間モハユニットを組み込んで6両編成となっている。「やまなみ」「せせらぎ」時代は客単価の関係からグリーン車扱いであったが「リゾートやまどり」化改造に際し、定員が増加することから全車普通車(485系700番台へ改番)・座席は2+1列配置とした。「やまなみ」の先頭車は盛岡支社(岩手県)向けのジョイフルトレイン、「ジパング」へ転用された。
JR東日本の485系ベースのジョイフルトレインの例に漏れず、オリジナルの特徴を窺えないまでに内外装ともに大きく変化している。
しかし、共に最末期まで残存した「華」が2022年11月に廃車されたことで、結果的に最後に生き残った485系となった。
181系の生き残り
先頭車のクハ485-703号、クハ484-703号はもともと181系のサロ181-1102号、サロ181-1104号として製造された。181系の晩年にグリーン車補充のために製造されたのに由来し、もとから485系への編入を考えて485系の車体で製造された。1978年製。
181系撤退後の1982年に485系に編入され、のち特急ひたちの短編成化に伴う先頭車不足のため先頭車化改造と普通車化を行い、そして「せせらぎ」化改造の時に車体を載せ替えた(台車は検査期間短縮のため修繕済みのあらかじめ用意された予備品と振り替えることが多く、新造時のものを履き続けるとは限らない)ため、実際には車籍とわずかな部品くらいしか継承していない(ほぼテセウスの船状態)のだが…。
引退、そして485系終焉
2022年12月11日のイベント列車を最後に引退。
これをもって、約1500両ほど製造され、日本全国の移動を58年もの長い間にわたって支えた485系が形式消滅となった他、上述の通り「181系」の歴史も終焉を迎えた。
余談
2023年6月8日、トミックスから「リゾートやまどり」のNゲージ鉄道模型の発売が予告された。
この手のジョイフルトレインはマイクロエースが得意としていたことから、本流であるトミックスが手を付けたことは模型ファンの間で話題を呼んだ。