モスキート娘
もすきーとむすめ
概要
原作版およびリメイク版では5・6撃目、アニメ版では第2話に登場。災害レベルは鬼。
「進化の家」のジーナス博士が試作品として造り出した、その名の通り蚊と人間の合成生物。その特性を生かした多彩な戦法を取る。サイタマとジェノスが出会うきっかけとなった怪人であり、リメイク版の秀逸なデザインもあって今なお根強い人気を誇る。
外見
人間の女性の肉体をベースに、蚊の羽や腹部を併せ持っている。額には口吻と思しき鋭い突起物が角のように生えている。蚊らしく全身が白黒の縞模様。
pixivに投稿されるイラストの大半はリメイク版のデザイン。セミロングの頭髪や複眼・触覚が頭部に追加され、額の鋭い口吻は出し入れ可能な仕様となった。女性らしいスタイルの良さを意識しながらもそれを邪魔しない多関節の四肢等の異形、可愛さと美しさが織り交ざる表情など、作者の画力も相まって多くの読者から支持を得た。
後述するパワーアップ形態では全体的に刺々しいデザインとなり、一部の関節が減って四肢や爪が巨大で鋭利な形状となる。通常形態・強化形態ともに漫画とアニメで若干の違いがあり、見比べてみると面白いかもしれない。因みに強化形態のカラーリングはアニメでは赤となっている。
原作版ではより怪人らしいデザインで、筋の立った皮膚や4本の腕、肥大化した昆虫の腹部など悍ましさを孕むものだった。もちろん『それがいい』というファンもいる。
能力
おびただしい数の蚊の群れ(専門家曰く「完全な新種」)を自在に操り、驚異的な吸血力で人や動物を瞬間的にミイラに変え、死に至らしめる。操作範囲は半径50kmとかなり広大。その規模と危険性により、蚊の群体のみでも『災害レベル鬼』と報道された。
それぞれの個体の生死の判別が利くなど、操作精度も侮れない。空一帯を覆う蚊の群れが黒い霧の如く蠢く様子は鳥肌ものであり、サイタマも心底イヤそうな顔をしていた。
本体はその外見通り飛行が可能であり、高い機動力に加え、爪による斬撃や額の口吻による刺突ですれ違いざまに相手を攻撃する。特に刺突はジェノスの片腕をもぐ程の威力を誇る。
しかし、通常形態では(災害レベルに対して)本人の戦闘能力は低く、彼女自身ジェノスと対峙した際は勝機がないと判断していた。ジーナス博士にも素のままでは「貧弱な羽虫」「所詮は試作品」と言われており、事実ジェノスにいつの間にか両足をもがれているなど、耐久力やスピード・反応速度は今一つといったところ。
しかしご存じの通り、蚊の真価は『吸血』。蚊の群れに集めさせた大量の血液を自身の体内に注ぐことにより、身体能力を飛躍的に向上させ、単体でも災害レベル”鬼”に恥じない強化形態へと変貌する。この状態なら腕の一振りでビルを瓦礫と化す破壊力を発揮し、スピードも格段に速くなる。過信と油断が重なったとはいえジェノスの体を一瞬で破壊し、自爆寸前まで追いやるほどの活躍を見せた。
動向
大量の蚊を引き連れてZ市に襲来、多数の人間や野生動物に被害を出していたところ、ジェノスと遭遇して戦闘となる。血を吸われる恐れのないサイボーグの彼には蚊の攻撃は効かず、自分自身で直接戦闘に入るも、ジェノスの片腕を奪うと同時に自身の両足が奪われたことを受け、自身の強化の為に一時退却。
ジェノスの元に偶然サイタマがやってきた頃、ジェノスに向けて全ての蚊を一斉に差し向ける。結果すべての蚊が焼き払われるも、それは自身の強化が完了した上での戦略であった。再びジェノスと交戦し、今度は圧倒的な実力でジェノスを一方的にいたぶる。挙句ジェノスが自爆を試みるほどにまで追い詰めるが、横で見ていたサイタマに平手打ち一発でブッ飛ばされ、ビルをぶち破ってそのまま空の彼方に吹き飛んで行った。
アニメ版では少々演出が異なり、ビルに当たった瞬間に大量の血液をぶちまけて(吹っ飛ばされる際に蚊の腹部が激突して破裂したらしい)飛んで行くというものに変更されている。
どのみち明確に倒された描写はなく、ファンが彼女の復活を望む根拠の一つになっている。
この事件がきっかけとなり、ジェノスはサイタマに弟子入りを志願し、更に二人は『進化の家』とのトラブルに巻き込まれることになるのであった。