延宝5年(1677年)に生まれ、 宝暦元年(1752年)に死没。大岡忠世家の当主で、西大平藩初代藩主。
人物
江戸幕府八代将軍・徳川吉宗が進めた享保の改革を町奉行として支え、江戸の市中行政に携わったほか、評定所一座に加わり、地方御用や寺社奉行を務めた。越前守だったことと『大岡政談』や時代劇での名奉行としてイメージを通じて、現在では大岡越前として知られている。通称は求馬、のち市十郎、忠右衛門。諱は忠義、のち忠相。
時代劇
時代劇としての『大岡越前』は様々な形で何回か映画やテレビドラマ化されているが、特に1970年から1999年まで『ナショナル劇場』(TBS)で放映された、加藤剛主演の同名時代劇テレビドラマシリーズが最も有名。「時代劇の大岡越前」と言う場合これを指す場合が多い。
『水戸黄門』『江戸を斬る』などと交互に放映され、「時代劇のナショナル劇場」の名を確立させた名作となった。
しかし、90年代後半出演者の高齢化に伴う健康問題への不安から、シリーズは突然尻切れトンボ的に終わり、2006年春に放送されたスペシャル版を以てTBS版大岡越前は終止符を打つ。
現在は東山紀之主演によるNHKBS時代劇『大岡越前』が2013年からシリーズで放映されており、山下毅雄のテーマ曲(と劇伴)はTBS『ナショナル劇場』のものが踏襲されている(制作にTBS版の制作プロダクションであるC.A.L.が関わっているため)。
- 加藤自身も、重要参考人的な役どころでゲスト出演。かつて奉行であった加藤が現在の奉行である東山の前で白洲に座るという、複雑な思いを残す場面も観られた。
- ちなみに息子の加藤諒もレギュラー枠で出演している。
江戸を騒がす事件を捜査する捕物パターンと難題といえるイザコザをお白洲で綺麗に裁くいわゆる講談で題材とされた名物の「大岡裁き」を巧みに織り込んだ物語は未だに名作として名高い。
大岡越前と言えば加藤剛と挙げるほど。地方で再放送されるナショナル劇場作品は水戸黄門に次いで多いといわれる。
とはいえ、放送コードが緩い昭和後期に制作された前期シリーズを中心にキチガイなどのNGワード、内容的に障害者差別と取れるなどの理由から、欠番扱いになっている放送回もある。
部数 | 該当回 |
---|---|
第一部 | 第1,3,11,13,17話(全28話) |
第二部 | 第5,21,22話(全28話) |
第三部 | 第3,12話(全31話) |
第四部 | 第13話(全25話) |
第五部 | 第4,12,15話(全26話) |
第六部 | 該当なし(全32話) |
第七部 | 該当なし(全27話) |
第八部 | 該当なし(全26話) |
第九部 | 該当なし(全26話) |
第十部 | 該当なし(全27話) |
第十一部 | 該当なし(全26話) |
第十二部 | 該当なし(全24話) |
第十三部 | 第12話(全26話) |
第十四部 | 該当なし(全24話) |
第十五部(最終部) | 該当なし(全26話) |
初っ端第1話から欠番になっているが、これらはCSの有料放送で解禁される。もちろんDVDボックスにも収録。
ただし、第二部22話だけは実在の宗教団体『神霊教』をネタにした『唯一神霊教』が悪さをするという関係上、DVDへの収録。再放送共に見送られている幻の作品である。
放送直後に神霊教から1回目の抗議が来て再放送欠番になり、DVDへの収録直後に2回目の抗議がきたというのがオチ。そのため初期ロットのDVDボックスに収録されているのは内緒の話。
捕物パターンは概ね現代で言えば刑事ドラマの色合いが強く、ここでの越前は町奉行の本来の職務(現在でいう東京都知事・最高裁判官・警視総監)に加え捜査課長・刑事・探偵的な要素が含まれていた。
この時、他の時代劇の主人公みたく『越後の縮緬問屋の隠居・光右衛門』だとか『大工の金公』、『徳田新之助』なり『遊び人の金さん』。挙げるとキリがないものの偽名を使う事はなく、『江戸南町奉行・大岡越前』と本名を名乗っているのは時代劇的に珍しかったりする。
あと上様がお忍びで来ると大抵トラブルメーカーになるのがお約束(決して暴れん坊将軍ではない)。