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ドイツツーリングカー選手権の編集履歴

2020-08-07 20:39:14 バージョン

ドイツツーリングカー選手権

どいつつーりんぐかーせんしゅけん

ツーリングカーベースとしたドイツで行われるレース。DTM(Deutsche Tourenwagen Mastersの略)とも。

概要

元は同名、DTMでDeutsche Tourenwagen Meistarshaftとして、グループA規定で始まったのが最初である。

ドイツ国内メーカーで生産されるツーリングカー(セダンクーペ)をベースに改造を施し、スプリント形式で開催されるレースカテゴリである。


ドイツのみならず欧州全土、果ては中国までも転戦するほどの人気ぶりで、日本でも放送されており、コアなモータースポーツファンから愛されている。

にもかかわらずなかなか参戦メーカーが増えないというジレンマがあり、2018年~2020年の間に3メーカーが撤退を表明し、2021年に残るメーカーはBMWのみとなる見通しである。


第1期

概要冒頭のDTMが元である。旧ドイツツーリングカー選手権と称して、現在の元区別される。1992年まではグループA規定のもと争われ、フォード・シエラ・コスワースBMW・M3 スポーツエボリューションアウディ・V8クワトロ DTMエボリューションメルセデス・ベンツ 190E エボリューション等が活躍をみせた。FIAによる度々のテコ入れが功を奏し、ドイツにおいて絶大な人気を誇るレースとなった。

1993年シーズンからは市販車からの大幅な改造やハイテクデバイスの搭載が認められるクラス1規定を導入、メルセデス、アルファロメオ、オペルの3ワークスがそれぞれCクラスV6155V6TIカリブラV6・4x4といったハイテクマシンを投入してしのぎを削った。

FIAの更なるテコ入れにより96シーズンからはITC(国際ツーリングカー選手権)に一本化されるも、観客動員の低迷とそれに相反するコスト高騰によりメルセデスを残してアルファ、オペルが相次いで同年限りの撤退を表明、このシーズンをもって一旦幕を下ろす事となる。


F1卒業組がセカンドキャリアとしてDTMを選ぶことも多く、この頃はダリオ・フランキッティやケケ・ロズベルグらが参戦している。


第2期(現在のDTM)

2000年に各メーカーの協定によりDTMは現在の名称に変更し、復活することになる。当初はオペルメルセデス・ベンツアウディであったが、2005年にオペルが撤退して長らく2社のみであった。

2012年よりBMWが参戦したことで、ドイツの誇る高級車3メーカーの三つ巴になり再び黄金期を迎えた。


しかし近年の自動車業界を取り巻く情勢の厳しさ(いわゆる"CASEの時代")、2018年を持ってメルセデスが撤退。入れ替わりでアストンマーティンが参戦したものの、競争力を全く示せないまま撤退。さらに2020年にはアウディすら撤退を表明しており、シリーズの存続危機に陥っている。


マシンメイク

エンジンは専用設計のV8自然吸気エンジンをフロントに搭載し、リア駆動させるFRレイアウトである。

性能的にはSUPER GTのGT500クラスが近いが、あくまでもエンジン性能である

ABS、トラクションコントロールなどの電子制御デバイスは一切禁止されており、ギヤボックスは事前に用意された2種類からの選択となる。

また派手なエアロデバイスを持つのも特徴である。リアからの眺めは圧巻の一言である。


この車両は『クラス1規定』と称され、日本のSUPERGTも日欧交流戦を目論んで2014年からこの規定を採用(ただしエンジンは2Lターボ)。

性能調整の問題(エンジンはもちろん、タイヤも全然違う)に加え、DTM側に旨みがないことからファンからは交流戦の実現は厳しいだろう、と思われていたが、努力の甲斐あって2019年に富士スピードウェイにてめでたく実現した。


参戦車両

現在使用されている車両

アウディ

・RS5(2013~)

BMW(2012年から参戦)

・M4(2014~)

メルセデス・ベンツ

・AMG Mercedess C-Class(C-クラス,C204)


こぼれ話

クラッシュがとても多いことでも有名である。これにはスプリントレース、電子デバイス無しなどの様々な理由が考えられる。

接触でカナードが取れるなど朝飯前であり、ウイングが吹っ飛ぶ脱輪するバンパーがパージする等々、ユノディエールで宙を舞ったCLRも苦笑いの芸達者なドライビングを見ることもできる。


一つ面白い話として、2010年シリーズ最終戦の上海サーキットで起こった事例を上げる。

規定周回の75%以上のラップを重ねてチェッカーまで残り7分、レースも最終盤である。コーナー進入で争っていた2台のうち1台が制御を失い、道連れと言わんばかりにもう1台も一緒にスピン。大事には至らなかったもののコースを完全に防いでしまいそのままレッドフラッグ→レース終了となった。


ピット作業の速さにも定評がある。3.0秒で全てが完了してしまう彼らの息ぴったりの作業もDTMの醍醐味だが、焦りすぎて失敗してしまうのもよくある話だ。


一方で2012年に三社三つ巴になって以降は特に政治色が強く、メルセデスなどはエース一人を勝たせるため、他の全員データ取り役という徹底した差別でチャンピオンをもぎ取ったと言われている。そのためモチベーションを失ってDTMを去るドライバーも後を絶たなかった。


実は過去に日本人も参戦していたことがある(現SUPERGTチーム監督の金石勝智)。


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