「アキ君は死なないでね」
概要
公安対魔特異4課に所属する熟練のデビルハンター。
黒髪に隻眼の女性で、早川アキのバディ。
デビルハンターらしく冷静沈着で割り切った言動をとるが、茶目っ気もあり、男女に問わずスキンシップが多い。お酒が入るとさらに激しくなる。
デンジら新人を歓迎する飲み会においてもその酒乱っぷりを発揮し、デンジと読者に強烈なトラウマを残した。
愛煙家であり酒乱とだらしのない大人で、どこか飄飄として人をからかいたがる性格だが(本人いわく「男の子をからかうのが一番おもしろい」)、デビルハンターとして長く経験をつんでいるため、その戦闘能力や危機察知能力は高い。
そんな彼女だが、飲み会でデンジにお酒を飲んでいないか確認したり、バディを組んだ当初のアキにあげた煙草の一本を(未成年なことを知ると)取り上げて預かるといった、ちゃんとした大人の一面を覗かせる。
また意外にも自宅は高層マンションであり、部屋も片付いている。観葉植物の置かれたテラスで風にあたりながら朝食を食べるなど、中々おしゃれな生活を過ごしているようだ。
契約悪魔
幽霊の悪魔
通称ゴースト。
契約者に透明で物理的に干渉できない腕を貸す。
腕は異様なまでに長く力持ちで、人ひとりの関節ごを締め上げて拘束するのは簡単にできる様子。
契約で借りている腕は目に見えないが、可視化させることも出来るらしい。幽霊の悪魔の本体は目に見えるようだが、可視化しているのか、そもそも透明になれないのかは不明。
普段は腕の掌にある口で会話する。
幽霊に対する恐怖心はそもそも心霊現象を信じていないと生まれない為か、自分に恐怖心を抱かない相手は認識できない(目を持たない代わりに相手の恐怖心を見るという)。
腕の使用する程度であれば比較的代償は軽いらしい。
姫野は右目を食べさせることで、それ以上の代償無しにいつでも腕を使う事ができた。
アキが新人として入ってきた時には右目の包帯が取れていなかったので、ゴーストと契約した時期は本編開始から3年前だと考えられる。
さらに彼女の「奥の手は隠している」というセリフから、他の悪魔と契約しているか、幽霊の悪魔に別な能力が秘められていることが伺える。
人間関係
デンジ
永遠の悪魔との戦いで変身したデンジを目の当たりにして、「こいつなら銃野郎を倒せるかもしれない」と実力を認め、3日間つきっきりで幽霊の力でサポートに回った。
新人歓迎会でグロッキーになったデンジを自宅に連れ込んで、危うく事案にまで発展しかけるが、事なきを得る。
その後デンジがマキマを好きなことを知ると、自分もアキが好きであることを告白して、(お互いの恋を叶えるために協力する)秘密の同盟をくむ。
早川アキ
姫野の6人目のバディ。
アキがデビルハンターになってからずっとバディを組んでおり、彼のことを好いている。
寝ている間にピアス穴を勝手にあけたり、煙草の味を教えたのも彼女。アキの煙草が尽きてしまった時は自分の吸っている最後の一本をあげるなど、親密な関係を築いている。
アキが銃の悪魔へ復讐する意思が強いのを受けて、度々「民間(のデビルハンター)に転職しない?」と持ちかけたが、アキの反応は薄かった。
パワー
魔人ということもあり、基本的に信用していない様子。
コウモリの悪魔の一件の原因をパワーが作ったときには、無罪放免にすることに懐疑的な様子だった。しかしそれ以降の飲み会や食事で特に何もないことから、単純な苦言だった可能性が大きい。
マキマ
デンジやアキの心をわし掴みにするミステリアスな女性だが、姫野にいわせれば「糞女」。
マキマがデンジを気にかけていることを奇妙に感じており、変身するデンジの秘密を握っているのではないか?と考えている。
岸辺
姫野の師匠。
初登場は彼女の回想で、彼女がバディの墓に花をたむけながら会話した。
岸辺は「悪魔が恐れるデビルハンターは頭のネジがぶっ飛んでるヤツ」と心得を語り、「毎月バディの墓参りに来てる様じゃネジは固いままだぞ」と苦言を呈していたが、彼も姫野の死んだバディ達の名前をしっかり覚えているのだから、似たもの同士の師弟といえる。
姫野が永遠の悪魔戦でデンジの戦いっぷりに感銘を受けたのは、岸辺の持論をしっかり受け継いでいるからだろう。
荒井ヒロカズ
姫野に半年間鍛えられたという新人デビルハンター。
彼女の「実力不足だけどやる気十分」という評価どおりの人物。
東山コベニ
姫野による「引っ込み思案だけどかなり動ける」というお墨付き。
彼女に実力を知られており、荒井とは同期であるため、半年間は姫野に訓練を受けた可能性がある(明言はされていない)。
表記揺れ
・姫野先輩
・姫野
・姫パイ
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早川アキ マキマ デンジ(チェンソーマン) 岸辺(チェンソーマン)
ネタバレ注意
「アキ君は泣くことが出来る」
「デビルハンターは身近な死に慣れすぎて涙が出なくなる」
「でもアキ君はすぐ泣く」
「あれだけ思って泣いて貰えたら嬉しいだろうな」
「アキ君は死なないでね」
チェンソーマン3巻においてサムライソードと沢渡アカネによる襲撃にあい、デンジら一行は絶体絶命のピンチに陥る。
デンジと姫野が致命傷を負い、パワーも姫野の止血に追われていると、早川アキがサムライソードによって殺されそうになってしまう。
姫野は、幽霊の悪魔に「自分の全部をあげるから、ゴーストの全部を使わせて」という契約を結び、はじめて全身をあらわにした幽霊の悪魔の猛攻により、サムライソードを圧倒する。
しかしゴーストの無数の腕を行使するうちに、姫野の身体は文字どおり次々と消えていってしまう。
サムライソードをあと一歩まで追い詰めるものの、沢渡アカネの蛇の悪魔によってゴーストが破られてしまう。
最期に姫野が言い遺したのは、好きな人への告白でも、別れの言葉でもなく「アキ君は死なないでね…」「私が…死んだときさ…泣いて欲しいから」だった。
そうして、彼女のいた場所には服しか残らなかった。
姫野が消えたあとで、弱々しいゴーストの腕がデンジのスターターを引いたのは、姫野の想いがデンジに後を託したからだろうか。それとも…
↓さらにネタバレ注意↓
「ヘビ、吐き出し」
後の4巻と5巻において、早川アキは沢渡アカネと再び対決することになる。
蛇の悪魔の力によって操られた幽霊の悪魔がアキに襲いかかり、ゴーストの手数の多さに苦戦を強いられる。
とうとう首を締め上げられて死んでしまうかに思われたアキだったが、唐突に幽霊の悪魔は手をゆるめた。
困惑するアキの目の前にゴーストの腕がのびると、彼に一本の煙草を返したのだった。
それは、己のすべてを悪魔に捧げてしまった姫野のなかで唯一自分のものではない、かつて早川アキから預かっていた煙草。
easy revenge!
(気楽に復讐を!)
煙草に書かれていたその言葉をうけて、幽霊の悪魔は恐怖心を抱かなければ認識されないことを思い出すと、無傷でゴーストを仕留めたのだった。