本当は怖い天才バカボン
ほんとうはこわいてんさいばかぼん
概要
「天才バカボン」はアニメ初代ではホームコメディに改変されており、その後もCMやタイアップなどに登場する際にはバカボンたちのほのぼのとした光景が繰り広げられ、バカボンのパパも「頭の悪い陽気なおじさん」として描かれるため、よく知らない人からするとサザエさんような作品かな?という認識がされがちである。
しかし、原作でのバカボンのパパは殆どサイコパス同然であり、赤塚不二夫の作風もあってかなり不気味な話が頻発している。割とナチュラルにバカボンのパパの横暴によって理不尽に人が死ぬ。
本タグはいわゆる都市伝説的なネタの話ではない。
原作のバカボンは実際結構ブラックな作品なのである。
具体例
アニメでは放送コードの関係でマイルドになっているがそれでも何人か死んでいる。とはいえギャグ漫画なので本当にオチがダークな明確なホラー回は「かわった友だち」をはじめごく少数。
以下、ネタバレ注意。
天才バカボン
現在では放送禁止用語とされている箇所が唐突に無音になり地味に怖い。植木屋設定がついた後半はホームコメディ路線になったので怖い話は皆無と言っていいが、今の感覚からするとよく放送したなという内容はある。
- 「ヤットコはこわいのだ」 パパがペンチで警官の顔を伸ばしまくる。
- 「物置みたいな人なのだ」 パパがマジシャンを箱に閉じ込めて脱出ショーをやろうとするが、手品の概念を理解していないパパはそのままノコギリで箱を切り始める。
元祖天才バカボン
アニメ第2作「元祖天才バカボン」では原作を尊重し、原作同様のブラックな内容が多い。規制が少ない時代であり、演出陣や作画陣も東京ムービー黄金期の面々であるためやたら気合が入っていて、怪奇さに拍車をかけている。
もっとも、前番組のこいつに比べればバカボンのパパも穏健派。
- 「スポーツは空頭が一番なのだ」 空手の天才がバカボンのパパのせいで知的障害(あるいは超天才)になってしまう。平成天才バカボン版では流石にまずかったのか、ハッピーエンドになっている。
彼をはじめとして、元祖天才バカボンではパパのせいで発狂する人物が非常に多い。
- 「強盗殺人の予約なのだ」 バカボンのパパが強盗に刺される。
- 「テッポー持って記事とりなのだ」 整形手術に失敗した人が出てくるが地味にホラー。
- 「キェンキャイキャキャキョンなのだ」 きょうじょうじんぶきゅぎゃキャキキュキェキョしきゃいえなきゅきゃるきょだ。
- 「おバケはほんとうにいるのだ」 怪談回。
- 「ミイラの殿さまはどこいったのだ」 お湯をかけないとしぼむ殿様のお話。平成版は作画がやたらホラーでありさらに怖い。
- 「夢がホントになったのだ」 ノコギリを粗末にしたバカボンのパパ。すると夢に回転ノコギリが出てきて…
- 「タリラリラーンのとうがらしなのだ」 唐辛子会社の人々が唐辛子をかけられ、かぶれてグロい顔になる。
- 「かくし芸のトックンなのだ」 話自体は明るいが、バカボンのパパが誤って人を殺害してしまう。
- 「四角い初夢よろしくなのだ」 曲線が存在しない不思議な世界で鼻くそに襲われるお話。
- 「ショートギャグでコニャニャチハ3」 パパが整形手術を繰り返して顔が狂うエピソードと、セールスマンがバカボンのパパに殺害されるエピソードを収録。ショートギャグシリーズはウナギイヌが食べられたりと全体的にグロい。
- 「ショートギャグでコニャニャチハ5」 ご存知、手だけの友人「かわった友だち」の回。
- エンディング 唐突にバカボンのパパの生首が登場する。エンディングすら油断できないのだ。
逆に「恐怖の無責任先生」「恐怖の反対人間なのだ」「恐怖のお医者さんなのだ」「恐怖のいそぎ人間なのだ」「恐怖の特急バスなのだ」「怪奇スターがいっぱいなのだ」といったような怖そうなタイトルの回は、タイトルに反してむしろ明るい内容であるのが元祖天才バカボンの恐怖なところなのだ。
また、元祖天才バカボンではパパが褌一丁になるシーンが非常に多く、特に夏恒例の海回では10分間に渡り一流のアニメーター達の作画によるパパの尻を見せつけられる非常に怖い内容になっている。なおママの水着シーンはほとんどない。
平成天才バカボン
平成天才バカボンでは元祖のような殺害行為はなくなったが、こちらもぶっ飛んでいる。とくに裸シーンが多くなり、別の意味で怖い。宮崎事件の翌年だが赤塚漫画はオタク向けのイメージが無かったため助かったのか?1990年はこれを土曜6時に放送できていて、今では深夜でも…というのが一番怖いのだ。
- 「天才ハジメちゃんなのだ」 ハジメと自分が似てないことに気付いたパパが、ハジメちゃんをクール宅配便で網走へ送ろうとする。
- 「本官さんのサオ竹なのだ」 本官さんが全裸になり股間に竹を差して街を出歩く。
- 「約束は神様のいうとおりなのだ」 神のお告げにより一日中裸でいないといけないためボディペイントの服を着ている(?)人を、バカボンのパパが針で刺しまくる。
- 「たたえよ鉄カブトなのだ」 ヒトラーみたいなヘルメットオタクの少年が出てくる危ない内容。
- 「モク山さんの禁煙なのだ」/「それでもパパは禁煙てつだうのだ」 パパがモク山さんの家を燃やしてしまう。