概要
別名:メガロケロス、オオツノシカ、アイリッシュエルク(ギガンテウスオオツノジカとも)、ジャイアントディア。
亜種:ヤベオオツノジカ(同科別属)
肩高:約1.8~2.3m。
体長:約3.1m。
体重:最大600~700kg以上。
食べ物は木の葉。
角の左右の広がりは3m以上、最大3.65mにもなり、両方の角を合わせると、45㎏もある。
重い角を支えるため、首や背中の筋肉が発達している。
名前から勘違いされやすいヘラジカやエルク(ここではワピチの事だが、ヘラジカも欧州ではエルクと呼ぶ)もいて、両者と身体の大きさもどこか近い(ワピチは亜種「ルーズベルトエルク/オリンピックエルク」に限定で、ヘラジカの最大体重は820kgだが)。だが、近年の調査によって、アカシカと比較的遺伝的に近く、ダマジカとは姉妹系統であるが判明している。
ちなみに、史上最大の鹿は(おそらく)ブロードフロント・ムースであり、肩高が2.5m、体重1.2tになったと思われる(参照)。
※オオツノヒツジは全く別の動物。
ヤベオオツノジカ
日本にいた別種ヤベオオツノジカは肩高が1.8mかそれ以上、全長が2.5m程 (化石動物なので本当の最大サイズが不明で、3m以上に達したのか不明)と、ワピチ(最大級の個体は肩高1.7m、体長3m、体重600kg)とヘラジカ (最大肩高2.3m、体長3.1m~?)の中間?のような大きさだった。
角がだいぶ小ぶりだが、これは山岳や森林の多い日本列島に適した姿とも言えるだろう。また、これとは別の特徴的な角を持つ種類も日本にいた。
ちなみに、大陸に見られた同種類よりも大型とされているが、これは大陸と日本が連結していた故だと思われ、日本列島が大陸から孤立した後も絶滅していなければ、島嶼矮小化が発生して小型化していた可能性もある。
南方種だが氷河期の北海道まで進出しており、北方種のヘラジカと日本国内における分布が似ていた。
絶滅の原因
以前は、メガロケロスは角のためにかなりのカルシウムを必要とするため、気候変動による植生の変動にも弱かったのでは?という意見もあったが、最近になって角は絶滅に関係なかったという調査結果が発表された。
それよりも、人間の拡散が原因で世界の大型生物層が壊滅したとする説が有力になっており、ナウマンゾウやマンモスなど、数多くの古生物とともに、オオツノジカ達も人類との接触が元凶で滅んだとされる。
オオツノジカは、数年前までは1万年以上前に絶滅していたと思われていたが、新たな化石の発掘により少なくとも約7700年前まで生きていた事が判明した。また、ニーベルンゲンの歌に見られる「Shelch」と呼ばれる動物とギガンテウスオオツノジカを関連付ける者もおり、紀元前700~紀元前500年ごろまで少数がスティリア地方や黒海にいたという説もある。
ヤベオオツノジカに関してもオオヤマネコと共に縄文時代まで生存していた (オオツノジカの最近の化石は約1万2千年前)。また、上記の通りヤベオオツノジカの角は他の種類の角よりかなり小型で横幅も狭く森林生活により適しているだろう事、ヘラジカが森林に生息している事等から、これまでにあった「日本では気候変動によって森林が増えたからオオツノジカは角のせいで絶滅した」という説も通用しなくなる可能性もある。