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86の編集履歴

2020-11-30 21:15:18 バージョン

86

とよたはちろく

ここではトヨタ自動車が販売するスポーツカーを取り上げる。

曖昧さ回避


  • ラドンの元素番号で記号は「Rn」。



トヨタ・86

2012年より販売されているFRクーペ


トヨタスバルの共同開発車であり、兄弟車としてスバル・BRZが同時期に発売されている。

このためトヨタの86はスバルの工場で製造されている。


車名の由来は、上記の圧倒的な人気名車であったAE86型をイメージして取られたものである。

こちらの型式は「DBA-ZN6」。

コンセプトモデル時の名称はFT-86で、AE86との区別としてZN6から「ズンロク」と呼ぶ人もいる。

なおトヨタの公式では、AE86は「ハチロク」というカタカナ表記としているようである。


発売当時同価格帯のスポーツクーペが極めて少なかったため、モータースポーツアマチュアプロサーキットラリージムカーナドリフトと乗り手や競技・フィールドを問わず幅広く使用されている。


2013年からはBRZとも合わせたワンメイクレースが開催されている。


AE86はかつて漫画を原作とする頭文字Dシリーズで主人公の愛車として大人気となったが、そのパラレルワールド的続編であるMFゴーストでも新主人公の愛車となっている。


86とBRZ

基本設計・企画をトヨタが、細部の設計はスバルが担当。エンジンはスバルの水平対向エンジン「FA20型」にトヨタの直噴・ポート噴射併用システム「D-4S」をブレンド、ミッションはトヨタ系のアイシン精機製、サスペンションなどの足回りはインプレッサで、デフなどの駆動系はアルテッツァ、という混血の双子が86とBRZである。なおスタイリングやデザインに関してはスポーツ800(ヨタハチ)や2000GTを参考にしている。


ショートストローク型の多い水平対向エンジンだが、FA20型はボア×ストロークが86×86(この数字になったのは全くの偶然らしい)のスクエア型となっており、D-4Sの効果も相まってスポーツカーにしては燃費が良い方(12km/Lくらい)である。

一方で「200馬力は馬力詐欺」と言われることがあるが、これはシャーシダイナモで計測した場合で、エンジン単体を測るエンジンベンチだときちんと200馬力出る。


ちなみに開発当時はトヨタが「せっかくスバルの株買ったんだし、何かこの提携を活かした企画をしたいっすね~」ということで企画案をスバルや他社から募っている状況で、またトヨタの開発責任者・多田哲哉も「ミッドシップならウチのエンジンでなんとかなるが、それだと特性がピーキーになって運転しづらくなる。運転しやすいFRで、安全基準をクリアしつつ低いスタイリングを実現するには水平対向しか無い」と考えており、スバルと共同開発をするのは必然であったといえる。


なお時々誤解されているが、トヨタにとって水平対向エンジン車は86が初めてではなく、むしろスバルより先に水平対向エンジン車を作っていた歴史がある(スポーツ800もその一つ)。


共同開発ということもあり「ほとんど同じ車」ではあるものの、やはりメーカーの違いを反映した故か外観が少々異なっている。たとえば、86専用色はオレンジで、BRZ専用色はインプレッサでお馴染みWRブルーマイカ。

当然メーカーエンブレムがトヨタかスバルかで違うし、そのほか灯火類の位置なども違いがある。ほとんどのトヨタ車はエンブレム周りがエンブレムに合わせて凹まされているが、スバルエンブレムの取り付けを想定し、86ではあえて凹まされていない。


なお生産に関しては(GRMNを除き)富士重工業が一貫して行っているため、形式名称も「DBA-ZN6」とスバルの命名方式が採用されている(BRZは「DBA-ZC6」)。フレームにはSUBARUと刻印がされており、その上トヨタエンブレムの裏側にまでSUBARUの刻印がされていたりする。「これはトヨタ車のエンブレム付けたスバル車だ」「スバルのOEM車」と言う声もしょっちゅう聞かれる。スバルが無資格検査で問題になったときも、トヨタ車で唯一86がリコールを受けている。

ちなみに86のカタログにはトヨタとスバルのジョイントベンチャーであることが喧伝される一方で、BRZのものでは(D-4S関連以外)トヨタのトの字も出てこないのが興味深い。でも圧倒的に数が売れている(4倍)のは86である。


乗り味については、86が軽快感を全面に打ち出しているのに対し、BRZは安定性に振ったチューニングがされている・・・と一般的に言われている。……メーカーイメージ的には逆な気もするが、近年の両社における経営方針的には間違っていないのかもしれない(だいたいこの人のせい)。ただしトップギアのジェレミー・クラークソンとスティグは、86/BRZに乗り味の違いは感じられなかったとしている。

BRZではtS、86では14R60やGRMNという限定車両が発売され、それぞれのメーカーの思想を色濃く反映したセッティングがされている。


2017年の"GR"ブランド発足以降は「GR」「GR SPORT」グレードもそれぞれ発売されている。なおGRの「GRMN」「GR」「GR SPORT」3グレードが全て揃っているのは他にはヴィッツだけである(ただしヴィッツは2020年3月に製造・販売終了)。


また以前はカスタムベースグレードもかなり違いがあり、86「RC」はインパネのパネルが一部ない、エアコンの設定がない、バンパーの塗装もなし、さらにはいわゆる「鉄チン」ホイールなど、完璧に競技指向であった。一方のBRZ「RA」はHID標準装備、カラードバンパー、エアコン(メーカーOPT)設定ありなどと若干はストリートユースも考慮されている。しかし86のRCは後に廃止された。そう言えばトヨタの子会社コンパクトカーのカスタムグレード(競技用車両)で86「RC」とほぼ同じポカやらかしてませんでしたっけ?


2020年8月に現行形の新車受注終了が発表された。最後までレーダークルーズコントロールや衝突被害軽減ブレーキ(アイサイト)は装備されなかった(スバルの担当者によると、フロントウインドウの高さや角度のバランスが悪く、アイサイトの装着は困難とのこと)。なお、トヨタ・スバルの両社は2019年に提携拡大時の発表で次期モデルの開発を公式に認めている。


関連項目

AE86 BRZ MFゴースト

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