概要
金田一少年が解決した事件の一つで、ノベルスシリーズ第四弾。
派手な前作とは作風が一転し、狭く深く掘り下げた「シンプル・イズ・ザ・ベスト」な作風になっている(舞台は無駄に広く、容疑者候補は無駄に多いのだが)。犯人とあるトリックのインパクトが凄い。
犯人は所謂「能条タイプ」なのだが、ある理由でミスリードが激しく、二重オチのような印象になっている。
あらすじ
南房総沖にある小島・不知火島で、医大を目指す学生のために開かれる「不動ヒポクラテスセミナー(FHS)」に、アルバイトに来た一と美雪。
その島は、鬼火が見える怪談があることから、「鬼火島」と呼ばれていた。
元サナトリウムだった「栄光寮」恒例の肝試しに参加することになった一たち。
午前零時になると共に、名前の不吉さから空き部屋にされている「百日紅(さるすべり)の間」の鍵穴から部屋を覗くと、受講生の一人・森村圭一が入院着を着た何者かに、首を吊るされる姿が目撃される。
しかし、鍵を開けて中に入ってみると、犯人はおろか死体すらも忽然と消えてしまっていた。
やがて、密室内で首吊り死体が発見される形で、第二の殺人、第三の殺人が起きる。
被害者はすべて、現在植物人間になっている海老沢邦明の苛めに参加していた連中だった。
はたして真犯人「午前零時の悪霊」とは何者なのか。入院着を着た犯人と、一が島に来る際に病院で見せられた少年・海老沢邦明の関係は一体…?
登場人物
アニメ版
苛め描写と殺人描写がかなり抑えられたことと、映像化によって舞台の規模の大きさと話の規模の小ささのギャップが目に見えるようになったことにより、原作以上にミスリードとシリアスな笑いが増している。
よく分からないシーンで切れる某キャラ♂、某キャラ♀が大胆な行動に出るオリジナルエピソード、格好いいカットが増えている犯人(原作では挿絵が少なかった)など、見所が盛り沢山である。
ただし、映像が中心でグロが抑えられている為、犯人の設定が控え目になっている。
ドラマ版
登場人物の人数がかなり抑えられ(犯人と犯人の関係者を除き、原作で人気が高かった人物を中心に大幅カットされた)、犯人と舞台の設定がより詳しくなった。
備考
- 『首吊り学園殺人事件』と同様に予備校と苛めと首吊りがテーマの事件だが、作風は異なり、復讐よりも苛められっ子同士の友情がテーマになっている。
- 『電脳山荘殺人事件』の次の事件らしく、川島豊のあだ名が「ユウタ」である。
- 富永純矢くんはアニメにもドラマにも出れずに不憫。『邪宗館殺人事件』では別の純矢くんの出番が増えている。
関連タグ
KINDAICHI…この事件のトリックが取り上げられた。
電脳山荘殺人事件 → 鬼火島殺人事件 → 上海魚人伝説殺人事件