核爆弾
かくばくだん
核反応によるエネルギーを利用した爆弾。
原子核反応を起こしてそのエネルギーを殺傷と破壊に用いる爆弾。初期の核兵器は爆撃機から投下する(大型の)爆弾という形でしか実現できない大きさであったため初期の核兵器は核爆弾を必然的にさす言葉であったが、米ソ冷戦期に入ると小型化が進められミサイルの弾頭や砲弾の炸薬として運用できるようになったため、1960年代あたりから核兵器のうち航空機から爆弾として投下するものを特に「核爆弾」というようになった。
また、核爆弾のうち核分裂を用いるものを核分裂爆弾、核融合を用いるものを核融合爆弾というが、一般には核分裂爆弾は原子爆弾、核融合爆弾は核反応に重水素と三重水素を用いるため水素爆弾と呼ばれる。
また、核反応の際に生ずる中性子線を効率良く放出するように工夫した中性子爆弾というものもある。これは、爆発による建築物の被害を抑えつつ生物のみを殺傷するように中性子を放出しやすいようにするべく核反応を行う容器の材質が異なっている。この爆弾の場合、中性子の放出の効率の良い水素爆弾がつかわれる。この爆弾については核実験の際に密閉された戦車や艦船の防御力が予想外に高かったため(1946年にビキニ環礁で行われた実験については2回行った核爆発で標的として配置した70隻のうち計13隻しか沈没しなかった)装甲を貫いた兵員の殺傷をすべく開発された。ただし、中性子の性質上分厚いコンクリートや大量の水に覆われた核シェルターに対しては効果が薄い。