あらすじ
野球少年の狩野笑太郎は、中学一年に見た高校野球の試合の影響で、高校野球の超名門DL学園に対して強烈な憧れを持つ。
その後の野球漬けの生活の結果、見事ボーイズリーグの有名選手となってDL学園からの特待生としてのスカウトを受け、夢叶いDLに入学・入寮した狩野。同期メンバーにも中学日本代表級の選手が集い、豪華なチームメイトが集まった。
だがDL学園は、厳しい上下関係と厳しい仕事、奇妙な風習を強いられる前時代的な体育会系の象徴とも言うべき地獄の世界だった。笑太郎は同期の仲間たちとともに地獄のような環境で野球に食らいついていく。
1年生も少しずつDLの環境に慣れていき、10年遠ざかっている甲子園優勝を目指し全力で野球に打ち込むDL学園野球部。しかしあまりに厳しすぎるDLの体質は、世間一般との温度差を日に日に増して行っていた…。
登場人物
1軍の正選手以外は守備位置変更の可能性を考慮し、「内野手」「外野手」と区分。
学年は1巻の入学時点のもの。
1年生
狩野笑太郎(かの しょうたろう)
本作品の主人公。捕手→一塁手。右投左打。白髪頭がトレードマーク。
性格はお調子者だが、DLへの思いと野球への愛は誰にも負けない。
努力に裏打ちされた天才的な野球センスの持ち主で、攻守に打率と長打力を兼ね備えた同世代屈指の好選手である。
1学年に1人の学費や部費が全額免除の「特待S」生徒扱いを受けている。
檜研志(ひのき けんし)
投手。左投。中学時代は「祇園の星」の異名を取る日本代表で、プライドが高い。
大学野球、社会人で名を馳せたDL学園OBの父を持ち、「ボンボン」の異名でも呼ばれる。
豪速球で三振を奪う左の本格派だが、メンタルが未熟で些細なことで調子を崩す。
花本走太(はなもと そうた)
内野手。右打。俊足好打タイプ。ほっぺの赤丸がトレードマーク。
中学No.1ショートと呼ばれた俊足堅守巧打のリードオフマン。
温厚な性格で多くの人から好かれ、「花ちゃん」と呼ばれる。
阿比留勇気(あびる ゆうき)
投手。右投。同じ投手の檜への対抗心が強く、何かといざこざを起こす。
門松晃(かどまつ あきら)
外野手。右投右打。長距離打者。無表情。
巨体とモアイのような顔面が特徴。同期一の大砲で4番打者タイプ。
独特な喋り方と雰囲気を持つ。
毛利阿黙夢(もうり あだむ)
外野手。左投左打。筋肉が自慢ですぐ脱ぐ。体毛が非常に濃い。門松の親友。
高い野球センスを持ち将来の主力と見なされていたが、部の環境に耐えきれず脱走、そのまま退部した。
南裕也(みなみ ゆうや)
内野手。右投右打。中学日本代表で4番を務めた強打者。
女子への欲求が強くエロ魔神扱いされている。
飛田新仁(とびた しんじ)
外野手。野球の能力では他のメンバーに劣るが、雑務の能力が高く頭も切れるため試合以外で頼られる。
3年
烏丸学(からすま がく)
遊撃手。右投左打。冷静かつ背中で語る男だが起こらせると怖い。
部内の強圧的な古い体質に対して疑問を抱く。
俊足巧打堅守の理想的なリードオフマンで、卒業後はドラ1指名を受けヤクルートへ入団する。
金川春馬(かなかわ はるま)
投手。左投右打。誰もが認めるDL学園のエース。
速球投手だが、中学時代は無名選手でありバーター入学で入った。
性格は横暴で下級生から恐れられている。打者としても5番である。
卒業後はドラ1指名を受け楽点へ入団する。
古谷一人(ふるや かずと)
三塁手。右投左打。チームの3番打者で副主将。高校野球屈指の強打者。
なぜか全裸で自主練を行う。卒業後は関西の縦縞チームに入団する。
石松大二郎(いしまつ だいじろう)
一塁手。右投右打。2m近い巨漢で長打力があり、4番打者を務める。
温厚で寡黙…というか「ウホ」しか言わない。
通称ゴリラ。もしくはウータン。
藤巻香(ふじまき かおる)
内野手。下級生の指導については武闘派だが、彼自身は重圧に弱く、控え選手である。
長打力は高い。
卒業後部に残り監督に就任する。
火影八幡太郎
中堅手。高い守備力を持つ6番打者。
めちゃくちゃケチであり、後輩をよくパシらせるが全くおごってくれないためハズレという意味で「ジョーカー」と呼ばれている。
桂歌舞郎
二塁手。バントがうまくいぶし銀の古典的2番打者。
八雲乱歩
捕手。眼鏡がトレードマーク。DLの正捕手。研究家。
2年生
長野孝広(ながの たかひろ)
内野手。右投左打。1年生(狩野たち)の指導役。テンションが高く「家康!」が口癖。
錦大蔵(にしき たいぞう)
内野手。長野とともに1年生を指導する。歌舞伎役者のような顔が特徴。
天津太郎(あまつ たろう)
投手。左投。DLの2番手投手。技巧派で甲子園でも2勝を挙げている。比較的温和。
DL学園について
大阪府にある野球強豪校。モデルはPL学園で、狩野たちが入学した年の選抜では全国準優勝だった。野球部は完全に寮生活である。
備考
作者のなきぼくろは高校生時代、本作のモデルとなったPL学園野球部に在籍しており、高校3年生の夏に9番右翼手で甲子園に出場している(2回戦敗退)。
今江敏晃は当時の作者の2学年上の先輩である。
参照:バトルスタディーズ開幕記念! 今江 敏晃選手(千葉ロッテマリーンズ)×なきぼくろ先生【PL学園 先輩 後輩 対談】