概要
アンハンガ(Anhangá)とは、ブラジルの先住民族トゥピ族の伝承に登場する精霊で、「古い霊」といった意味であり、日本ではアイアンガやアニャンガとも表記される。
地上を放浪しており、姿を現すときは炎のような真っ赤な目をした大きな白い鹿であることが多いが、人の姿や牛、アルマジロ、ピラルクなどにも化身することができる。
森の動物の守護者であるともいわれ、森を荒したりむやみに動物を虐めるものは、目に見えない攻撃を受け、幻覚を見せられて道に迷い、場合によっては命を奪われるという。
そのためトゥピ族の狩人たちは、獲物が得られないときは、アンハンガに邪魔されたと信じていた。
どちらからといえば人間に対して攻撃的で敵対する存在であるが、心正しい狩人であればブランデーなどを捧げることで加護を得ることができたり、カシューナッツを燃やしたり、守護する森の木を使って作った十字架で遠ざけるという手段も知られている。
キリスト教の宣教師たちは、「古い悪魔」を意味するアンハンゲラと混同して悪魔として扱ったが、先住民の神話で相当するのは悪霊ジュルパリである。