概要
沈黙の日曜日とは、1998年11月1日日曜日に行われた第118回天皇賞(秋)でサイレンススズカに起こった悲劇のことである。
この天皇賞では、前年の優勝馬であるエアグルーヴがエリザベス女王杯に出て、外国産馬であるエルコンドルパサーやグラスワンダーは出走資格がなかったため、強力なライバルは不在でサイレンススズカが単勝1.2倍の圧倒的人気であった。騎手である武豊も「堂々とオーバーペースで逃げます」と宣言、厩舎スタッフも「過去最高のデキ」と自信を持つほどであった。
いざレースが始まると、1000m57秒4という圧倒的ハイペースでレースを進めた。しかし第3コーナーの大欅を過ぎたあたりで、突然サイレンススズカが失速、競走を中止した。それでも、サイレンススズカは必死に転ばずにレース外まで足を運んだため、後続の馬と衝突せず、武も大けがをせずに済んだ。レースはオフサイドトラップが制している。
その後、サイレンススズカは左前脚の手根骨粉砕骨折で予後不良と診断され、安楽死の処置がとられた。
このレースの後、武はワインを溺飲し、生まれて初めて泥酔したという。なお、武は翌年の天皇賞をスペシャルウィークで優勝し、「ゴールの瞬間、まるでサイレンススズカが後押しをしてくれたようでした。」と語っている。
沈黙の日曜日というフレーズは、実況の塩原恒夫がサイレンススズカの父サンデーサイレンスレースが行われた曜日をかけて発したものである。
ウマ娘では
メイン画像のように、実際の競走馬を擬人化したゲームを原作としたアニメ『ウマ娘 プリティーダービー』でも再現された。1期の7話「約束」にてこのレースが行われ、サイレンススズカは第3コーナーを過ぎたあたりで骨折。ただ、史実と違い、スペシャルウィークが助けたため、大事には至らなかった。なお、オフサイドトラップは未登場であり、史実だとオフサイドトラップと同じ馬主であるエルコンドルパサーが優勝した。