キラーストリート

きらーすとりーと

サザンオールスターズの14枚目のオリジナルアルバムであり、同名のインストゥルメンタル曲も収録されている。

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1.サザンオールスターズの楽曲。インストゥルメンタル。

2.サザンオールスターズの14作目のオリジナル・アルバム。

楽曲

インストゥルメンタル。同名のアルバムのDisc 1の13曲目に収録されている。作曲は桑田佳祐、編曲はサザンオールスターズによるもの。メンバーのコーラスも収録されている。

タイトルはレコーディングに使用している「ビクタースタジオ」沿いにある、外苑西通りの通称「キラー通り」に由来している。当時開催した『Live Tour 2005 みんなが好きです!』でも演奏された。

桑田はこの曲が出来た事について「どこか物悲しさを感じさせるキラーストリートと、イタリア映画が持つ哀愁をおびた悲しさの波長が私の中でピッタリと重なり合って、もしかしたら音楽の神様(※1)がこの曲を私に与えてくれたのかもしれない」とコメントした。

※1：桑田が自身の音楽活動を語る中で度々使う言葉の1つである。

Disc 2の13曲目「The Track for the Japanese Typical Foods called “Karaage” & “Soba” 〜キラーストリート (Reprise) 」には歌詞をつけてか細い声で歌ったバージョンを収録。これについては「イタリアっぽい感じのメロディーを、どこかの日本人が詠み人知らずの詩をボソボソ歌っているイメージにしてみた」と語った。

アルバム

サザンオールスターズの14枚目のオリジナル・アルバムであり、2005年10月5日にCDで発売。キャッチコピーは“「すごいの、頂戴。」名盤保証!!”。

同年11月12日にはレコードとして発売。他の作品と同様にCDは2008年12月3日に再発。2014年12月17日からはダウンロード配信、2019年12月20日からはストリーミング配信が開始された。

1998年発売の『さくら』以来、約7年ぶりとなるオリジナルアルバム。タイトル発表の際にはその間隔の長さをスーツ姿で謝罪する記者会見風の広告が作られた。5人体制になってからは初のアルバムでもある。

ジャケットはビートルズの事実上のラストアルバム『アビーロード』のパロディであり、桑田が「サザンのラストアルバムになってもいいという覚悟で作った」と発言した為、解散説なども流れたがすぐに否定。このアルバムを引っさげて全国ツアーを敢行し、翌年以降も新曲の発売やライブを行い、ソロ活動や無期限活動休止期間(※2)を経験しながら活動を継続している。その為10年後の次作『葡萄』発売時にはインタビューで「まったく、ラストアルバムなんて滅多に口にするもんじゃない」「でも本当にそんな悲壮な覚悟でした」と反省の弁を自虐的に述べた。

※2：2009年から2012年まで。桑田はこのアルバムでサザンとして出来る事を当時の時点でやり尽くした事が休止に至った理由の一つである事を明言している。

「とりあえず質より量」という考えから『KAMAKURA』(1985年)以来の2枚組アルバムとなった。桑田はこれについても後年に「重箱の隅を突くだけ突いて、ネジをぎゅっと締め上げちゃった」と反省している。渋谷陽一からは作品としては評価した上で「ちょっと情報量が多すぎてプレッシャーを感じる」と指摘された。一方でTHERAMPAGEのRIKUが少年時代に親に買ってもらったCDとして本作を挙げており、売り上げも含めてサザンを知らない世代にも改めて存在感を印象づけた作品でもある。

レコーディング自体はシングル曲を含めると2003年から始まり、総レコーディング時間は歴代最長の3,300時間を費やした。2005年に本格的にアルバム収録曲をレコーディングした際には、先立って2月に鎌倉市のリハーサルスタジオで2泊3日の合宿を実施し、桑田が口ずさむメロディのみの楽曲を元にメンバーが演奏し、歌の原型を作る作業をした。

発売に際してのCMでは「ロックンロール・スーパーマン」をビクタースタジオの屋上で歌ったものと、「限りなき永遠の愛」をBGMにジャケットのイラストを映したバージョンの2種類が制作された。

2005年10月17日付のオリコン週間ランキングで初週63.3万枚を売り上げ1位。登場6週目にはミリオンセラーを達成した。現在は100万枚以上の売り上げ記録になっている。

収録曲

Disc 1

01．からっぽのブルース - サイケデリックなラーガ風のロック。桑田曰く歌詞は「縁側における哀しいつぶやきみたいなもの」。

02．セイシェル〜海の聖者〜 - 自然に対する憧憬や畏怖感をテーマにした楽曲。

03．彩〜Aja〜 - 2004年に発売された48枚目のシングル。同年に亡くなった父に捧げる曲でもある。桑田出演の日本航空『FLY! JAL!』CMソング。CMソング。

04．JUMP - 政治・社会への風刺を交えたファンク的応援歌。

05．夢と魔法の国 - 公共のマナーをテーマにしたハードロック。

06．神の島遥か国 - 2005年に発売された51枚目のシングル「BOHBO No.5／神の島遥か国」の2曲目。桑田出演のトヨタ自動車『MORE THAN BEST』CMソング。

07．涙の海で抱かれたい_〜SEA_OF_LOVE〜 - 2003年に発売された47枚目のシングル。フジテレビ系月9ドラマ『僕だけのマドンナ』主題歌。

08．山はありし日のまま - 原由子ボーカル曲。制作当時に原が読んでいた本の物語をヒントに桑田が制作した。

09．ロックンロール・スーパーマン - 桑田が影響を受けたグラムロックのサウンドを意識した楽曲。ミュージック・ビデオが存在する。

10．BOHBO_No.5 - シングル「BOHBO No.5／神の島遥か国」の1曲目。トヨタ自動車『MORE THAN BEST』CMソング。

11．殺しの接吻〜Kiss Me Good-Bye〜 - 桑田曰くニーナ・シモンをイメージしたマイナー調のジャズ。

12．LONELY WOMAN - 2004年に発売された50枚目シングル「愛と欲望の日々/LONELY WOMAN」の収録曲。トヨタ自動車『MORE THAN BEST』CMソング。

13．キラーストリート - 前述の通りこのアルバムのタイトル曲。

14．夢に消えたジュリア - 2004年に発売された49枚目シングル「君こそスターだ／夢に消えたジュリア」の2曲目。メンバー全員出演の日本航空『FLY! JAL!』CMソング。

15．限りなき永遠の愛 - 歌詞は内省的で、アレンジではビートルズの影響を受けている。永遠の部分は「とわ」と読む。

Disc 2

01．ごめんよ僕が馬鹿だった - 前述の合宿で原型を作った楽曲。自分の彼女に浮気がバレて、言い訳をしている愚かな男が歌詞のテーマである。

02．八月の詩 - フィル・スペクター風の曲調をイメージして制作された曲。桑田の地元茅ヶ崎市が歌詞に登場する。詩の部分は「セレナード」と読む。

03．DOLL - 49枚目のシングル「君こそスターだ／夢に消えたジュリア」のカップリング曲。人間の熱しやすくて冷めやすい人間の身勝手な愛を歌った曲。

04．別離 - 亡くなった恋人を送る内容の楽曲。タイトルは「わかれ」と読む。

05．愛と欲望の日々 - 50枚目のシングル「愛と欲望の日々/LONELY WOMAN」の収録曲。

フジテレビ系木曜劇場『大奥〜第一章〜』主題歌。

06．Mr.ブラック・ジャック〜裸の王様〜 - 20分で制作された当時の政府首脳・官僚社会・国際情勢を風刺した楽曲。

07．君こそスターだ - 桑田出演のトヨタ自動車『MORE THAN BEST』CMソング。アテネオリンピック日本代表への応援歌をオファーされ制作した。翌年の第77回選抜高校野球大会の入場行進曲にも使われた。

08．リボンの騎士 - 原由子ボーカル曲。「イロイロのパー」（原のソロアルバム『MOTHER』収録曲）以来のエロティックな内容となっている。

09．愛と死の輪舞 - アンデルセン、ジュペリ、イソップ、クロサワなどの芸術家が歌詞に登場する。スネアドラムのロールで参加している松田翔は松田弘の息子。

10．恋人は南風 - 47枚目シングル「涙の海で抱かれたい〜SEA OF LOVE〜」のカップリング曲。「Inside Outside U・M・I」というフレーズはザ・ビーチ・ボーイズの「サーフィン・U.S.A.」の歌詞のもじり。

11．恋するレスポール - 元々は桑田のソロアルバム『ROCK_AND_ROLL_HERO』制作時に没にした曲。レスポールはギブソン社が生産するエレキギターのブランド。

12．雨上がりにもう一度キスをして - 47枚目シングル「涙の海で抱かれたい〜SEA OF LOVE〜」のカップリング曲。メンバー全員出演の日本航空『FLY! JAL!』CMソング。

13．The Track for the Japanese Typical Foods called “Karaage” & “Soba” 〜キラーストリート (Reprise) - レコーディングスタジオの近辺の青山キラー通り付近に存在する「ホープ軒」「丸屋」が歌詞に登場する。ただし丸屋は現在は閉店している。桑田曰く「とことんバカバカしいまでに遊び半分」「ナンセンスソング」。

14．FRIENDS - 48枚目シングル「彩〜Aja〜」のカップリング曲。企画ユニット「地球ゴージャス」の舞台『クラウディア』主題歌。8分超えのサザン最長の楽曲。

15．ひき潮〜Ebb Tide〜 - 別れていく女性に対して、男が彼女の幸せを願う気持ちを描いた楽曲。