憲法改正
けんぽうかいせい
憲法改正とは、憲法の条文を変えることである。
状況
通常憲法は「合法ではない改正」を防止するため、改正の手続きが自らに定義されている。また、当初から条文に問題があった、あるいは制定の当時は問題がなかったが、その後情勢の変化等により何らかの問題が発生する、ということは法律にはよくあることである。
そこで新たに憲法に条文を追加する、または削除するなどの改正が必要となる場合がある。
また法律の改正においては学者などの間でもいくつかの意見が存在する。
- 大幅な改正であっても立法権により認められ問題のある改正であってものちに修正可能であるためそれらを認める「無限界説」
- この法律には基本原理が存在し、それらを超える改正は不可能とする「限界説」
一部の国の憲法においては「限界条項」、すなわち特定の内容においては改正することはできない、ということが明記されているものが存在する。
また、全部改正、すなわち憲法すべての条文を書き換え、新たな憲法とみなされるものが制定されることが果たして改正といえるのかという問題も存在する。
日本の場合
日本国においては2017年現在憲法が改正されたことはない。過去発布された大日本帝国憲法も日本国憲法の発布まで改正されることはなかった。
一方、日本国憲法においては各種矛盾、例えば天皇制の様々な問題、戦争放棄や戦力の不保持等の定義が曖昧であるため自衛権や自衛隊なども否定されるように読めることや同性結婚を想定していないため制限がかかるよう読めること、さらには学校に対する助成に関する問題などが存在し、改正を求める声も一部では存在している。
しかし、日本国憲法の場合、改正に当たっては以下の問題が存在する。
- 憲法改正の手続きが厳密さがない、あるいは厳密すぎる
- 憲法の再改正は可能かという問題
- これは改正した憲法に問題が発生した場合修正が可能かという問題である
- 例えば厳密に憲法を定めた場合問題が発生た場合は条文の削除なり書き換えが必要となるが、改正の失敗により国会が委縮、修正が行わなくなる可能性がある
このように、改正には幾多の困難な課題が存在する。そのため現在に至るまで憲法は改正されず、不条理が存在する場合は解釈により運用される状況となっていると思われる。