概要
データ
| 役職 | 聖王国最高位神官及び神官団団長 |
|---|---|
| 住居 | ホバンス一等地（実家） |
| 職業レベル | プリーストLv？、ハイ・クレリックLv？、ハイエロファントLv？など |
| 誕生日 | 上水月11日 |
| 趣味 | 人間観察（良い意味でも悪い意味でも） |
| 称号 | 外面如菩薩内心如夜叉 |
ローブル聖王国の最高位神官であり神官団団長。聖騎士団長レメディオス・カストディオの2歳下の妹であり、性格と能力は真逆だが姉妹仲は良好。姉妹で聖王女カルカ・ベサーレスの両翼を担っていて、レメディオスは〝表〟から、ケラルトは〝裏〟からカルカを支えており、カルカが女王でいられるのは頭脳面でサポートしてもらっているケラルトの存在が非常に大きい。
カルカの事は姉と共に非常に慕っていて、忠臣であると同時に王と臣下の立場を超えた親友でもある。この三人で聖王国北部を掌握している（南部は反カルカ派の貴族が集まっている）。
純粋な神官としての力量は周辺国家最高峰であり、かの蒼の薔薇のラキュースをも凌ぐが、機密事項であるためそのことを知る者はほとんどいない。表向きには信仰系の第四位階魔法まで使えるとされているが実際は第五位階まで使えており、英雄の領域に達している。
レメディオスからは「神が三物（知性、才能、美貌）を与えた」と高く評されていて、周りからは姉と合わせてカストディオの天才姉妹と呼ばれている。
人物
姉とは対照的に理知的で腹黒な性格をしているが、大切な者を想う気持ちは非常に強く、親友と家族に危害を加えられれば、姉以上に好戦的で無慈悲で苛烈な報復行為を行うことがあり、敬愛する主人であるカルカと敵対する貴族を追い落とす機会を虎視眈々と狙っているといった、強い敵愾心を持つ一面がある。その事から方向性は異なるが、その根底には姉であるレメディオスと同様に狂信者的な部分があり、それ故にカルカを良く思わない南部の貴族は、おいそれとカルカに手を出す事が出来ず、手を出せばケラルトによって泣きを見る事になる。
外柔内剛の策士
日頃から微笑んで許しを与えているように振舞うがそれは演技であり、腹には一物も二物を抱えていることがうかがえる。そのことから13巻で外面如菩薩内心如夜叉（菩薩の如き人物に見えるが実際は夜叉の如き人物）並びに聖王国最恐の女性と読者に紹介されていて、作中では「聖王女の即位は神殿勢力との癒着によるものでケラルトの暗躍のおかげ」という悪評が南部から立ったことがある。作者のツイッターによると、カルカとレメディオスのカルマ値は高いがケラルトは低いとのこと。
また神官らしくアンデッドを嫌っており、アインズ・ウール・ゴウン魔導国の存在を良く思っていない。
外見
目尻の向きや口角の形などにわずかな差異はあるものの、レメディオスによく似ている美女。そのわずかな差異が原因で笑っていると何かを企んでいるような腹黒な印象へとガラリと変化するが、カルカによると「困惑したときの顔がよく似ている」とのこと。姉と同様の茶髪を腰まで伸ばしている。
活躍
魔皇ヤルダバオト率いる亜人の大軍が堅牢な城壁を突破した時にカルカ、レメディオスと共に登場し、カルカに｢被害は出ないから問題になるのは戦費の方｣だと告げてカルカに同意を誘った。その際、姉と共にアンデッドに対する差別発言をしてカルカから軽く叱られて困惑した際に、姉と非常に似通った顔になり姉妹なんだな、とカルカを和ませた。
気を取り直して三人でヤルダバオトについて色々と話していたり姉からひっかかる様な正論を言われて釈然としないでいたら、そのヤルダバオトが自分達がいる北部城塞都市カリンシャに突如出現し、先行したレメディオスの後を追う形で近衛の精鋭を率いたカルカと共に、神殿の精鋭を率いて出陣する。
ヤルダバオトの下に到着してカルカと共にヤルダバオトに魔法で攻撃するがまるで通用せず、レメディオスが隙を突いて吹き飛ばしたことに歓喜の声を上げるがダメージはまるで入っておらず、ヤルダバオトは真の姿を見せる。真の姿を解放したヤルダバオトに神官達に天使を突撃させるが、逆に一撃で全ての天使を消滅させられ、カルカと共に標的にされてしまう。
いち早くそのことに気づいたレメディオスの指示で逃走しようとしたが、〈上位転移（グレーターテレポ－テーション）〉を使われた事で追い付かれてしまい、神官達は全滅。自身も死は免れたが倒されてしまい、カルカと共に攫われて、生死不明となる。
13巻にて（ネタバレ注意）
攫われて生死不明となった後しばらく出番はなかったが、道中でカルカの死亡が確認されて以降は、蘇生魔法が使える事でレメディオスからカルカを復活させられる最後の希望としてその生存を期待されるが、藍蛆の王子であるビービーゼーが囚われているカリンシャの城でその王子とネイア・バラハとシズ・デルタの前で、顔が白目をむいていて口は半開きになっている虚ろな表情になっている生首になった状態で聖王国最恐の女性ケラルト・カストディオは再登場を果たし、死亡が確認された。
その際、頭部の無い悪魔である頭冠の悪魔（サークレット）からビービーゼーの初恋の相手である亜人と一緒にアクセサリーのように頭部に飾られるという、あんまりな扱いを受ける（挿し絵付きで）。その上、マジックアイテムとして頭冠の悪魔から生前使えたと思われる魔法を勝手に使われてしまうという、憂き目にも合ってしまう。理知的で頭の良いケラルトが悪魔から良い頭として利用されるのはなんと皮肉な事か……。ちなみに、その時使用された魔法を受けたネイアからは、「天才の名を欲しいままにした理由がよく分かる」と評された。
その後、勝利したネイア達に遺体を回収してもらい、カルカの兄である王兄カスポンド・ベサーレスの手に渡ったが、その遺体の状態があまりにも酷い事を顧みて、カルカと同様に国葬せずに荼毘に付せられることになった。
また、ネイアが生首になったケラルトを発見した際はカルカと違い腐敗が進んでいなかったので、判別は容易に済んだが殺されたのが最近なのかどうかは不明。
余談
影が薄い
聖王国北部を取り締まる三人の女傑の一人であるケラルトは、上記の濃い設定の割には他の二人と違って影が薄くなってしまっている。と言うのも聖王国編の冒頭と終盤しか出番がないうえに生きている状態での活躍は冒頭しかないので、設定の優秀かつ腹黒なところを充分に読者に披露できず、不全なまま物語から退場してしまうのが原因。
生存して出番に恵まれたレメディオスはともかくカルカも出番の量ではケラルトといい勝負ではあるが、カルカの場合はヤルダバオトから棍棒のような扱いを受けて女の命とも言える顔面を潰されてしまい、絶命後も棍棒として扱われ腐敗した遺体が床や壁にバラまかれるというSAN値直葬ものの最期を迎えたインパクトがあり、読者から『聖棍棒』と云う渾名を付けられる程の存在感を会得したため、ケラルトの様にはならなかった（相対的にケラルトの死のインパクトが薄れた）。
そのうえ、カルカは聖王国の女王という決して無視できない立場の人間のため、本人が登場しなくても地の文や会話の中でカルカの名前が出てくる時が度々あるが、ケラルトにいたっては全く出てこないため、そのことが影の薄さに拍車をかけている。肉親であるレメディオスも状況が状況だからではあるがカルカの事ばかりしか考えておらず、ケラルトについてはあまり触れていなかった（無論、ケラルトの事をカルカと同じくらい愛しているため、ケラルトの遺体を見た際はカルカを復活させる事が出来なくなった絶望も加味して狂乱し、死者が出てもおかしくないような騒動になった）。
カルカと違い遺体がグロ過ぎなかった為か、挿し絵には一回だけ登場できた。それがせめてもの救い。
欠点
為政者としての欠点があるカルカと欠点だらけのレメディオスと違って欠点らしい欠点が無い様に見えるケラルトだが、「身内を甘やかしてしまう」という欠点が密かに存在していないことも無い。
作中の様子から察するに、敵に厳しい分味方には甘いようで、前述の姉から正論に置いて、レメディオスから悪びれもなく考える役目を十全に果たせなかった責任の全てはカルカではなくケラルトに在ると言われても、ケラルトは内心に留めただけでレメディオスを咎める様な真似はしなかった。一方でカルカは、「史上初の女王即位」である上に、優しさが余って強い政策が取れない欠点が存在していて、その事をレメディオスはともかく、聡明なケラルトなら間違えなく気付いているはずなのだが、ケラルトはカルカの欠点を指摘する様な意志は作中では一切語られていない。
恐らく、知っていたとしてもカルカへの想いの強さと敵愾心の強さから〝自分が何とかするから大丈夫〟だと問題視しなかった可能性がある。
優しさが過ぎて甘さに繋がってしまうのは、奇しくも親友でもあるカルカと通ずるものがあり、カルカが八方美人の〝日和見主義者〟ならケラルトは身内の存在を全肯定する〝モンスターペアレント〟と言える。結果的に身内に厳しくしなかったのが事実ならそれがケラルトの最大の失策であり、頭脳面で姉を甘やかしていた分、レメディオスは魔皇ヤルダバオトとの戦いの後から衰退の一途を辿る事になる。
もし、その聡明な頭脳で身内にも厳しく接していたら聖王国ひいては、ケラルトとカルカとレメディオスの運命は違っていたかもしれない。
関連イラスト
※だいたいあってる。
関連タグ
オーバーロード(アニメ) オーバーロード(小説) ローブル聖王国
カルカ・ベサーレス レメディオス・カストディオ カスポンド・ベサーレス
- ラナー・ティエール・シャルドロン・ライル・ヴァイセルフ……同作品において共通点が非常に多いキャラで、「美女」「策士」「腹黒」「高い地位に就いている」「大切な人への強い想いがある」「苛烈な報復を行う」といった以上の点が挙げられるがケラルトはラナーほど性格は破綻しておらず、身内と祖国に対する想いは真逆となっている。そのせいかお互いの末路は対称的であり、ケラルトは魔導国を嫌っては祖国の神官として死亡し、ラナーは祖国であるリ・エスティーゼ王国を見限り、魔導国入りを果たして生存している。ケラルトが具体的にどういう人物だったのかを知りたい場合は、ラナーを見れば大体の要領は得られるかもしれない。
- 夏油傑……他作品において末路が一致しているキャラ。
