アクロカントサウルス
あくろかんとさうるす
白亜紀前期の北米大陸で最大の肉食恐竜である。
概要
ティラノサウルス、ギガノトサウルスに並ぶ巨大肉食恐竜。白亜紀前期の北米大陸の生態系のトップに君臨し、共存していたサウロポセイドンなどの竜脚類、テノントサウルスなどの鳥脚類、サウロペルタなどの鎧竜を捕食していたとされる。
その証拠として、テキサス州グレンローズのパルクシ川では4頭以上のアクロカントサウルスが約20頭の竜脚類を追跡したとされる足跡化石が発見された。しかも中には竜脚類に噛み付いて引きづられたのか片足だけの足跡も確認された。これは大型獣脚類が集団で生きた恐竜を襲っていたとされる有力な証拠となっている。
発見と命名
1950年にアメリカ・オクラホマ州アトカ群で部分的な骨格が発見され、脊椎の棘突起が非常に長いことから「アトカ群産の高い突起の爬虫類」を意味するアクロカントサウルス・アトケンシスと命名された。当初はスピノサウルスに近縁とされたが、1990年代以降にカルカロドントサウルスやギガノトサウルスの研究が進んだことや、完全な頭骨を含む骨格の大部分が発見されたことで、カルカロドントサウルス科に分類されるようになった。(アロサウルス科に分類する説もあったが、現在では否定されている)
上述の化石を元にした非常に出来のいい復元骨格が出回っており、日本国内でも見ることができる。
特徴
白亜紀前期のカルカロドントサウルス科はまだ全長6~7mほどの中型の種が多かったが、本種は最大で全長12mに達し、当時の北米では最大の肉食恐竜であった。
最大の特徴として、名前の由来通り脊椎の棘突起が非常に長く、背中の襟元から尻尾の先まで「帆」が伸びていた。これは筋肉の土台となっていた可能性が高く、メイン画像のように首から背中が隆起しているような外見だったと思われる。