発見と命名
1994年、アメリカ・オクラホマ州アトカ郡にある刑務所構内で最初の化石となる4個の頸椎が発見され、2000年にマシュー・ウェデルらによってブラキオサウルスに近い新種の恐竜として「サウロポセイドン・プロテレス」と命名された。学名は、その巨体から地震のような地響きを立てただろうということで地震も司るギリシャ神話の海神ポセイドンと、ブラキオサウルス科の竜脚類としては最後にして最大の種と推測されたことから、「終局の前に完全となったポセイドンの爬虫類」を意味する。
その後、ワイオミング州の同時期の地層から更に多くの化石が見つかっている。また、テキサス州で発見され2007年にパルクシサウルス・ジョンセニと命名された化石も、現在ではサウロポセイドンのものとされている。
特徴
最初に見つかった化石は頸椎4個だけだったものの、ワイオミングやテキサスでの発見で全体像は分かりつつある。頸椎の大きさから推定すると首の長さは12メートルに達し、全長は最大28メートルに達したらしい。体重は50~60トンと推測されているが、仮に体重55トンだと体温が48℃にもなってしまうため、もっと軽かったとも言われている。体高は首を持ち上げたら17メートル以上にもなったとされ、史上最も背の高い動物とされている。
発見当初こそブラキオサウルス科と考えられたが、近年の研究ではティタノサウルス形類の中でもブラキオサウルス科よりも進化したソムフォスポンディリに分類され、エウヘロプスに近縁だったと考えられている。
生態
多くの竜脚類と同様植物食で、シダや針葉樹の葉を食べていた。孵化したての幼体は全長50センチ前後で、成体になるまでかなりの歳月を要し、その時期は栄養をより多く摂取するために雑食だったとする説もある。
テキサス州パルクシ川では本種のものと思われる足跡化石が見つかっており、ある程度成長した幼体と成体で構成された群れで行動していたとされている。
共存した獣脚類にはデイノニクスとアクロカントサウルスがいるが、健康な成体のサウロポセイドンの敵ではなかったとされている。しかしパルクシ川の足跡化石には、アクロカントサウルスに追いかけられた足跡も見つかっており、弱った個体などはこれらの肉食恐竜の餌食となっていたようだ。