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カイパーベルト天体の編集履歴

2021-11-06 17:22:27 バージョン

カイパーベルト天体

かいぱーべるとてんたい

海王星軌道の外側に円盤状に分布する天体の総称。

概要

カイパーベルト天体とはカイパーベルトに存在する天体の総称である。エッジワース・カイパーベルト天体とも言う。領域としてのカイパーベルトは「カイパーベルト」を参照。


海王星の軌道の外側を円盤状に囲む様に存在しており、軌道は円に近く、黄道面からの傾斜角が比較的小さい。

よく似た用語に太陽系外縁天体(海王星以遠天体)があるが、これはカイパーベルト天体に加え散乱円盤天体(エリスなど)や分離天体(代表的なものにセドナがある)、オールトの雲(非周期・長周期彗星の軌道から存在が予測されているが未発見)などのより遠方の天体も含む呼称である。なお、散乱円盤天体をカイパーベルト天体に含む場合もある。また、太陽系外縁天体とカイパーベルト天体を同じ意味の単語として使う場合もある。


冥王星とその衛星以外で初めて発見された天体は1992年8月30日に発見されたアルビオン(1992 QB1)で、それ以降数多くのカイパーベルト天体が発見された。

やがて、比較的大きな天体も多数発見されたことにより、2006年8月24日に国際天文学連合によって冥王星は惑星から準惑星に再分類され、「カイパーベルト天体に属する準惑星」となった。この様な太陽系外縁部に存在する準惑星を冥王星型天体と呼ぶが、2021年時点で正式に準惑星とされている天体は小惑星帯に存在するケレスを除き、全て冥王星型天体である。


長い間、詳しい事は分かっていなかったが、NASAの探査機ニュー・ホライズンズが初めて冥王星(及びその衛星)とアロコスの探査を行い、地形などの詳しい様子が明らかになった。しかしながら、表面の様子が分かる程の距離から探査されたのは、現時点ではその二つのみであり、これに続く探査計画も構想の域を出ておらず、未だ謎が多い天体群である。


主なカイパーベルト天体と族

主な天体

準惑星、及び個人的に特徴的な天体だと思ったものをピックアップして、発見日順に並べました。初観測の日と実際に確認された日、それぞれが発見日とされる天体もありますが、ここでは日付の早い方を発見日としています。

★付の天体は準惑星です。


※以下の表にソース元として貼り付けている外部記事には英文のものもあるので、各自でGoogle翻訳を使うなどして読んで下さい。

天体名小惑星番号仮符号発見日概要
冥王星1343401930年2月18日元太陽系第九惑星。カイパーベルト天体の中では圧倒的な知名度と人気を誇る。詳しくは当該記事を参照。
アルビオン157601992 QB11992年8月30日冥王星以降初めて発見されたカイパーベルト天体。2018年に正式名称が付けられるまで、長い間仮符号で呼ばれていた。この天体が属するキュビワノ族の名称は、自身の仮符号が由来である。
アラウン158101994 JR11994年5月12日常に冥王星に比較的近い位置にあり、冥王星から見て、周囲を公転しているように見える天体(準衛星)とされていたが、2015年と2016年にニュー・ホライズンズが遠方から観測した結果、これを否定する結果が得られた。5.4時間という比較的速い周期で自転している。
レンポ471711999 TC361999年10月1日珍しい三重小惑星で、ヒーシとパハという近い大きさの小惑星と公転し合っている。ニュー・ホライズンズ2号の打ち上げが検討された際、探査目標の候補とされた。
クワオアー5000002002 LM602002年6月4日準惑星候補。平均密度が4.2g/㎤と非常に高い(火星より高い)ため、他の外縁天体と異なり氷をほとんど含んでいないと考えられる。2016年にニュー・ホライズンズが遠方から観測を行った。
ハウメア1361082003 EL612003年3月7日輪っかを持つ、ラグビーボール型の準惑星。詳しくは当該記事を参照。
オルクス904822004 DW2004年2月17日準惑星候補。冥王星と似た軌道の天体だが、近日点と遠日点の位置が逆であり、冥王星と同じく大きな衛星(ヴァンス)を持つ為、冥王星との対比からアンチ・プルートとの異名を持つ。
マケマケ1364722005 FY92005年3月31日エリスや冥王星に次ぐ大きさの準惑星。カイパーベルト天体としては冥王星に次いで明るい。2016年に「黒い月」が発見された。
アロコス4869582014 MU692014年6月26日ウルティマ・トゥーレの名でも知られる。2019年にニュー・ホライズンズの探査が行われ、赤みがかった雪だるまの様な姿が明らかになった。

カイパーベルト天体には含まない事がある天体

※文献によっては、別の分類になっている場合もあります。


  • 散乱円盤天体

一般的なカイパーベルト天体より更に極端な楕円軌道の天体。海王星によって軌道を散乱させられたと考えられている。遠日点付近ではカイパーベルトの領域から大きく外れる為、カイパーベルト天体には含まない事がある。

天体名小惑星番号仮符号発見日概要
エリス1361992003 UB3132003年10月21日冥王星とほぼ同じ大きさの準惑星。冥王星の"惑星"としての地位にトドメを刺した張本人。詳しくは当該記事を参照。

  • 分離天体

散乱円盤天体よりも更に極端な楕円軌道の天体。近日点でもカイパーベルトの領域の外側に位置する為、カイパーベルト天体に含める事は少ない。内オールトの雲とも呼ばれる。

天体名小惑星番号仮符号発見日概要
セドナ903772003 VB122003年11月14日準惑星候補。分離天体としては最大。赤い色をしている。
バフィー(愛称)(不明)2004 XR1902004年12月11日準惑星候補。比較的真円に近い軌道を持つが、傾きが極端で縦に近い特異な軌道を公転する。軌道離心率(軌道の歪み具合)が0.2以下の天体の中で最も太陽から遠い。散乱円盤天体とする事もある。

  • 番外編(カイパーベルト天体に含む事はないが、太陽系外縁部に存在する天体。)
天体名小惑星番号仮符号発見日概要
オウムアムア1I/2017 U1(A/2017 U1とも)2017年10月19日太陽系外からやって来た天体の初の発見例。細長い形をしている。因みに、『いらすとや』にイラストがある。
プラネット・ナイン太陽系外縁天体の軌道の偏りから、存在が予測されている地球の数倍の質量がある仮説上の惑星。存在を否定する意見も多い。

主な族

似たような軌道を持つ天体は、それらをまとめて「○○族」と呼ぶ。


キュビワノ族

知られているカイパーベルト天体のうちおよそ3分の2を占める、海王星の重力的な影響をほとんど受けていない天体。軌道も円に近く傾きも小さいものが多い。古典的カイパーベルト天体とも呼ばれている。先述した通りアルビオンの仮符号が名前の由来となっている。

アルビオン、クワオアー、ハウメア、マケマケ、アロコスなど。


冥王星族

冥王星と似たような軌道を持つ天体で、知られているカイパーベルト天体のうちおよそ5分の1を占める。海王星と3:2の共鳴関係にあり、公転周期が約2分の3倍(243~253年)となる。

冥王星、アラウン、レンポ、オルクスなど。


トゥーティノ族

海王星と1:2の共鳴関係にある天体。その為、海王星の2倍の周期で公転している。名前は冥王星族(Plutino)と2 (two) を合成した造語である。


カイパーベルトが起源とされる天体

海王星最大の衛星トリトンや、土星の衛星フェーベなど、いくつかの衛星はカイパーベルト天体が巨大惑星の重力に捕らえられたものだと言われている。

海王星のトロヤ群(惑星軌道上の「ラグランジュ点」と呼ばれる、他の天体が安定して存在出来る領域にある小惑星)も、カイパーベルト天体だったものが、海王星の重力によって捕らえられたものだと考えられている。

また、彗星のうち公転周期が200年未満のもの(短周期彗星)は、カイパーベルト天体及び散乱円盤天体由来だと推測されている。

木星海王星の間の軌道を公転する小惑星ケンタウルス族はカイパーベルト天体が太陽系内部に入り込んだものだとされる。ケンタウルス族天体は軌道が不安定であり、太陽系外に飛ばされるか巨大惑星に衝突、あるいは衛星になるものと思われる。


関連イラスト

外縁にて創世の調べセドナ・アトランティス

オルクス発見・ひとみ、たんせい4号打ち上げ記念人形看守 ヴァンス&星域罪人 オルクス

カロンとセドナ衛星⇔惑星の大きさ比などの比較


関連タグ

宇宙 太陽系 冥王星 準惑星エリス 準惑星ハウメア

準惑星 小惑星 ニュー・ホライズンズ


KBO...カイパーベルト天体(Kuiper Belt Object)の略称だが、タグとしてはほぼ「韓国野球委員会」(Korean Baseball Organization)の意味で使われている。


関連外部リンク

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