概要
コウチュウ目コガネムシ科ハナムグリ亜科に属する甲虫。
成虫は主に樹液や果肉などを、幼虫は腐葉土を食料とする。
地方によってはブンブンと呼称される事もある。
上翅を開かず、少し持ち上げて下翅を上翅の横から出して飛ぶ。通常の甲虫は下翅を折り畳んで上翅の中に収納しており、飛行するには下翅を拡げる行程が必要となる為、即座には飛行できない。
その代わり、下翅を折り畳む必要がない為、即座に飛行へと移行できる。
これにより、カブトムシやクワガタ等に投げ飛ばされても地面に落ちる事なく飛行体制に移行でき、時間を殆どロスする事なく元の場所に舞い戻れる。カブトムシ等の投げ技は地面に落とす事で時間をロスさせてその間に樹液を独り占めするという戦略の為の手段であり、カナブンはその飛行性能で、この時間稼ぎという投げ技の主目的を実質的に無効化している。
また全身に緑色や茶色の金属光沢があり、日光を反射する事で上空の鳥から視認されにくくなっている。夜行性のカブトムシ等と異なり、天敵である鳥が活動する筈の日中でもカナブンが活動していられるのは、この天然の光学迷彩がある為である。
特徴的な攻撃手段を持たない為、餌の採り合いに際して攻撃によって他の虫を退ける様な手段は取る事はないが、雌を奪い合う際には雄同士が頭突きで決闘を行い優劣を決める。
主な種類
ナミカナブン
アオカナブン
クロカナブン
シロヘリミドリツノカナブン
トルコホウセキカナブン(スペキオーサジュッセリーニ)
オオケバネカナブン
クビワオオツノカナブン(クビワオオツノハナムグリ)
ポリフェムスオオツノカナブン(ポリフェムスオオツノハナムグリ)
オーベルチュールオオツノカナブン(オーベルチュールオオツノハナムグリ)
創作物への登場・モチーフ
甲虫王者ムシキング
とくしゅわざ「あいこやぶり」「必殺よこく」(いずれもチョキ)に登場。
何故か飛行時に上翅を開いて飛んでいたが、稼働から数年後上翅を閉じて飛行するように訂正された。
アダー完結編2008夏レインボー以降にも「昆虫カード」として登場。特定のカウントにおいてチョキで勝つと追加ダメージを与える。
ムシキングバトル_合虫ガッツ!!ではオリジン属性のギラファノコギリクワガタ及びパラワンオオヒラタクワガタの技「カナブン・マグナム」に登場。
新甲虫王者ムシキングではおたすけムシとして2015ファーストから登場。属性はチョキ、レアリティはN。おたすけ技は追加ダメージを与える「輝くスピーダー」。
シリーズを通してずっとチョキのおたすけ昆虫である。
涼宮ハルヒの憂鬱
アニメにて上記のムシキングのパロディネタでカナブンが登場したが、こちらは正しくしている。
サバイビー
虫を題材とした漫画で、カナブンの文太というキャラクターが登場する。主人公の仲間で、下ネタ担当。
昆虫物語みなしごハッチ
虫が題材のアニメで、拾い子として育てられたカナブンのブン吉や、キアゲバのリリィの育ての親であるカナブンのおばさんが登場する。
メダロット
メダロットと呼ばれるペットロボット同士がバトルする作品で、カナブンがモチーフのカナブン型メダロット「カナブンブン」が存在する。何故かカブトムシ型メダロットの意匠や名称を取り入れたパーツで構成されている。
他の昆虫との比較・相違
- カナブン
全体的に薄く平坦な体格をしている。
頭部は四角く前に突き出している。上翅の付け根の三角形が大きい。
成虫は樹液や果肉を食べ、幼虫は葛の群落の地表部分に生息し、朽木や腐葉土を食べる。
土壌を改良するため、益虫とされる。
飛翔時には上翅を拡げずに飛び、平たく軽量な為真っ直ぐ翔べる。
- コガネムシ
カナブンと比べると厚くずんぐりとした丸っこい体格をしている。
頭部は横幅が大きく胴に埋まっている。三角形の部分は小さい。
成虫は広葉樹の葉を食べ、幼虫は地中に生息し植物の根を食べる。
植物を食い殺すため、害虫とされる。
飛翔時には上翅を拡げて飛び、丸く重い為かフラフラと飛ぶ。
カナブンと同じく外骨格に緑色の金属光沢を持つ甲虫。日差しの強い日中に活動する点もカナブンと同様である。