概要
京都の私大、英都大学社会学部の助教授(准教授)。誕生日は4月15日。(ダリの繭から)
初登場時32歳、その後33、34と徐々に加齢していたが、最近の作品では停滞しているようだ。この辺の事情については『菩提樹荘の殺人』のあとがきで触れられている。
犯罪社会学を専攻しており、フィールドワークと称して殺人事件の現場に乗り込んでは事件を解決する。過去の実績から近隣警察と友好関係を結ぶことに成功しており、難解な殺人事件が起こると、警察の要請を受けて現場に赴く。
その類を見ない研究スタイルから、親友の有栖川有栖(通称アリス)に、「臨床犯罪学者」と名付けられた。
人物
定番の紹介は、「犯罪学者で名探偵、法律、法医学、心理学にまで造詣が深い。(中略)語学に堪能で、喧嘩まで強く、天体観測、登山、ボトルシップ作りと猫の調教、変態性欲の権威。」
これは、アリスが言い出し二人が共有する冗談の様なもの。火村がボクシング経験者であること、猫好きで数匹飼っていることなど、一応事実を元にはしている。
外見
若白髪の混じる黒髪に、端正な顔立ち、スラリとした体躯。当然女性にモテるが、当人は女嫌い。
服装に無頓着で、モノトーンのシャツとジャケットに、ネクタイをだらしなくぶらさげているのが基本スタイル。アリスから、「碁石みたい」と評されるファッションセンス。事件捜査中は、黒い絹の手袋を着用する。身を持ち崩したインテリギャンブラー風と称された事もあるので、やさぐれた雰囲気を醸し出していると思われる。考え事をしている時下唇を撫でる癖がある。
ドラマ版では謎が解けると「この犯罪は美しくない」と呟くのが恒例。(これはドラマによくある決め台詞の様なもの。原作の火村に決め台詞は無いが、似たような台詞を言った事はある)
性格
シニカルな現実主義者で、徹底した無神論者。口が悪く女嫌いだが、社会人としての礼儀は備えている。
外面はクールで如才ないが、近しい者にはおどけた面やだらしない面も見せる。その近しい者がアリスとばあちゃんと猫しかいないのが問題といえば問題。
友達らしい友達はぶっちゃけアリスだけだが、同僚や懇意にしている刑事達と信頼関係は築いているし、旧友の誘いも受ける。子供と無縁の生活をしている割に子供の扱いがうまい。
喫煙者であり、キャメルを愛煙している。
愛車は同僚から譲ってもらったベンツ。自動車屋に匙を投げられながらも延命している。
過去に何かあるらしく、扱いの難しい奴。
「人を殺したいと思った事があるから」罪刑法定主義が『代価として刑罰を払えば罪を犯しても良い』制度であるとして「代金を(略)払い忘れたふりをして食い逃げしようとするとぼけた野郎は、俺の力が及ぶ限りはたき落としてやる」(スウェーデン館文庫版162P)として殺人者の罪を暴きファイリングする。「犯罪だけが友」とうそぶき、己の暗闇と殺人者に向き合い続け、そして毎回「誰かを惨殺する」悪夢を見てはうなされ苦しむを繰り返す。その一方で、辛抱強く見守るアリスには気付いているのかいないのか・・・・
北白川にある元下宿屋に、学生時代から一貫して住んでいる。
火村は唯一にして最後の店子なので、のびのびと根を降ろし、大家の婆ちゃんを実の母の様に気遣い、世話を焼かれながら猫3匹(瓜太郎、小次郎、桃)と暮らしている。
アリスとは互いに英都大学2回生の頃からの親友。講義中にアリスが執筆していた応募作の推理小説を火村が勝手に読み、「その続きはどうなるんだ?」と聞いたことが、長い友情の始まりだった。
現在も互いの家に出入りし、何かにつけて共に呑み、二人で旅行に出かける仲。しかしそのアリスにも壁を作り、何処か突き放した態度を取る事がままある。
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斎藤工:ドラマ版キャスト