「嬉しいねえシーフー。忘れられたかと思ってた」
「戻ってこう伝えろ。真の龍の戦士が戻るとな」
「俺を誇りに思うと言え、シーフー!」
概要
CV:英語版「イアン・マクシェーン」/日本語版「中尾彬」
一作目の推定40年ほど前に翡翠城の前で拾われたシーフーの養子であり彼に拾われ育てられた弟子。つまり、マスター・タイガー(タイガレス)の義兄である。
カンフーの天才で、ポーの発言によるとカンフー秘伝の書を1000巻習得している。
また、本編中の強さはトップクラスであり、20年間身動きできなかった状況からいきなり体を動かし崩壊する洞穴から重力に逆らいながら脱出したり、マスター・ファイブを同時に相手取ったり、師匠であるシーフーにも勝ってしまうほど強い。タイランの暴走もあり、マスター・ファイブは八卦などの上級技は教えてもらえなかった。
一人称は字幕や小説版及び、ケロケロエース連載コミカライズ版では「俺」。ゲーム版では「私」。
二人称はシーフーに対して「シーフー」、「お師匠様」、「あんた」。コミカライズ版では「お前」。PS3ゲーム版では「貴様」。
それ以外は「お前、お前ら」、「名前呼び」。コミカライズ版では「貴様」。
三人称はコミカライズ版では「アイツ」。
シーフーは彼を愛しており、同時に才能を見出し修行をつけていた。
その成長は目覚ましく、シーフーも、本人も龍の戦士に選ばれるのは自分だと思っていた。
しかしウーグウェイに却下された際に、シーフーが彼に何も言葉をかけなかった事で激昂。
平和の谷を破壊し、力ずくで龍の巻物を奪いにかかった所をウーグウェイに秘孔を突かれ彼に敗北し、モンゴルのチョーゴン刑務所に収監され20年を過ごす。
しかしウーグウェイの予感を切っ掛けに脱獄。途中でマスターファイブと相対するが投獄されていたブランクを感じさせず、彼らを難なく撃破。
そして翡翠城の前でシーフーと20年ぶりの親子の再開を果たすが……。
ここまで見ると単なる悪役に見えるが、劇中の発言を深く考えると、彼は「龍の戦士の力で中国を支配する」と言った悪役にありがちなセリフは発していない。
その代わりにシーフーに誇りに思ってほしかった。小説版ではお前は本当にすごい、そう言ってほしかった。ゲーム版では貴様の為に強くなったと愛憎入り混じった感情をぶつけている。ある種のファザコンというべきか。
ウーグウェイがタイランを選ばなかった理由は語られておらず、具体的な内容は不明。
タイガーはこれに関してウーグウェイが邪心を見抜いたと語っているが、どのような邪心を抱いていたのかは明らかになっていない。しかし、『3』にて「龍の戦士は単にパンチやキックで悪を倒すだけの存在ではない」と語られている為、シーフーにだけ固執していたタイランでは、それに合致することはなかったと思われる。
反証として、ポーの方は才能こそ発掘の手間があったためタイ・ランに見劣りするが、彼には「どうしようもない今の自分を変えたい」という克己心があった。つまり精神的なタフさと、目標を「龍の戦士の使命」や「親への恩返し」に依拠しない自由さがあった。
親を超えて認められることは、確かに立派なことであり、親孝行である。だがそれを目標にすると、龍の戦士としての在り方をどう定義するかで手詰まりを起こす可能性がある。実際、終盤で龍の巻物の中身を見たタイ・ランはその意味が理解できず、覚醒したポーの腹肉のカウンターに為すすべなく吹っ飛ばされている。
またタイ・ランを始め、多くの者は「龍の戦士=最強の武術家」と定義付けし、最強の意味を「比類なき武術の腕前」だと考えていた。しかしその真逆だったポーの覚醒後の強さは、「自分を特別だと信じられる」ところにあった。
ウーグウェイが欲した龍の戦士は少なくとも、ただ才能に愛された者でなく、また使命感や見返りを欲して力を追い求める者でもなく、自分と向き合い自分を信じて自分を貫ける者だったのかもしれない。
余談
平和の谷を破壊したと語られているが具体的な死者の数はどの媒体でも不明。息子であり弟子であるタイ・ランが問題を起こしたのにシーフーが責任を取ったような描写は無い。
その為シーフーの立場的な事情を考えると死者が出ていない可能性もある。
(ただそうなると死者が出ていないのに20年投獄は重過ぎる気もするが……)
また、シーフーの種族であるレッサーパンダの天敵は雪豹。親子なのに天敵なのである。
英語表記は「Tai Lung」。漢字表記は「大龍」。また日本のメディアで表記されるときは「タイ・ラン」と中黒が常に入っている。だが名前を区切って呼ばれるシーンはないので中黒はファンに浸透していない。
アニメシリーズには彼の甥である「ペン」というオリキャラが登場している。
一作目のオーディオコメンタリーではタイランの生死の詳細は決まっていなかった。
同じくコメンタリーより、タイ・ランは自分の事をヒーローと思っていて、ポーやマスターファイブを倒して龍の戦士になればシーフーとも和解できると考えていたとの事。
ポーが初めて戦った敵というポジションゆえか、短編作品や本編内でも時折言及される。
さらに日本未発売のゲームでは生きていたタイランがほかの悪党と手を組み復讐に来るといったストーリーも。
しかし少なくとも映画本編系列では死亡判定らしく、公式からも言及されたり短いながらも決定的な描写が3にある。
だがタイランの死因はポーが我流で生み出したウーシィの指固めだが、3の描写によると実は相手を生きたまま魂の王国に送る技らしく、魂の王国に囚われてるが死んでいない可能性がある。
余談
- タイ・ランとは「大竜」を意味し、カイ同様、名前や体ならポーよりも「龍の戦士」に近いのが皮肉である。
- 当初のプロットでは親衛隊/手下の犯罪集団がおり、後のウー三姉妹などが含まれていた。
- これに関しては微妙にストーリーの違うゲーム版で回収されている。
- フュリアス・ファイブとの戦闘で、フュリアス・ファイブがタイ・ランを直接殺さずに敢えて縛り付ける様にしたのは、誇りあるカンフーマスターとしての流儀の為であり、フュリアス・ファイブは爪や牙を積極的に使うタイ・ランとは異なり爪や牙や嘴などを積極的には使わない。
関連イラスト
(タイ・ランよりもタイランタグの方が多く使われている。)
関連タグ
タイラン:表記揺れ
シェン大老:次回作の敵。
カイ:次々回作の敵。魂の王国で彼に敗北し、翡翠にされた。