デメテル
でめてる
- 『ギリシャ神話』の豊穣の女神。
- 『真・女神転生シリーズ』のキャラクター。本項で解説。
- 『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』のキャラクター。本項で解説。
- 『Fateシリーズ』のキャラクター。→デメテル(Fate)
- 『イナズマイレブン』のキャラクター。→出右手豊
ギリシャ神話のデメテル
ギリシャ神話の大神の一柱であり、オリュンポス十二神の一柱にも数えられる。大地の豊穣を担う女神。主神ゼウスの姉妹にあたる。
また、大地母神とされることもあり、祖母のガイア、母親のレアと連綿と続く大地の神権を司るとされらこともある。
娘にペルセポネ(ペルセフォネ)があり、彼女にまつわるエピソードによって季節が生まれたとされる。デメテルとペルセポネは同じ女神の二面を表すものと考えられる時もある。
ハーデスとの因縁
同じオリュンポスの神々で兄に当たるハーデスとは浅からぬ因縁がある。
彼女の娘ペルセポネはハーデスによって誘拐され、半ば強引に彼の妻にされたという経緯がある。
※経緯についてはペルセポネの記事に詳しい。
デメテルはおおらかで慈悲深い女神であると同時に、母としての愛も強かったため、ハーデスに娘をさらわれ(奥手なハーデスが突然誘拐など出来るはずもないと古代の人々でさえ思ったのか、ゼウスの入れ知恵という説もある)、婚姻を結ばされそうになっていると聞いて大変なショックを受けた。
ゼウス(デメテルとハーデスの兄弟でペルセポネの父)も「ハーデスは強いし、権力もあるし、大金持ちだし、広い領土治めてるし、釣り合い取れてんじゃね?」(意訳)と取り合ってくれず、あまりのショックに「娘を還せ!」と女神としての職務を放棄して人間界に隠れてしまう。
そのせいで人間界どころか神界まで大寒波と不作に苛まれることとなり、世界全体が食糧難の危機に直面する。
また、デメテルが自らペルセポネを探しに行くバージョンもある。
この道中で魔術神として知られるヘカテーの象徴である松明によって暗い夜道を照らしてもらったり、彼女に話し相手になってもらったり、途中訪れた国の王子に祝福を与えたりして、長い旅をしたのだが、結局ペルセポネは見つからなかった。それを見かねた太陽神ヘリオスがデメテルにゼウスが犯人だということを密告し、デメテルは怒り狂って人間たちに大凶作を招いたという。
さすがにこれはまずいと思ったゼウスは仕方なくハーデスを説得し、ペルセポネをオリュンポスに返すことを決める。しかし、この帰還のさなかにペルセポネはハーデスが気遣いで渡した冥界の柘榴を口にしてしまう。そのためペルセポネは正式にハデスの妻となって一年の1/3(もしくは1/2)を冥界で過ごすことになる。
無論、この際にもデメテルは猛抗議したが、さすがにペルセポネの不注意という扱いで取り合ってもらえず、ペルセポネが冥界に行くたびにデメテルは怒りと悲しみのあまり職務放棄を敢行するのであった。
このときのひと悶着が人間界に冬をもたらし、四季を生む結果となった。
地上を不毛の冬にしてしまう悲しみたるや、母の娘に対する思いは相当なものである。
まず、前提として、ペルセポネは無理やり連れ去られ、最初は本人の意思で冥界下りをしていない。母としては、そんな経緯で起きた婚姻によって、悲しく暗い死者の国に可愛い我が子をやる悲しみが深かったのだろう。
とはいえ、ペルセポネも次第に冥界の女王としての立場を受け入れるようになっているのだから、デメテルの方は悪く言えば子離れが出来ていないともいえる。
デメテルが溺愛しているペルセポネだが、彼女自体はゼウスに強姦された際に産まれた子どもである。いくら可愛い子どもとはいえ、強姦によって生まれた子どもを愛するのは流石の母性というべきか。ついでにポセイドンにも強姦されているので、兄弟三人(ハーデスは半ばゼウスに騙された結果とはいえ)全員に酷い目にあわされている。
女神転生シリーズのデメテル
「真・女神転生 DEEP STRANGE JOURNEY」のデメテル
DSJ以前は「ペルソナ2罪・罰」に「デメテール」名義で普通の悪魔として登場している(見た目は豊穣の女神ということからか背中から後光を意識したと思われるものがある)。
あどけない少女のような姿をした悪魔で、豊穣神の性格を現すように麦の穂とコルヌ・コピア(豊穣の角)を手に持つ。口癖は『ハーベスト』。他にも種籾や稲穂などに相手を例える言い回しも用いる。
デメテルは“実り”を探してシュバルツバースを旅しており、その目的は『人々から飢えと争いをなくし、豊穣を与えること』である。
作中、セクター・ボーティーズにおいて主人公がアレックスに殺される様を目撃したことから、残った霊を回収して主人公を蘇生させ、≪嘆きの胎≫に封じられる悪魔から力を獲得してアレックスに対抗できるだけの力を確立するよう助言する。
そして、主人公が嘆きの胎の探索を進める中で獲得した“実り”を目にしたデメテルは、“実り”を集めてくれるように依頼する。
主人公に協力的な態度を見せるデメテルであるが、彼女の弟であるゼウスからは『自らとは霊が異なり、何を考えているのかわからない』と主人公に警告してくる。
物語の終盤、デメテルが探し求める“実り”の正体が『第5の宇宙卵』だと判明する。
『第5の宇宙卵』はロウの地球意思である三賢人たちがメムアレフによって奪われた力そのものであり、三賢人は宇宙卵を取り返して本来の力を獲得するため、デメテルに“実り”集めの旅をさせていた。
新EDに繋がるいずれのルートでも、デメテルはアレックスから主人公に託された“第3の実り”を含むすべての宇宙卵の欠片を奪い去り、三賢人を本来の姿である神霊シェキナーに仕立ててしまう。
だが、三賢人が目指す法と秩序の世界を阻まんとする主人公たちは本拠である≪十天への至≫に乗り込み、神霊シェキナーと最後の戦いを繰り広げる。主人公の猛攻の前に追いつめられたシェキナーは、デメテルを呼び出すと彼女の全ての豊穣の力、命を使って自分を回復させるように命令する。
そして、躊躇しながらもシェキナーに『エレウシスの実り』を発動したデメテルは全ての力を失い消滅する。
「真・女神転生Ⅴ」のデメテル
今作でも女神種族の悪魔として登場。DSJ版の防御相性から耐物理と疾風吸収が削られたものの、本来の破魔・呪殺無効相性に加えて自動スキル『衝撃無効』を自力で覚えるため火炎弱点をカバーするだけで鉄壁の防御相性を獲得する。
スキル構成においてはDSJのシェキナー戦のイベントに使われた『エレウシスの実り』が“味方全体のHPを、最大HPの上限を超えて全回復する”という回復スキルとして実装されており、補助面では“ディアムリタ(味方全体のHP回復と状態異常治癒)”と“ラスタキャンディ(味方全体の全能力上昇)”が味方を支え、攻撃面では“マハザンバリオン(敵全体に特大威力の衝撃属性攻撃)”と“ハマバリオン(敵単体に特大威力の破魔属性攻撃)”が敵への打点を確保するので攻防ともに高い水準を満たした仲魔である。
また、サブクエスト“天王洲の魔王”を発注する悪魔として作中に登場。ダアトを実りある土地に変える第一歩としてテンノウズに居を構えた弱者を生贄に求める魔王ベルフェゴール討伐を主人公へ依頼する。
同クエストのデメテルは主人公の実力(ナホビノ)を一目で見抜き、ナホビノを『黄金の稲穂』に例えて今後も強く逞しく成長する事を願う等、どこかDSJの面影を偲ばせる言動を取る。
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』のデメテル
担当声優は櫻井浩美。
デメテル・ファミリアの主神。大らかな性格をしたグラマラスな女神。
巨乳に敵対心を抱くロキも大らかな彼女を前には毒気を抜かれることが多い。