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ラピート(rapi:t)とは、南海電気鉄道の有料特急列車の一つである。

南海線系統で、全列車が難波関西空港間の運転となっている。

天下茶屋~泉佐野間はノンストップとなる「α」と、堺・岸和田に停まる「β」がある。

ラピートは全席指定席で、乗車には乗車券のほかに特急券が必要。指定された座席の番号は特急券に書いてある。

ラピート停車駅には、ホーム内に特急券券売機が置かれている。

特急料金は距離別だが、泉佐野~関西空港間に限り、レギュラーシートのみ100円で購入ができる。

5・6号車は「スーパーシート」となっており、通常よりも料金が高い。

たいてい30分間隔で運行している。昼間の難波駅発の電車は0分発と30分発がラピートである(15分発と45分発は「サザン」または一般車による特急)。

どの種別に分類されるのか

先述のとおり、ラピートは特急に分類される。

南海線系統には、ほかに一般車を連結して(一部、特別車のみの列車もある)、難波~和歌山市・和歌山港(徳島方面行きフェリーに連絡)間を結ぶ「サザン」、一般車のみの「特急」もある(「特急」はたまに走っている)。

ラピートの詳しい解説(過去形)

関空の開港とラピートの誕生

ラピートは、関西国際空港関空)が開業した1994(平成6)年に誕生した。

りんくうタウン~関西空港間はJR西日本の関西空港線と線路を共有し合っており、両方とも鉄道会社の違いなどで使うホームが異なる。

JR私鉄が同一の経路を使う路線は、空港アクセスでは、成田空港JR東日本京成電鉄)があるが、成田では、乗り入れてくる路線の線路のゲージがJRは1067mm、京成は1435mmと異なるため、旧成田新幹線の下りをJR、上りを京成が使うという、特殊な使用方法が用いられたが、JR西日本と南海はゲージが同じため、複線で連絡橋を建設することになった。

最大のライバル

京成「スカイライナー」のライバルにJR東日本の「成田エクスプレス」があるように、ラピートにもライバルがいた。

JR西日本の関空アクセス特急「はるか」である。

「はるか」は、30往復という高頻度に加えて、新大阪・京都などの新幹線との乗り換え駅へ乗り換えなしで行ける便利さを兼ね備えていた。

ラピートは、そんな「はるか」に負けじとスピードで挑む姿勢を示し、なんば~関西空港間をノンストップ・29分で結ぶラピートαと、途中駅に停まるラピートβの二つを設定することで対抗した。

ノンストップの弱点

ノンストップは確かに速い。近鉄名阪ノンストップ特急は近鉄名古屋~大阪難波間を2時間10分で結ぶ。しかし、ノンストップが本領を発揮するのは、長距離であって、ラピートのような短距離の特急には逆効果であった。21世紀に入って、ラピートは深刻な乗客減に悩んでいた。あんときのスカイライナーのように。

最速達のラピートαは難波を出ると終点の関西空港以外、どの駅でも乗り降りができない。そのため、ラピートの乗客がだんだんと減っていったのであった。

南海の決断

南海は、遂にラピートの停車駅を増やすことを決め、ラピートαで行われていたノンストップ運転に別れを告げた。

最初にラピートβのなんば~泉佐野間の停車駅(当時)を「サザン」と同一にした。

当時のβの停車駅は

なんば-新今宮-堺-岸和田-泉佐野-関西空港

である、その後、南海電鉄のすべての特急列車が天下茶屋に停まるように設定し、2005年のダイヤ改正で「全列車りんくうタウンに停車、ラピートαを新今宮・天下茶屋・泉佐野に停車させる」という一発逆転の作戦を出した。

その甲斐があってか、ラピートの乗客は、若干であるが回復した。

そして空港線の間に限り、100円でレギュラーシートに乗れるというトンデモ作戦を施行。しかし空港線内は全駅停車するという。こらそこ、ぼったくりとか言わない。

増えるβと姿を消してゆくα

ラピートの需要も安定してきた最近、ラピートはまた変化を起こし始めていた。

速達形のαの本数が減り始め、代わりにβが増えたのだ。

現在、なんば発のラピートαは朝の数本にとどまっており、このままいくと、ラピートαは全滅するものと思われる。しかし、今後の関空の動き次第で逆にαが増発される可能性も少なくない。

ラピートの詳しい解説(車両)

専用車両として50000系が用いられている。編成は6連固定で、6本が存在。在来線特急形車両にしては珍しく、新幹線車両のように窓が座席一列分のサイズとなり、分離している。形状は楕円形。

50000系はデザイン面で非常に注力がなされている車両で、コンセプトは「レトロフューチャー」。先頭部は鉄人28号のようなロボット型で、目に当たる部分に窓がある。塗装は濃紺一色だが、光沢を持たせたメタリック塗装としている。

デザイン重視のためか、車体は鋼製。一部、機能しない部品も存在する。

車内は「レギュラーシート」と「スーパーシート」があり、前者は2+2、後者は2+1となっており、スーパーシートのほうがレギュラーシートよりも座席が広いが、当然料金も高くなる。「成田エクスプレス」でいう、普通車とグリーン車と同じようなもの。

制御方式は南海の特急車で初にして唯一のVVVFインバーター制御(GTOサイリスタ素子)。先に登場した1000系がベースのため、運転台・制御装置から出る音が1000系とほぼ同じである。

扉は外側式プラグドアを採用しており、500系新幹線とは異なり、近鉄の伊勢志摩ライナーのような感じである。

難波駅でのラピートの乗り方・降り方

難波駅では、ラピートは一番海寄りの線路に入線する。

その線路を、8番乗り場と9番乗り場が挟んでいる。

乗る時

9番乗り場(8番乗り場降車ホーム)がラピート専用乗り場となっており、そこから乗車する。入口には有人改札があり、かつてはそこにいる駅係員に特急券を見せなければならなかった。現在は見るだけなら入ることができる。

その有人改札にいる駅係員は、日本語英語を両方ともペラペラ話せるバイリンガルである。

9番乗り場には難波駅で唯一待合室がある。これは、ラピートが30分ヘッドなため。難波駅は、南海線,高野線はともに1~7番乗り場において常に何らかの列車がどこかの乗り場に停まっているが、8,9番線はラピートと一部の普通車、そして一部の住ノ江行きの回送列車が来ない限り電車は入線しない。

ラピートが来てもすぐには乗車できない。着いたらまずは乗客を全員下ろして車内清掃を始める。たまに、来たのに清掃員を乗せて再び出ていくことがある。

そして、ホームに入線してきて、9番乗り場側の扉が開けばいよいよ乗車だ。

降りるとき

降りるときは、そのまま9番乗り場に降りることになる。

また、乗車したラピートが回送列車となり住ノ江検車区に送られる場合に限り、8番乗り場からも降車できる。ちなみに他の列車も回送列車となる際に8,9番乗り場に入ることがあり、その場合も同様である。

意外な使い方

実は、特急券は購入した駅を起点として、区間を決めて購入することができる。泉佐野までなら、「サザン」の特別車よりも、ラピートβに乗るほうが断然よいだろう。

こういう風に使用すれば、りんくうタウン・泉佐野・岸和田・堺で南海線に乗る人なら、通勤ライナーとして使うこともできる。

ただし、天下茶屋より難波方面は、南海線の普通と同じ停車駅なので、ラピートに乗るとかいう「ぜいたく」などすんな!!って感じになる。

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ラピートの編集履歴2012/01/25 10:23:46 版