大いなる驀進
おおいなるばくしん
1960年公開の日本映画。
概要
東映製作の鉄道映画。長崎行寝台特急さくらを舞台に車内で発生するトラブル、列車の定時運行を妨げる自然災害、そしてそれらに立ち向かう国鉄職員の姿を描いた作品。
中村賀津雄と三國連太郎のダブル主演作品。
国鉄全面協力の下で撮影されたため、当時実際にさくらに使われていた20系客車を使用してロケ列車を仕立てている。
なお女優の中原ひとみが本作で食堂車の給仕係役として出演し、撮影のためにさくら号の食堂車に居た所をたまたま乗り合わせた日本食堂の営業部長が自社の社員と勘違いし「ウチにあんな派手な化粧をする娘が居るのか!」と怒鳴ったという逸話が残る。
東映チャンネルでは2007年と2009年に放映されていたことからフィルムないしテープが東映に残ってはいたがソフト化には長年恵まれず、初ソフト化は2012年発売のDVDとなった。
ちなみに本作の公開から15年後、東映は国鉄を怒らせる内容の映画を作った。
余談
- 作中に登場する寝台特急「さくら」の牽引機はEF58(東海道本線)→C62(山陽本線)→EF10(関門トンネル)→C59(鹿児島本線)→C61(長崎本線)と変わっているが、途中の山陽本線内で登場した「C62 1」と「C62 17」はそれぞれ京都鉄道博物館とリニア・鉄道館で静態保存されており、今でもその雄姿を拝むことができる。
- また、崖崩れの反対側で緊急停車する貨物列車の牽引機「D52 72」は現在、御殿場線御殿場駅前で静態保存されている。
- 作中では「三原西方約2km」で崖崩れが起きたシーンは、御殿場線山北駅付近の「箱根第1号隧道」で撮影されており、「さくら」の牽引機は尾久機関区所属の「C62 47」。反対側で急停車する貨物列車の牽引機は国府津機関区所属の「D52 72」が使用されている。