命名問題
名前は「恐怖」を意味するギリシア語Γοργών(ゴルゴーン)」に由来し、「恐ろしい爬虫類」若しくは「荒々しい爬虫類」を意味する。1914年にカナダを代表する古生物学者ローレンス・ランベによってゴルゴサウルス・リブラトゥスと命名された。
だが1970年代にすでに9年前に命名されていたアルバートサウルスと同属と考えられ、アルバートサウルス・リブラトゥスと改名された。しかし1981年の研究でアルバートサウルスとは異なる特徴が確認され、ゴルゴサウルス・リブラトゥスの学名が復活した。
化石はカナダ・アルバータ州からアメリカ・モンタナ州などで発掘されている。かつてはアラスカにも棲息していたとされたが、その化石は2014年に新種としてナヌークサウルスと命名された。
特徴と生態
約7660万年前~7510万年前の白亜紀カンパニアンに生息していた。
全長8.6メートル・体重2.5トンと、同時期に棲息していたダスプレトサウルスと比べると華奢な骨格をしていた。
ランベは歯のすり減り具合から死肉を食べるスカベンジャーだと考えたが、現在ではそのスマートな体型を生かしてパラサウロロフスなどのカモノハシ竜を襲っていたようだ。
角竜を捕食していたとされるダスプレトサウルスとは獲物の種類が異なっていたのでうまく共存できていたと思われる。
ゴルゴサウルスは様々な年齢の保存状態の良い化石が発掘されており、ティラノサウルス類の中でも研究が進んでいる。最近発掘された化石には骨折や細菌による感染症の痕だけではなく、恐竜としては初となる脳腫瘍の痕跡も見つかった。恐竜だってケガも病気もするのだ。
ケネス・カーペンターによると、尾には円形ないし五角形の小型のウロコがあったらしい。
成長期には年間50キログラム成長する。これはアルバートサウルスに近い成長率で、ティラノサウルス、ダスプレトサウルスより成長率は緩やかだった。
これまでに発見されている最大の頭骨は99㎝、最大の大腿骨は長さ105㎝に達する。
大型の標本では脛骨と大腿骨の長さが等しく、小型の標本では脛骨が大腿骨より長い。
ちなみにゴルゴサウルスは鼻先が広く、目は横向きについていたため視野は広いが立体的に見ることはほとんどできなかったようだ。
フィクション
日本の漫画ではその名前からかよくゴルゴ13とかけたギャグが存在する(例:こち亀、ブラック・ジャックなど)
また『ウォーキングwithダイナソー』などの恐竜映画でも悪役として人気を博している。
なお、「サ」を「ザ」にしてしまうと怪獣の名前になってしまうので注意。