概要
- タイトル : マッドファーザー
- ジャンル : 探索型ホラーアドベンチャー
- 製作ツール : WOLF RPG エディター
- 対象年齢 : 15歳以上(Switchでのリメイク版は12歳以上となっている)
- 公開日 : 2012/12/10
フリーゲーム「マッドファーザー」は、せん(旧名:RinBu)氏による探索型ホラーアドベンチャーである。
ゲーム説明
主人公の少女・アヤを操作し、化け物やトラップを回避しながら建物内を探索し仕掛けを解いていく。体力が表示されて0になると、ゲームオーバーとなる場合もある。
かわいらしい主人公と対になる、ゲームをプレイする旅に謎が増える考察しがいのある演出も魅力。終盤などの恐怖を引き立てる演出も強烈。
終盤の選択でエンディングが分岐する。
※2015年1月28日に、ver2.00が公開された。
一部マップ、グラフィックの変更、また「ifストーリー」追加。
(ifストーリーは、本作クリア後にGALLERYからプレイすることができる。
GALLERYを開くためにはジェムをすべて集める必要があるので注意。)
Steamで有料版が販売されており、2020年にさらなるリメイクと新ストーリーや新要素を追加したマッドファーザーがニンテンドースイッチで配信決定。初の任天堂ハードに進出した。
Steamの有料版も無料のアップデートによって、リメイク版へと更新される。
ストーリー
舞台は山間にある巨大な屋敷。そこに住む少女アヤ・ドレヴィスは、父親が夜な夜な狂気の実験を繰り返しているのを知りながらも、やさしかった頃の思い出を忘れられず、愛している。
母親が亡くなってから一年の経つある日の夜、父がいるはずの地下の実験室から悲鳴が聞こえてから、屋敷内で異変が起こるようになる。セールスマンを名乗る男に片目の無い金髪の少年...。亡くなったはずの母親(モニカ・ドレヴィス)まで現れ...。
そんな中、アヤは父を捜し出し助けるべく屋敷内を探索する。
登場キャラクター
本作の主人公。11歳。エプロンドレスを着用しており、腰まで届く黒髪ロングヘアーと大きなリボンが特徴。スノーボールという名前のうさぎを飼っている。
父の浮気相手であるマリアの事を嫌っている。その一方で、父と母が大好き。恐怖しながらも父を助け出そうとするが…。
本作のタイトルのマッドファーザー。夜な夜な謎の実験に明け暮れるマッドサイエンティストだが、娘や妻、マリアには優しい
故人。自らが裕福に育ったためか貧富差別の意識があり、貧民出身であり旦那の浮気相手であるマリアのことを快く思っていなかった。
マリア
ドレヴィス家に居候している使用人。
父の助手でもある。
オーガ
突如、屍が蠢く屋敷に現れたスキンヘッドで黒服な男。
セールスマンと名乗っており、アヤに対し助言を与え探索をサポートしてくれる。
ゲーム内の回想シーンの絵本の読み聞かせ中に登場す赤眼の怪人という人物は、彼のことなのだろうか。
金髪の少年(ロビン)
右目に怪我を負っている謎の少年。
亡者たち
父親の人体実験の犠牲となって死亡した哀れな亡者たち。殺された者たちの恨みや未練が募った末に亡霊となって蘇り、屋敷の人々に襲い掛かったり行く手を遮る。
BGM
- 古い人形(old doll) OP※タイトルは異なるがこの曲はIbの途中シーンのBGMでもある。後に歌詞付きver.も登場した。
- Theme song テーマ曲
- 誰もいない(nobody) 探索中
- 謎の男(enigmatic man) オーガ登場
- 思い出(Memories) 回想
- Aya's song_(グリーンスリーンヴス) アヤの歌
- 緊迫(pressing) 亡者に襲われ中
- Maria's song マリアのテーマ
- 愛と憎しみ(love and hate)
- 狂気(mad)小フーガ 父発狂
- 殘灯(residual lamp) ロビンとさよなら
- ブリキのコーヒーメーカー ED
関連イラスト
関連タグ
操(同作者によるフリーホラーゲーム)
外部リンク
ここから先、深刻なネタバレ注意!
アヤ
自覚は無いが、父親と同じ殺人鬼への兆しが現れている。
事実、彼女は事件解決後に人里離れた診療所で訪れた患者を品定めしている。そんな彼女の診療所には彼女の作品が飾られている…。
アヤの父親
しかしそれ以上に、他者の死に顔を見て至上の喜びを見い出してしまう生粋の快楽殺人者であり、マッドサイエンティストとしての一面もその延長線に過ぎない。
彼が行っていた謎の人体実験の実態も「殺害した人間を人形に改造して保存する」ことで、まず殺すことで殺人衝動を満たし、その死体さえ一番の楽しみである死に顔を眺めるために利用しようという、命と尊厳をどこまでも踏みにじるものであった。
快楽殺人鬼としての兆候は既に幼少時から顕著であり、初めて殺した相手は実母。妻に出会うまでは各地を転々としながら場当たり的な無差別殺人に明け暮れていたが、妻との結婚後は今の屋敷に移り住み、現在のような「人体実験」による手法に切り替えたらしい。
殺人狂ではあるが、娘のアヤへの愛情だけは妻よりも深く、当初こそ自身の秘密や所業に娘を巻き込むことを良しとせず、普通の女の子に育って欲しいとさえ願っていた。…が、その愛情故に娘が自分と同じ道を歩む兆しが現れた為、アヤが殺人鬼に堕ちる事を避ける為に娘を人形に改造しようと画策している。娘を人形にする事を反対した妻を殺害しており、その妻をそのまま人形に改造している。
本作のタイトルが「マッドファーザー」なのは、愛情故に狂った父親という意味なのかもしれない。
アヤの母親(モニカ・ドレヴィス)
怪事件の黒幕。死後、『呪いの力』で夫の実験で犠牲となった亡者を蘇らせて手駒にし、彼を闇の世界に連れて行こうとする。夫に殺害された悲劇の母親…のはずが、ところがどっこいとんでもない秘密を隠していたマッドマザー。
実はアヤが夫と同じ殺人鬼に堕ちる事を家族の誰よりも望んでおり、その兆しが現れた事を喜んでいる。アヤを人形にして愛らしいままに留めたがる夫に反対したのも、闇の世界でアヤが死ぬ事を良しとしなかったのもアヤが殺人鬼となる姿を望んだため。
また、殺人鬼としての夫を愛しており、夫との馴れ初めも当時流浪の殺人鬼だった彼に殺されかけて一目惚れしたという常軌を逸したもの。かなり嫉妬深い。
マリア
アヤの父親の助手として活躍する内に、彼と不倫関係になってしまう。
元々は帰る家すら持たない浮浪者で、行き倒れて死に掛けていたところをアヤの父親に救われた過去を持つ。そのことから、アヤの父親のためなら命を捨てることさえ厭わない狂気的な殉愛の忠誠を捧げており、実験後の死体の処理などの作業も淡々とこなしている。
アヤが自分を受け入れられないと思ってはいるものの、彼女の事を気にかけている。アヤの父親が死ぬ結末では、研究を引き継いでアヤに処置をする。また、アヤが殺人鬼となる結末では、彼女の忠実な犯行の助手として暗躍する。
金髪の少年(ロビン)
実はアヤの父親の実験で犠牲となっており、既に故人。
アヤの母親の『呪いの力』の影響で蘇った亡者の一人だが、他の者とは違い我執に囚われておらず、自らの死すら一つの現実として受け入れて自己解決している。良心の持ち主でもあり、自らの意思でアヤを救い出すべく、彼女を助けて屋敷から脱出させようとしている。
亡者たち
彼らが蘇ったのはアヤの母親の『呪いの力』の影響に因るもの。何れも我執に囚われており、その感情をアヤの母親に利用され、アヤの父親を闇の世界に連れ去る目的のための手駒にされている。