NSX(NA型)の後継として北米向けに開発が進められていたが開発が中止され、量産されることは無かった。
その後これを雛形としたレーシングカーがSUPER GTのGT500クラスにワークスマシンとして参戦していたため、そちらのほうがよく知られている。
概要
2007年のデトロイトモーターショーでAcura Advanced Sports Car Conceptとして初披露。
2005年までのF1と同じ排気量・気筒レイアウトである3.5LのV10自然吸気エンジンをフロントに積み、駆動系はレジェンドで実績のあったSH-AWD(四輪駆動力自在制御システム)を搭載する予定であった。
ニュルブルクリンクで開発が行われていたようで、同地では(明らかにサイズが合わない)S2000の外装が移植された怪しげな車と、HSV-010と見られるカモフラージュされたクーペが目撃されている。
2010年から北米のアキュラブランドで発売される予定であったが、2008年の世界的な景気悪化で開発が中止された。
HSV-010 GT
市販モデルは開発中止になったが、2010年から2013年にかけてJAFの特別認可を得てSUPER GTのGT500クラスに参戦していた。
エンジンは規定により3.8L・V8自然吸気エンジンのHR10EGを搭載した。
当時同じ規定を用いていたはずのトヨタ・日産よりもさらに一際甲高いエンジン音のせいで、すぐにHSVと分かるファンも多かった。そこに「ホンダ=エンジン屋」のイメージも相まって、今でも人気のあるホンダのレーシングカーの一つである。
駆動形式も規定に定められていた通りのFR(前方エンジン・後輪駆動)だが、ホンダが市販車の骨格を用いない純粋なレーシングカーでFR車を手掛けるのは初めてであった。
2010年に童夢によってチャンピオンを獲得した。
規定がDTMと統一された2014年からは、後継に新型NSX(のコンセプトモデル)であるNSX-Conceptが投入され、HSVはお役御免となった。