- 大友克洋のSF漫画「童夢」。本稿で解説。
- 日本の企業。レーシングカーの制作・販売、レーシングチームの運用などを主業務とする。
- 日本のアニメ制作会社。→童夢(アニメ制作会社)。
- 石ノ森章太郎原作の漫画『ミラクルジャイアンツ童夢くん』。または主人公の新城童夢。
- アニメ『無敵王トライゼノン』の甲斐童夢。
- 部分一致検索だと天童夢子(ゲゲゲの鬼太郎)まで引っかかる→天童ユメコ
大友克洋の「童夢」
日本の漫画家大友克洋の代表作。第4回日本SF大賞受賞。
1980年から1981年にかけて「アクションデラックス」(双葉社)などに4回に分けて発表された。その後、掲載分ほど加筆がされて発表された。
「現代のお化け屋敷」団地を舞台に、突出した超能力をもつ子供と老人が対峙するSF漫画。
緻密なパースを駆使した斬新な構図と、圧倒的な画力が当時たいへんな話題を呼んだ。
特に、目に見えないサイコキネシス(念力)による攻撃を受けた瞬間を、壁に突如発生したクレーターの中に、人物がドン!と押し付けられる表現が革命的で有名である。そのためクレーターが発生している絵や、超能力が目覚めたような絵にもこのタグがつけられる。
なお漫画作品でSF大賞を受賞したのは、本作と萩尾望都の「バルバラ異界」の2作品のみとなっている。
映画『エクソシスト』を見て「ホラーにしよう」と思い立った大友は、アルジャ―ノン・ブラックウッドの短編小説『転移』(全集所収のインタヴューでは「アルジャナン・ブラックウッドの『移植』」)に出てくる「庭に「何も生えないところ」がある家」でのお茶会の最中に起こる、伯父さんと「居ない筈の少年」による奇妙な戦い、それを「特殊な能力を持つ家庭教師」(メイド服着てないという描写がある)だけが目撃する点をヒントに、1980年頃当時「何か人が死ぬ」所であった集合住宅を舞台とし、謎のゴミ屋敷に住む謎の好々爺と、女子小学生エッちゃん(名前は「石ノ森章太郎のさるとびエッちゃん」から)の行動が、ほぼ公にされず、若い刑事が事件の真相に近づく、筋となった。