童夢
3
どうむ
直訳すると「子供の夢」だが、一般名詞としてよりも複数の固有名詞として知られる。
日本の漫画家大友克洋の代表作。第4回日本SF大賞受賞。
1980年から1981年にかけて「アクションデラックス」(双葉社)などに4回に分けて発表された。その後、掲載分ほど加筆がされて発表された。
「現代のお化け屋敷」団地を舞台に、突出した超能力をもつ子供と老人が対峙するSF漫画。
緻密なパースを駆使した斬新な構図と、圧倒的な画力が当時たいへんな話題を呼んだ。
特に、目に見えないサイコキネシス(念力)による攻撃を受けた瞬間を、壁に突如発生したクレーターの中に、人物がドン!と押し付けられる表現が革命的で有名である。そのためクレーターが発生している絵や、超能力が目覚めたような絵にもこのタグがつけられる。
なお漫画作品でSF大賞を受賞したのは、本作と萩尾望都の「バルバラ異界」の2作品のみとなっている。
映画『エクソシスト』を見て「ホラーにしよう」と思い立った大友は、アルジャ―ノン・ブラックウッドの短編小説『転移』(全集所収のインタヴューでは「アルジャナン・ブラックウッドの『移植』」)に出てくる「庭に「何も生えないところ」がある家」でのお茶会の最中に起こる、伯父さんと「居ない筈の少年」による奇妙な戦い、それを「特殊な能力を持つ家庭教師」(メイド服着てないという描写がある)だけが目撃する点をヒントに、1980年頃当時「何か人が死ぬ」所であった集合住宅を舞台とし、謎のゴミ屋敷に住む謎の好々爺と、女子小学生エッちゃん(名前は「石ノ森章太郎のさるとびエッちゃん」から)の行動が、ほぼ公にされず、若い刑事が事件の真相に近づく、筋となった。
関連記事
親記事
子記事
兄弟記事
コメント
コメントが未記入です