概要
偽りの聖杯戦争に介入したアインツベルンのホムンクルスである女性。
人物
アインツベルン出身ではあるが、アインツベルンとは決別している。
決別を表明した時に居合わせたアヤカに目を付け、自身の目的のための鉄砲玉になる事を強制。最低限の魔術関係の知識と他のマスターからマスター権を奪い取る令呪を与えて、スノーフィールドに差し向けた。
彼女自身もスノーフィールドへ乗り込んだが、マズダなる物を触媒にしての機械仕掛けの姿をした真バーサーカーの召喚の場所に居合わせてしまったことにより、英霊以上の力を持つ『何か』の器となってしまった。
『何か』に乗っ取られた後は、乗っ取られる前にしていたアヤカへの指示や命令を放棄して、ショッピングモールやカジノに入っている姿が目撃されている。
真バーサーカーに関連するマズダの名が付く物としてはマズダ電球が知られている。だが、それはゾロアスター教の最高神アフラ・マズダにあやかって付けられたものである。
『何か』に乗っ取られる前はこの世全てへの怒りを顕わにしていた。
『何か』に乗っ取られた後は奔放に振舞い、その存在に真バーサーカーは恐れを感じ、「人類をちゃんと支配してあげる」という物騒極まりないことを言っている。
憑りつかれる前は整った人形のような容姿だったが、憑りつかれてからは「彼女が美の定義となる」ほどの妖しい美しさをふりまくようになる。
正体(ネタバレ注意!)
5巻にて彼女を乗っ取った『何か』の正体が明かされた。
「大地の豊穣を司り、金星の輝きを持って戦士達に武運と褒章と破滅を与える、人を護る美の女神」—即ち、メソポタミア神話に登場する女神イシュタルである。
その性格は菌糸類曰く「遠坂凛とルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトを足して2で割って人間性を大幅に引いた」とのこと。
本来なら『何か』が憑くと器の人格や記憶が融合して変質するのだがフィリアは「神の器」として作られたかのような存在である為にすんなりと融合できたという。
また、その能力も、どこにも繋がってなさそうな『枝』から「天の牡牛(グガランナ)」を引っ張ってくる、溢れる魔力を自身の周りに循環させることで気配を消したりアルケイデスの矢を弾き返す、洞窟に捨てられていた『鍵』で戦闘中に展開されていた宝物庫を閉ざす、さらには人や獣ではなく人格の霊基すらない現代兵器をも魅了するなど規格外なものとなっている。その魅了の力は飛来してきたミサイルの全ての機能を失くして落下させ、火薬玉の一欠片に至るまで魅了し尽すことで一切の誘爆を起こさず火薬が炸裂するという理すら失わせている。
元々美しい女性ではあったが、美の女神が憑りつくことにより見る者の美の概念すら揺るがす強烈なオーラを放つようになった。
本来、神霊を喚ぶのは不可能である聖杯戦争において彼女が顕現できたのは、かつて「不敬な王に侮辱され、あのガラクタに神獣の臓物を投げつけられた時に世界に焼き付けた『祝福』が発動した為」であるという。
その祝福について、彼女は
「もしも、この星でいつか『あの二人』が再臨して出会うような事があれば‥‥‥私が全神全霊をかけて—人間達を護ってあげる‥‥‥って」
と語っているが…
これを文字通りに受け取るならば、地球上でギルガメッシュとエルキドゥの二人が相見える際には、どれほどの奇跡であるかは定かでないにせよ、イシュタルもまた顕現しうるということになる。
神話級の傍迷惑さの具現と言えよう。