演:片岡礼子
概要
三十六之巻より登場。
女性らしき淑やかさと、女性ならではの強さを併せ持つ芯の強い女性。
ザンキの元師匠で呪術を教え、かつて両親をノツゴに殺害された事を切っ掛けに鬼の道を歩む事になったという過去を持ち、その戦い方は憎しみを支えとした危ういものであり、それ故に両親の仇であるノツゴに対して並々ならぬ憎悪を抱きいており、ノツゴを仕留める為ならば手段を択ばない冷徹さを持つ。
なお、一見すると30代の外見をしているが、実際には呪術を使って若く見せているだけで、実年齢は老齢の老婆であるらしく、ザンキ曰く少なくともトドロキの祖母よりももっと年上らしい。
その為なのか様々な事情に精通している節が有り、生け花を用いて両手を回転させて炎の鶏を作り出し、これを式神としてDAのように使役したり、炎を身に纏って姿を眩ませるといった鬼幻術の源流らしき術を扱う事ができるほか、禁術である“返魂の術”をザンキに伝えたのも彼女である模様。また、洋館の男女とは面識があるらしい。
かつて弟子のザンキと共に日夜魔化魍たちとの戦いにその身を投じていたが、両親の仇であるノツゴとの戦いの最中に斬鬼を巻き添えに攻撃(そもそもノツゴの唯一の弱点は口の中であり、獲物を捕食する際にしかそのチャンスは訪れないのも理由の1つ)した為、“猛士”から追放されていた。
追放後は隈沢流華道教室の講師として隠遁生活を送っていたが、鬼の時代に唯一仕留める事が叶わなかったノツゴが出現したことを知ると再び憎しみに炎を滾らせ、とある強引な方法で再び鬼の力を取り戻そうと暗躍。
基本的に憎しみを糧として戦う信念からなのか苛烈な印象が強い彼女だが、スーパー童子・姫やノツゴに敗れて川に落ちたあきらを助けたり、自分と同じく両親を魔化魍に殺された事を切っ掛けに鬼を志す彼女に対して何かしらに想うことがあったのか、一時的に彼女を弟子するなどといった行動を取るなど、完全に人間性を捨て去った訳ではない事を窺わせる場面が少なからず存在する。
一時はあきらを囮として怨敵ノツゴを仕留めようとするが、最終的には自身を犠牲にしてノツゴに致命傷を与えて瀕死の重傷を負い、かつての弟子であるザンキによってノツゴが撃破されたのを見届けると、彼に「死に顔を誰にも見られたくない」と頼み、息を引き取った。
彼女の体を気持ちを汲み取ったザンキは彼女の亡骸を覆い隠す程の沢山の花を捧げるのだった。
そして、花がシュキを覆い尽くした後、亡骸は元の老婆の姿へと戻ったのであった。
斬鬼の師匠は誰だったのか?
先述の通りシュキこそが斬鬼の師匠だったとされているのだが、ここで一つ疑問が浮かぶ。
斬鬼の師匠が朱鬼なのに「斬鬼」が由緒ある名前というのは明らかにおかしいのである。
そもそも二十四之巻で香須実が響鬼に音撃弦を教えた斬鬼の師匠である「先代斬鬼」なる人物がいたことを語っており、シュキが登場した三十六之巻においてもシュキがザンキの師匠だったと聞いたトドロキが「え?あの、先代のザ…」と一瞬だけ名前を口にしており、直後にザンキはシュキの話を進めてしまったためその辺はよく分からずに終わってしまった。
こうした事態の背景には「響鬼」が中期に差し掛かった所で製作スタッフが一新され、作品のテコ入れの一環として「ザンキに再び活躍の場を与える」という目的があったためと思われる(先代斬鬼の設定が忘れられていた訳ではない。もし忘れられていたなら、先述のトドロキが名前を出すシーンが作られる事は無い)。
とは言え結局「先代斬鬼」が誰だったのか気になるファンも多く、以下のような仮説が立てられている。
回想シーンで既にシュキから「斬鬼」と呼ばれていた事から、財津原 蔵王丸がザンキを名乗った後と考えられ、
- 先代斬鬼の下で修行を積み、自立したザンキこと財津原 蔵王丸は、呪術の修行をしたい等の何らかの理由でシュキに弟子入りしていた。
という説が主流だが、他にも
- 先代斬鬼の下で修行していた蔵王丸だが、斬鬼の名を襲名する前に先代斬鬼が死去か引退かした為、シュキに師事していた。
- 逆に元々シュキの弟子だったが、修行を終える前にシュキが追放された為、斬鬼流に移った。
等の解釈もでき、回想シーンで「斬鬼」と呼ばれているのは飽くまでイメージであると主張する者も多い。
そして最もトリッキーな説では
- シュキこそ先代斬鬼の正体
とするものもある。
余談
本名・品川栞(しながわ しおり)。
とされており、『全戦士超ファイル』など、公式サイドの後年の書籍にもこの名で記されているが、作中でこの名は登場しておらず、一説によると2006年頃からネット上で流布されるようになった出典不明の呼称がそのまま定着してしまったのが真相らしい。
華道教室を開いている。なお、洋館の男女と面識があり、「鬼ではなくこちら側の存在」だと指摘されているが、この辺りの関係性は詳しく掘り下げられる事はなかった。