概要
飛天御剣流奥義。超神速の抜刀術。
右足を前にして抜刀する抜刀術の常識(※1)(※2)を覆し、抜刀する瞬間に絶妙のタイミングで鞘側の足、つまり左足を踏み出す。その踏み込みにより刀を加速し、神速の抜刀術を「超神速」にまで昇華させる技である。
理屈こそ簡単ではあるが、刀側の足を前に出した状態で抜刀攻撃は身体のバランスを崩すと同時に自分の足を斬る恐れがある。生死をわける極限状態での左足の踏み込みには確固たる信念が必要不可欠であり、「捨て身」「死中に活を見出す」などの後ろ向きな気持ちを一片でも含んでいては絶対成功しない…と、瀬田宗次郎は評している。
初撃をかわされたとしても、超神速の刀に弾かれた空気と真空領域によって敵の行動を阻害し、まるで掃除機のように相手を引き寄せ、特異な踏み込みによる強力な二撃目で仕留めることができる。
天翔龍閃に限らず、「飛天御剣流の抜刀術は、隙が全て生じない二段構え(双龍閃で言えば鞘での攻撃)になっている」と、比古清十郎は語る。
威力は絶大であり、師匠の比古を一撃で失神昏倒させたのを皮切りに、蒼紫、宗次郎を倒し、志々雄真実にも絶大なダメージを与え、人誅編に至っては外印を夷腕坊ごと十数m上空までぶっ飛ばしていた。
派生作品
キネマ版では九頭龍閃が奥義となったため、奥義とは別の「最速抜刀術」という位置づけとなり、技の読みも「てんしょうりゅうせん」に改められた。
九頭龍閃と同じく、剣心が抜刀斎となる前にすでに会得している設定となっている。
PS十勇士陰謀編では、RPGという都合上、一撃目しか登場しない。
PS2炎上!京都輪廻では原作通り、一撃目が当たらなかった場合に二撃目に移行する。
PSP再閃では一撃目のみ。
PSP完醒では、一撃目の後、真空の空間のエフェクトをバックに二発目を放つ。
脚注
※1
通常刀は左腰に備えるため、左足を前にすると抜刀時に斬ってしまう危険性がある
※2
左足を前に出す抜刀術が存在しないわけではない。著名な流派では以下がある。
・ 神夢想林崎流(居合術): 右身の技が、ほぼ天翔龍閃の体勢と一致する
・ 香取神道流(剣術): 立合抜刀一本目の冒頭、抜くと同時に踏み切り、左足を前に出す
・ 信抜流(居合術): 左足を出して抜くのが基本の流派 (但し、間合いにより踏み換える)
余談
誤解されることがあるが、天翔龍閃は右足→左足の順に踏み込むのであり左足のみを踏み込むのではない。左足だけだとただの「踏み込む足を変えただけの神速の抜刀術」でしかなく、抜刀時に加重と加速がかからず超神速に達しない。
このことは正体を見破った宗次郎からも言及されており、単行本12巻の初披露の時点でも、まず右足を踏み込んだ後に次のコマで更に左足を踏み込んでいるのがちゃんと描かれている。また、アニメ版や実写版でもちゃんと右足→左足の順に踏み込んでいる。
このように誤解されるのは、技を繰り出す時に左足の踏み込みだけで右足の踏み込みの描写が省略されがちなことに加え、志々雄戦で方治らが足の踏み込みを警戒する際に「左足を踏み込むか否か」ではなく「右か左か」と描かれてしまったのが原因と思われる。