ディアブロ(ランボルギーニ)
でぃあぶろ
曖昧さ回避:
- diablo。スペイン語で悪魔の意味。
- 闘牛の名前。
- 1987年生まれのアメリカ合衆国生産の競走馬、種牡馬。90世代。
- アメリカ製のアクションRPG。⇒diablo
- イタリア・ランボルギーニ社製の自動車。→ 本項で解説
- スーパーロボット大戦シリーズに登場するメカニック。→ディアブロ(魔装機)
- ファンタスティックフォーに登場するヴィランの1人
- 転生したらスライムだった件に登場するキャラクターの1人→ディアブロ(転生したらスライムだった件)
- ツキウタ。に登場する謎の箱生物
- 遊戯王5D'sに登場するライディングデュエル用のロボット。
- 仮面ライダービヨンド・ジェネレーションズに登場する悪魔→ディアブロ(ビヨンド・ジェネレーションズ)
- 仮面ライダーSPIRITSに登場する国家ガモン共和国に出没する仮面ライダー2号の蔑称
- 異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術の主人公。但し、こちらはカタカナのウに濁点をつける表記。→ディアヴロ
概要
1971年にデビューしその地位を確立したカウンタック(Countach)の後継として開発・製造されたスーパーカー。1990年最初期モデルデビュー。
前期のモデルはカウンタック同様にリトラクタブル・ヘッドライトを採用したが、昼間点灯(ちゅうかんてんとう-昼間でもヘッドライトを点灯させる事)を義務づけた国や地域が出たりヘッドライトの位置に関する法律が変わった国もあった関係で、1999年のフェイスリフトで日産・フェアレディZ(Z32)用のデンソー製(レンズはICHIKOH製)ヘッドライト部品をそのまんま流用し、固定式ヘッドライトとなった。この仕様は、とある日本のユーザーが私的な改造として行っていたものであり、それを見たランボルギーニの関係者によって正式採用された。ちなみに、ヘッドライトユニットに刻印されているNISSANのロゴは、ライト上部を覆うアイライン状のモールで隠されている。
エンジンについてはカウンタックに搭載されていた自然吸気V12エンジン(排気量が大きいモデルでは5.2L)を継承し、初期モデルは5.7L、後期モデルは6.0Lにボアアップした。
なお、2001年に発表された6.0SE(後述参照)が最後のモデルとなり、同年、ディアブロの後継としてムルシエラゴ(ランボルギーニ)が主軸の座を明け渡す事となった。
モデルとバリエーション(デビュー順)
ディアブロ (1990~2000)
ディアブロの標準モデル。現代のランボルギーニといえば軒並み4WD(四駆)だが、ムルシエラゴにバトンタッチする前後くらいまではRWD(リタタイヤ駆動)が主流だった。5.7L(5,707cc)のV12エンジンを搭載し、最大出力492ps/7,000rpmを発生。最高は速325km/h。前後のフェンダーとドアにはアルミ素材、バンパー、フロントフード、エンジンフード等にはランボルギーニが開発した「アウトクラーベ」という複合素材が使用され、ボディの軽量化がなされた。
当初のホイールサイズは前後共に17インチ。1998年にフェイスリフトし、前後のホイールサイズを18インチに拡大。
1999年からヘッドライトを例の固定式に仕様変更。
VT (1993~2000)
4WDモデル。ホイールサイズは前後共に17インチ。
1998年にフェイスリフトし、前後のホイールサイズを18インチに拡大。
1999年からヘッドライトを固定式のものに仕様変更。
ロードスター
通称:VT ロードスター
ロードスターの名前の通りオープントップ。
ミレニアム・ロードスター
2000年のデトロイト・ショーにおいて「6.0」(後述)と同時に発表された北米限定車。
専用色としてチタニウム・メタリックが設定された。
SE30 (1993~1995)
30周年記念スペシャルエディションのRWDモデル。ホイールサイズは、フロントが17インチ、リアが18インチとなっている。
150台限定生産とされたが、最終的に197台が生産された。
SE30 イオタ
別名「SE30 コルサ(Corsa)」。
専用のカスタムが施されたモデル。約20台の限定生産。
SV (1995~1999)
ムルシエラゴ以降のモデルにおいてよく表記されるLP○○-○で表すとLP530-2。その数字が示す通り530psのRWDモデル。ホイールサイズはフロント:17インチ、リア:18インチ。
1998年にフロントのホイールサイズも(VTと共通の)18インチに拡大された。
SE35 (1998)
SVベースの35周年記念モデル。10台限定生産。
SV ロードスター (1998~1999)
オープントップモデル。日本には輸入されていない、6台限定生産。
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GT (1999~2000) (メイン画像の車)
アウディ資本のもとでレース用車両(GT2、排気量は6L(5,992cc))を公道仕様にした世界限定80台のRWDモデル。
前後のトレッドを拡大。特に前のトレッドは110mmも拡大した為オーバーフェンダーに収めることになった。
6.0
4WDモデルのみ。5,992ccエンジンを搭載。アウディのルク・ドンカーヴォルケのもとでフェイスリフトされた。
6.0SE (2001)
2001年3月、ジュネーブ・ショーにおいて発表された最終モデルであり、メカニズムに関し
ては6.0と明確な差異は無い。2色の専用色(ゴールド系(オロ・エリオス)とブラウン系(マロ
ン・エクリプス))が設定された。
レース用車両 (デビュー順)
VT ラリー (1994年)
1994年4月、オーストラリア「タルガ・タスマニア(Targa Tasmania))」において、ほぼノーマルのVTが総合3位に入賞した。
F1 セーフティカー (1995)
1995年、F1カナダ・グランプリにおいてセーフティカーとして採用された。
イオタ (1994)
別名「SE-J」
全日本GT選手権に参戦するために寺井エンジニアリング向けに3台が製作された初代レース用車両。ちなみにその内の1台(P02)は公道用。
SV-R (1996)
SVベースのレース用車両。軽量化しエキゾーストをストレート(いわゆる「直管」)にするなどして540psのパワーを獲得した限定34台のワンメイクレースカー。
GT1 (1997)
1997年に2台が製作されたレース用車両。元AGSのミッシェル・コスタによって設計され、ランボルギーニファクトリー内で特別に製作された6L V12エンジン(ダブルオーバーヘッドカム(Double Over Head Cam、略称「DOHC」)機構を搭載)。シャシーはハンドメイド、ボディはすべてカーボンもしくはFRPなどの軽量素材で作られており、市販車とは別物である。1台は、1998年の全日本GT選手権で9位入賞を果たし、2000年鈴鹿1000kmで3位表彰台を記録した。別の1台は公道用として存在している。
GT2 (1998、2002)
SV-Rが成功したのち1台にとどまったGT1レース車両の挑戦を踏まえ、1998年にこれらとは別のレース用プロトタイプが製作された。実際にレースに出走することは無かったが翌年に市販されることになるGTのベースとなった。
ランボルギーニミュージアムには別の車両が「GT2 エヴォリツォーネ」として展示されており「6.0」をベースとして2002年に製作されたとされている。
GTR(1999)
GTベースのワンメイクレース用の車両。
ランボルギーニ工場により生産された数は30台であり、ナンバリングプレートがその証として与えられている。
生産者の国籍、国別仕様、車両の年号を示すVINの無いスペアフレーム(通称ホワイトボディ)がレース用の供給部品として10個が存在し、そのスペアフレームを所有または購入したレーシングチームがリビルトパーツ、スペアパーツ、市販車用のパーツを流用して数台のGTR仕様を組み立てた(内2台のGTR仕様が日本へ輸入)。
(VIN=Vehicle Identification Numberに基づいているもの)
GTR-S (2000)
GTRをベースにライター・エンジニアリング(Reiter Engineering)が開発した車両。
FIA GT選手権などに参戦していた。
JGT-1 (2001)
JLOCが全日本GT選手権に参戦するためにオーダーしたレース用車両。エンジンやミッションなどは「T1に使用していた物を流用しているがシャシーや足回りなどは新しく開発された。始めはサイドラジエター方式を採用していたが、後にフロントに移された。
余談
ディアブロという名前は曖昧さ回避の箇所で触れた様に、当初は闘牛とは無関係にディアブロと名付けるつもりだったが、後に調べた所偶然にも闘牛の名前に同じものがあった事が発表前に明らかになったという。
また厄介な事この名前については原理主義的なキリスト教関係者から反発の声が上がったという。
日本においては、ランボルギーニをメインにカスタマイズする日本人チューナー、諸星伸一(もろほししんいち)氏の愛車の1つがディアブロだったりする。その個体がNFS(2015)に収録され、NPCとして、そしてプレイアブルなマシンとして登場している。