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トロオドン

とろおどん

中生代白亜紀後期の北アメリカに生息していた小型の肉食ないし雑食性の恐竜。疑問名。

概要

およそ7500万年前の北アメリカに生息していた小型の獣脚類恐竜の一属。トロオドン科に属し、ドロマエオサウルス科(いわゆるラプトルの仲間)と近縁である。類とも近縁。体長は2m弱だが、アラスカの個体は倍以上になったとする説もある。

目下、トロオドン・フォルモススと(異論も無くはないが)T.イネクアリスという2種が存在する。

体つきはヴェロキラプトルなどと似ているが、前肢は短く、尾は骨化腱で補強されていない。また、後肢の第2指(人差し指)の爪はさほど大きくはない。

従来は肉食(アラスカで発掘されたエドモントサウルスの亜成体の化石からトロオドンの歯型が多数残っていた等)とされてきたが、最近になって雑食傾向が強かったのではないかという説が浮上している。「傷付ける歯」を意味する名前の由来となった歯の鋸歯の大きさが並外れて大きくプラテオサウルスなどの古竜脚類のものに酷似していることや、植物食とされるパキケファロサウルスなどの堅頭竜類も同様の歯の形をしていることが理由である。

脳は恐竜の中では極めてよく発達しており(ただしこれは小型獣脚類全般に言える)、「最も賢い恐竜」としてしばしば紹介される。1960年代、『デール・ラッセル』(ダスプレトサウルスなどを命名した学者)の研究において、「もしトロオドン(当時はステノニコサウルスと呼ばれていた…後述)が絶滅せずに進化を続けていたら、どのような生物になったのか?」という思考実験が行われた。結果誕生したのが「恐竜人間」・ディノサウロイドである。

中国産の近縁種の研究から、全身を羽毛に覆われていたとされている。また、巣や卵・幼体の化石も発見されている。抱卵した個体の大腿骨に卵のリンやカルシウムの供給源、骨髄骨がなかったことから雄の可能性があり(直接証拠ではない)、雄が子育てをするなど社会性があったとも考えられる。

命名と発見の歴史

トロオドンが命名されたのは1856年とかなり昔のことである。当初はトカゲの仲間とされていた。

命名からしばらくの間、歯の化石しか見つからなかったトロオドンだが、1924年に最初の転機が訪れる。以前発見されていたステゴケラスの化石が、トロオドンのものである可能性が浮上。こうして、その後しばらく堅頭竜類の化石は全てトロオドン属とされた。その中には後にパキケファロサウルスと呼ばれる化石も含まれていた。

が、1945年になり、「トロオドンって獣脚類じゃね?」という説が急浮上。こうして再びトロオドンの姿は闇の中に…。そうこうしている間にひっそりと、「ステノニコサウルス・イネクアリス」や「ポリオドントサウルス」という小型獣脚類が命名された。

その後、1960年代の終わりから続々と「ステノニコサウルス」の化石が発見された。やがて、1987年に、「ステノニコサウルスとポリオドントサウルスの歯ってトロオドンと区別できないから同属でいんじゃね? あとペクティノドンも」という説が提唱された。これといって反対意見も出ず、こうしてこれらは全てトロオドン・フォルモススとなったのであった。さらにこの頃、トロオドンのおおむね完全な骨格や、巣、卵や幼体の化石も発見された。

こうして、北米産のトロオドン科の恐竜を全てT.フォルモススとすることで決着がついたかに見えたが、2000年代に入り、「やっぱりステノニコサウルスとトロオドンて一緒にしない方が良いのでは?」といった意見や、「トロオドンとペクティノドンって生息年代が1000万年違うんですけど…」といった意見が噴出。

トロオドンはラテニヴェナトリクス記載時に疑問名となってしまった。

2007第1紀からわざカードの恐竜として「わざふうじ」に登場。わざの効果を考えると甲虫王者ムシキングカマキリにおける立場といえる。

ショルダーネームは「狡猾な知能犯」。

「7つのかけら」ではMPに関わるわざに登場する。

その他の創作

知能が高いとされ、恐竜人間(ディノサウロイド)に進化したかもしれないという説のため、創作などにも登場する事が多い。ドラえもんの「のび太と竜の騎士」や、恐竜惑星には、トロオドンから進化した知的種族が登場する。