概要
『宇宙戦艦ヤマト2205』に登場する機体で、原作『新たなる旅立ち』には登場しないオリジナルデザインとなる。コックピットを含む中央部分と、主翼や機関部などをまとめた左右部分に胴体を三分割し、各部を肉薄の構造で支持した特殊な形状を持つ。
艦載マルチロール機としての運用を主眼に設計された戦闘攻撃機。「試製空間戦闘攻撃機」という正式名称の通り、西暦2205年時点では制式化されていない実験機である。同ポジションの現行機としてはおなじみコスモタイガーⅡ(CTII)があるが、そちらとはまた違った独特の機能が与えられている。
最大の特徴はユニット化された各部への関節構造の採用によって機体をフレキシブルに変形させることができること。長距離巡航・通常戦闘・高機動といった状況に応じて各ユニットを移動させ、最適な機体形状に変化する。これを活用して機動性を高めることでコスモタイガーIIでは考えられないような変態飛行を行うことも可能である。
また、CTIIと比較して攻撃力がより重視されていることも特徴である。機体下部にはコスモゼロにも搭載された陽電子機関砲が鎮座しており、口径30mmのパルスレーザー砲程度で頭打ちだったCTIIと比べて自前の対艦火力で優位に立つ。また左右胴体内の空間の大部分を兵装ベイとして活用することで大きな搭載量を有しているとされる(制作段階の資料では実在のF-35戦闘機よろしくビーストモードなる運用形態が存在し、ミサイルを外部にも装備することができるとしている)。豊富なペイロードと強力な砲熕兵装によって対艦火力を高める本機の設計思想は奇しくもコスモタイガーⅠに近い。
性能諸元
- 全長(通常戦闘時):16.4m
- 全幅(〃):9.2m
- 全高(〃):4.8m
- 主機:複合輻流式コスモエンジン×2
- 武装
- 30mmパルスレーザー機関砲×6門
- 12.7mm機関銃×2門
- 57mm陽電子機関砲
活躍
ヤマト率いる第65護衛隊に試作分の機体が16機導入され、戦闘空母ヒュウガの搭載機として運用される。
第五話のイスカンダル星海上での移民船団救出時にて初の実戦を経験。デザリアムの襲撃戦闘機カタピラスの機動力に翻弄されつつも空戦で互角以上に渡り合ったほか、損傷したヒアデス級護衛艦に対して滑るように肉薄し、機銃斉射によって撃沈した機体もいた。
余談
リメイクヤマトシリーズの地球側メカデザインを担当している玉盛順一郎氏が「2202に登場したコスモタイガーIを小さくするとどうなるか」というコンセプトからデザインしたものが本機である。この経緯から当初はコスモパイソンは山本機になる予定だった。
ちなみに玉盛氏は旧日本軍の局地戦闘機「雷電」をもじってコスモライディーンという名前にしたかったが、デザリアム側のメカデザインを担当する明貴氏と脚本の岡氏から止められたらしい。新規キャラクターにキャロライン雷電がいるため名前被りを避けるためだと考えられる。