「座興は 此にてお仕舞」
巻頭ポエム
戦いこそすべて(59巻)
概要
CV:久川綾
卯ノ花烈の旧名。
彼女は元十一番隊隊長で、隊の創設者にして初代「剣八」であったという事実が明かされた。
京楽春水曰く、元は尸魂界において空前絶後の大悪人であり、総隊長の山本元柳斎重國に力を買われて初代「護廷十三隊」の一員となった。「八千流」という名前は、あらゆる流派・あらゆる刃の流れは我が手にありと、彼女自ら名付けたもの(そのため現在の「烈」が元々の本名なのかもしれない)。
回復術の鬼道「回道」を身につけたのは永遠に戦いを楽しむ為、という生粋の戦闘狂。
だが、最強の名をほしいままにした彼女をして、当時の更木は自分よりも更に強く、「この子こそが「剣八」に相応しい」と評した。
更に彼は「この強者を斬ってしまえば二度とこのような滾る殺し合いは出来ないだろう」と感じ、自らの本来の力を無意識に封じさせてしまったことから、自らの不甲斐なさに絶望してしまった。
なお、故にこれ以降更木は戦いにおいては無意識に相手と同等レベルの力しか出せないようになってしまっており、尸魂界編で卍解すら習得していない一護に敗北したのは彼が急激に強くなり過ぎた結果、力の調節が間に合わなかったからである。一方で戦いにすら値しない雑魚はつまらない為瞬殺している。
余談だが、千年血戦篇のアニメにて、千年前の初代護廷十三隊と光の帝国との戦いが描かれた第7話のアバンタイトルでは胸元に既に傷があったが、第10話の回想では少年更木との戦いが数百年前とされたため、どちらかがミスの可能性がある。
最期は自らの力を封じてしまった更木の本来の実力を呼び覚ますべく「無間」において彼と手加減無しの死闘を演じ、自らの全てを更木に明け渡して逝った。
「さようなら 世界でただ一人 私を悦ばせた男(ひと)よ」
約10年後を描いた獄頤鳴鳴篇では、”死剣”という二つ名が明かされた。
斬魄刀
- 始解:肉雫唼(みなづき)
卯ノ花烈の項目を参照。
- 卍解:皆尽(みなづき)
始解と同じ呼び名で表記のみ変わるという珍しい卍解。発動すると刀身から血のような液体が溢れ出し、周囲を覆い尽くす。
皆尽きるという彼女の本性を示すような、恐ろしい名前・外見である。
具体的な能力については言及されなかったが、アニメ版にて、血の池の様な全てが血で染まった空間を構築し、回道を使わずに瞬時に回復する能力と判明。
更に血の刃を刀身から放つ事で、中距離戦闘も可能。
なお考察界隈では、
・更木との戦闘描写から「敵も自分も永遠に癒し続ける=(戦意を失わない限り)永遠に戦い続けられる」
・始解との繋がり(「唼」は訓読みで「くらう・すする」)から「敵が流した血を吸収し、それを味方に輸血する(解放直後に出る血液は卯ノ花が今まで斬ってきた敵の血液)」
の2つの説が有力だった。
或いは、単純に「自分の霊圧を血液に変えてそれを操る」能力であり、戦っている相手の流血で回復したり自分の身体の傷を瞬時に癒やしたりする技は、能力の応用/発展系という説もある。
実際の人体でも骨折や裂傷が治癒するメカニズムは、損傷箇所に血液が溜まることで、血液中の未分化細胞が損傷箇所の細胞に分化していくことで成立する。そもそも再生医療と血液は、切っても切り離せない強烈な相互作用があるのだ。
ちなみにアニメ以前にゲーム『Brave Souls』で実装された作者監修のオリジナル形態「魂は更なる高みへ」では、赤い液体を操って攻撃するほか、攻撃に敵を弱体化させ、かつHPを自身に還元する状態異常付与が設定されていたり、必殺技の説明に「相手から吸収したものをエネルギーに変えて突き刺す」とあるなど、2つ目の説とアニメ補完を合わせたような描写がされていた。
(正確には、この形態が説の補強になった)
また小説で登場した7代目剣八が生物を召喚する能力であったことから、アニメで判明した血の池の様な空間は「肉雫唼」の腹の中を召喚したもの、という説も新たに出ている。
伏線
有名なものでは「カラブリ」掲載のプロフィール「特技:剣道」や元柳斎に次ぐ総合ステータスの高さ、湾刀(曲がった刀)はそもそも切断力を増すための形状、など、支援専門の四番隊隊長ではあるがいざ戦ったらとても強いだろう、という認識は大半の読者のなかにあった。
よくよく読み返してみると、かの藍染惣右介も彼女に対してはひたすら逃げの一手を取っており、正体を知っていたと思われる。
ちなみに作者曰く、初代剣八という正体が明かされるまで、彼女の胸元は(更木に付けられた傷があるため)見せないようにしていたとのこと。
普段は髪の毛で胸元を隠しており、寝巻き姿を見せた際も正面は向いておらず、水着を着用した際も胸元が見えないデザインになっている。
(左:アニメの水着回、右:『Brave Souls』の新規版)