概要
ファイブ・アイズとは、米英などアングロサクソン系の英語圏5カ国によるUKUSA協定(アメリカやイギリスなど5ヶ国の情報機関が情報を相互利用・共同利用する為に結んだ協定)に基づく機密情報共有の枠組みの事を言う。
アメリカとイギリスが創設し、その後カナダ、オーストラリア、ニュージーランドが加わった。アメリカ以外はイギリス連邦の構成国である他、アメリカも元々はイギリスの移民達が作った国であるため、歴史的に深い繋がりを持った国家群と呼べる。
前述のように、構成される国はアメリカ合衆国、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、カナダの5か国であるが、中国やロシアなど安全保障上の懸念が増大した事もあり、ドイツ・フランス・日本・韓国・インドといった国とも協力している。
目的
ファイブ・アイズは表向きとしてはアメリカやイギリスが中心となり情報を共有する事でテロリストやマフィアといった国際犯罪組織、独裁的な国家など国際秩序を乱す要因となり得るものに対応するための枠組みとされており、実際そうした面もある。
しかし実際は、敵対国はおろか同盟国や友好国も盗聴や監視されており、個人のプライバシーの侵害や産業スパイを行っている疑いが強い。欧州議会はNSAがエシュロン(通信傍受システム)を使って、欧州の航空会社であるエアバスの技術を盗む懸念から調査している。また、1995年にジュネーブで行われた日米自動車交渉では、NSAが自動車会社の幹部の電話を盗聴したと言われている。
つまり、ファイブ・アイズに対して不都合な国家や組織は徹底的に監視されているとも言える。
日本はファイブ・アイズの構成国との関係は良好であり、直接的にファイブ・アイズに敵視される可能性は低い。しかし、それはあくまで対中国を念頭に置いた場合に日本を米英陣営に入れた方が好都合だと判断しているだけとも言える。
関連タグ
エドワード・スノーデン…元NSA・CIA職員。内部告発を行い、アメリカによる世界的な監視が明らかとなった。