概要
オランダの植民地時代に多くの者が虐殺されたことが知られる、スマランのゴンベルの丘に出没するのでウェウェゴンベル(Wewe Gombel:ゴンベルお婆さん)またはコロンウェウェ(Kolong wewe:お婆さんの下で)と呼ばれる。
元はこの丘の近くに住む女性であったが、子を成せなかったために男に浮気され、怒りで男を殺害した罪から村からも放逐され、最後には自殺した結果化けたものであるといわれる。
本来の伝承では長髪を振り乱した、垂れ下がった長い乳房を持つ牙の生えた老婆で、親に問題があり虐待されたり、放置されている子供や、言うことを聞かない悪い子供の前に現れてはどこかへ攫ってしまうが、傷を付けるなどの危害は加えない。
一般には見た目は恐ろしいが、本質はシュガーパーム(椰子の樹)の頂にある住処に攫われた子供たちを優しく養い、親が悔い改めれば返してくれるという慈愛の存在であるとされる。
なおWikipediaなどのメイン画像でウェウェゴンベルとされるものは、16世紀のイタリアの彫刻家ジョヴァンニ・バティスタ・デカバリエリによって描かれた怪物図が、イメージに合うために用いられたものである。
国境が接した隣国マレーシアには、ハンツ=テテクやハントゥ・コペクと呼ばれる同様のお化けが伝わっている。