概要
オランダの植民地時代に多くの者が虐殺されたことが知られる、スマランのゴンベルの丘に出没するのでウェウェ・ゴンベル(WeweGombel:ゴンベル婆さん)またはコロン・ウェウェ(KolongWewe:取り囲むお婆さん)と呼ばれる。
元はこの丘の近くの村に住む女性であったが、子を成せなかったために男に浮気され、怒りで男を殺害した罪から村からも放逐され、最後には自殺した結果化けたものであるといわれる。
本来の伝承では長髪を振り乱した、垂れ下がった長い乳房を持つ牙の生えた老婆で、親に問題があり虐待されたり、放置されている子供や、言うことを聞かない悪い子供の前に現れてはどこかへ攫ってしまうが、傷を付けるなどの危害は加えない。
見た目は恐ろしいが、シュガーパーム(椰子の樹)の頂にある住処に攫われた子供たちを優しく養い、親が悔い改めれば返してくれるという、本質的には慈愛の存在であるとされる。
なおWikipediaなどのメイン画像でウェウェゴンベルとされるものは、16世紀のイタリアの彫刻家ジョヴァンニ・バティスタ・デカバリエリによって描かれた本来は無関係な怪物図が、イメージに合うために用いられたものである。
国境が接した隣国マレーシアには、ハンツ=テテクやハントゥ・コペクと呼ばれる同様のお化けが伝わっている。
創作での扱い
インドネシアでは有名な妖怪なので、各種創作に登場しており、1988年の同名の映画を始め2015年の『Wewe』、2019年のアジアの監督たちによるオムニバスTVドラマ『フォークロア・シリーズ』の1エピソード「母の愛」などに登場している。
またGooglePlayで『Wewe Gombel-Horror Escape』という、館からの脱出系アプリゲームが配信されている。