「大地動転の玉を手に入れ、ゴーマ最大の権力者、ゴーマ十六世となったのだ!」(第49話)
演:西凛太朗
概要
ゴーマ族の幹部の一人であるシャダム中佐が、ゴーマ皇帝の証である「大地動転の玉」の力によって変身した姿。本作のラスボスに当たる。
白を基調とした仰々しい出で立ち、それに白塗りの面など、先代の皇帝であるゴーマ十五世とほぼ同じ容姿をしている。
ゴーマ族の皇位継承者の一人として、かねてより皇帝の座を虎視眈々と狙っていたシャダムは、物語終盤にて参謀長嘉挧との間で繰り広げられた皇位継承戦を制し、さらに用済みとばかりにゴーマ十五世にかけていた術を解いて土塊に還すして大地動転の玉を手中に収め、念願を成就するに至った。
だがゴーマ皇帝となって早々、十六世はゴーマ宮に突入してきたダイレンジャーとの直接対決に臨むことを余儀なくされる。さらに間の悪い事に、この時大神龍が三度地球へと降り立ち、全ての戦いの元凶がゴーマ宮にあると看做して破壊を開始していた。
そうした危機的な状況下にあっても、十六世はダイレンジャーを倒しゴーマが勝利することで、大神龍を宇宙へ帰らせしめんとし、自らと相対したリュウレンジャーたち3人を翻弄。遅れてシシレンジャー等が駆けつけ6人全員揃ってもなお、大地動転の玉の力を発揮し彼らを寄せつけずにいた。しかしこれに対抗してダイレンジャーが天宝来来の玉を持ち出し、玉同士の力比べとなって戦況は膠着状態に陥る。その時、対峙する両者の前に死亡したはずの嘉挧の幻影が突如として出現、
「気力と妖力は光と影、正義と悪。
この世の物が全て二極から成り立つように、気力と妖力もまた表裏一体。元は一つなのだ。
一つの力を二つに分け、お互いが争いながら永遠に生きてゆく。これ即ち人間の宿命なのだ。
妖力が滅べば気力も滅び、気力が残れば妖力もまた残る。全ては虚しい戦いなのだ」
と告げ、永久に決着のつかない愚かな戦いを止めて直ちにこの場から立ち去るよう促した。さらにこの言葉に反応するように、天宝来来の玉も大地動転の玉も持ち主たちの手から離れてどこほともなく飛び去ってしまい、転身が解けたダイレンジャーと同様に十六世もまた、元のシャダムの姿へと戻ってしまったのである。
こうして力を失いながらもなお、ゴーマの支配者の地位に拘泥し続けていたシャダムだったが、その末路は自身ですら全く思いもよらぬものであった・・・。
備考
デザインは篠原保が担当。特に理屈はなく、先に十五世の存在があったことからそれに沿う形で、シャダムの雰囲気を顔の塗りで表現してみたものであるという。また、番組の開始時点ではシャダムがラスボスになるという話は全然なかったことも、併せて明かしてもいる。