戸村薫
とむらかおる
概要
白嶺高等学校の生徒で代議士の息子。市長の息子やアキと共に浩太をいじめていたグループのボス。浩太が東山グループの次期会長になったことを知ってもそれを認めない。浩太曰く「間違っているいないに関係なく、騒ぎ立てて強引に自分のペースに持っていくのが得意」な自己中心的な男。
浩太の想い人の斑鳩渚と婚約関係にある。
人物
上述通り、典型的なまでに自己中心的で横暴な大男。親の知らないところで何かの悪事を行っており、ばれれば危ういものらしい。
また、渚のことも政略結婚を差し引いても全く大事にしておらず、浩太や他のクラスメイト達の前で「お前は俺が出世するための道具」と言い放ち、更に彼女の母も侮辱するなどモラルもTPOもまるでない最低最悪な存在。だが、彼女との婚約で出世できるということは、彼女の父の斑鳩丈一郎の機嫌を損ねるようなことをすれば出世に響くということさえ分かっていない。
そんな性格に加えて、暴力で周りを従わせていたために浩太が苛められているのを笑っていたクラスメイト達からも実際には酷く嫌われている。また、浩太のことに対しても何かと『妾の息子』しか持ち出さない低能ぶりを覗かせる。
転落
鏑阪世衣良を撃退した後、浩太は人気者になっていた。と言っても、明らかにゴマをすっているだけだが、浩太が人気者になったのを認めない戸村はまたも『妾の子』と抉るが、逆に「大した実績もない縁故だけの代議士の息子」と切り返された。実は、戸村は縁故以外は何もない代議士の息子であることを、コンプレックスにしていた。つまり、常日頃の態度で虚勢を張っており、妾の息子の浩太にマウントをとっていた。それは、逆を言えば浩太以外にマウントを取れる相手がいないということで、『自分にマウントをとって、暴力にしか頼れない』と徹底的に抉られ、殴りかかったところで浩太に脅されたクラスメイト達にリンチに遭い、更にそれを他のクラスメイト達に盛大に笑いものにされ、浩太に惨敗した。
しかも、浩太は既に戸村など眼中になく生徒会長の白嶺亜莉亜を引きずり出す餌にしたに過ぎなかった。浩太曰く『打ち筋なんてない、下地さえ作れば簡単に潰せる相手』であったと確信した。
浩太と同じく、『自分には何もない』ということを自覚していた戸村。しかし、『縁故だけの代議士の息子』をコンプレックスにしていても、浩太とは決定的に違っていた。
細かく表記すると
渚を『出世の道具』扱いする=グランド・ノースと斑鳩丈一郎の力で出世する。
『間違っているいないに関係なく、騒ぎ立てて強引に自分のペースに持っていく』=自分の意に沿わなければ図体と暴力で従わせる只のワガママ。
周りがグランド・ノースと自分の父の威光に媚びを売っているだけを理解していない
浩太に妾の息子しかいわない=それ以外にマウントを取れるものがない
打ち筋なんかない=最初からまともに勝負をする気も、最後まで勝負する気すらない。
浩太が得意なチェスに例えれば、『チェックメイトをイカサマ呼ばわりして吠えて、自分の勝ちにする。或いはボードをひっくり返して勝負を無効にする』といったところだろう。
つまり、『自分のコンプレックスをより下を貶めて自分を偉く見せて発散するだけならばまだしも、最初から自分を磨く気がなく、他人の力で出世する気でいる』=『父と同じく縁故だけ』を実践していただけであった。
押しつけられた後継者の椅子と周りがそれに群がってくることを理解して且つそれを自分のものにして、自分が欲しいものをミストレス達の力も借りて手に入れようとする浩太と正真正銘の真逆で、最初から負けていたのである。
物事の一から十まで自分の思い通りにならないと我慢できず、そぐわなければ無理矢理従わせるという美点と呼べるもの等何一つない、典型的なまでのどら息子の末路であった。