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あくスヤの編集履歴

2023-03-30 22:24:16 バージョン

あくスヤ

あくすや

漫画『魔王城でおやすみ』のキャラクター「あくましゅうどうし」×「スヤリス姫」のカップリングの略称。

概要

魔王城でおやすみ』に登場するあくましゅうどうしスヤリス姫のカップリングの略称。

魔王に攫われた姫と魔王の腹心の幹部の組み合わせ。

あくましゅうどうしはスヤリス姫のことを「姫」、スヤリス姫はあくましゅうどうしのことを「レオくん」と呼ぶ。呼び方に関してのエピソードも本編で描写されている(後述)ので必見。


190cmと150cmのなんと40cm差。

そして悪魔×人間という、体格差・身長差・寿命差・年齢差・異種族・身分違い・敵同士…と属性てんこ盛りな組み合わせである。


本編ではあくましゅうどうしは自由奔放なスヤリス姫によく振り回される苦労人の1人。

一見おじいちゃんと孫のようで、大変微笑ましい関係性である…


――と思われていたのだが、原作6巻71夜頃からあくましゅうどうしがだんだんと暴走し始め、スヤリス姫に惹かれていく。

原作を読むときは是非スヤリス姫に心かき乱されるあくましゅうどうしにも注目して読んでほしい。


本編における関係性の変遷

巻を重ねるごとに関係性がどんどんと変化していて、目が離せないカップリングである。ここで取り上げる話以外にも、あくスヤ回やあくスヤ描写が小さなコマに紛れていたりするので、興味が湧いた人は原作を読んでみてほしい。

pixivコミックでも出張掲載されている。


また単行本には、熊之股鍵次先生がTwitterで募集した質問に答えたりする質問コーナーや、描き下ろしのおまけマンガが収録されている。本誌のみでは見られないあくスヤ要素が投下されることもあるので、このカップリングを知りたければ単行本も読むことをおすすめする。


※以降単行本ネタバレ(最新24巻まで)を含みます。閲覧は自己責任でお願い致します※




























1巻3夜

出会いは1巻3夜の「死という甘い香り」。

魔獣のいびきが煩くて眠れず、安らかな寝床を求めて魔王城内を散策する姫だったが、足を滑らせマグマに落ちて死んでしまう。そこで、悪魔教会であくましゅうどうしが姫を生き返らせた――という話。しかし蘇生された姫は自分に使われた棺桶の質に真っ先に目を向け、あくましゅうどうしのツノをヤスリにして、棺桶のリメイクを行うのだった…。


後にカップリングに発展するとは思えない、初対面から非常にインパクトが強すぎる出会い方である。

この話はアニメにもなっており、1夜に収録されている。


3巻39夜

テレビで放送されていた温泉リゾート番組を見て理想を抱いたあくましゅうどうしと姫が、互いに異なる理想を実現するために行動する話。

…が、結論を言うとラッキースケベ回。

水脈を求めて悪魔教会を掘削した姫は見事温泉を掘り当てるものの、その場で即脱衣からの入浴を敢行したため、駆けつけたあくましゅうどうしが姫の裸を目撃してしまう。あくましゅうどうしは鼻血を噴き出して気絶するが、姫は多少驚いた程度でそのまま入浴を続けた。


3巻39夜はおそらく、あくましゅうどうしから姫に対しての認識が変わったターニングポイントではないかと考察されている。巻末のおまけページにも是非注目してほしい。

ここまでの話で既に「寝室で私の体を触ってほしい」 「今度君のベッドに行くから」等の姫のトンデモ発言に振り回されたり、蘇生ミスの弱味を逆に利用されたり、姫があくましゅうどうしの服を盗んで着たりなど色々あったあくましゅうどうしだが、手のかかる孫と祖父といった態度で接していた。しかしこの回で裸体を目撃してしまったことが、姫に対して何らかの考えを改めるきっかけになった可能性がある。

ちなみに後の話で姫の胸を「無いわけではない」と発言しているため、それなりにバッチリ見た上、記憶もしている模様。


5巻55夜

以前、枕のおすそ分けという善行を行った結果よく眠れた姫が、もっと善行をして安眠しようと企む。そこで枕をたくさん配ろうとしたが、普段姫の凶行に慣れている魔物たちには警戒されてしまい、上手くいかない。最終的には姫が作った枕だと明かさずに配ったことで、ようやく皆に受け取ってもらうことができた。しかし枕を受け取った魔物たちは魔王の差し入れだと勘違いしてしまう。

それを知った姫が少し落ち込んだ様子でいると、あくましゅうどうしがやってきて――


「これ…姫が作った枕だろう?」

「よく棺桶に忘れていくじゃないか。そうでなくともこんな良い枕作れるのは姫ぐらいだ。」

「今日の姫はいいこだね。」


――こう言われた姫はすぐに逃げてしまい、善行が大成功したにもかかわらず、いつもより少し寝付きが悪くなってしまった。その後は、善行は不眠症も引き起こすと判断し、引き続き凶行も混ぜていこうと決意するのであった。


ファンの間では、あくましゅうどうしに対する姫の感情に変化があった回なのではないかという考察がされている。また、あくましゅうどうしと姫がメインの話はあくましゅうどうし視点が多いため、珍しく姫視点のあくスヤ回としても取り扱われている。

この話の単行本のおまけにも注目してほしい。この時点で既に、あくましゅうどうしに何らかの欲があることがわかる。


6巻70夜

ハーピィからパジャマパーティーに誘われた姫。だがパジャマパーティーが何たるかを知らない姫は、地位のある者のエスコート役を求めて魔王タソガレの部屋へと乗り込んだ。そのままなし崩し的に魔王と二人でパジャマパーティーの予行練習を行うが、それをあくましゅうどうしが目撃してしまう。

二人きりでベッドの上にいる姿を発見し(姫が魔王のベッドに乗り込むのはこれが初めてではなく、二回目である)、上司である魔王をボコボコにするあくましゅうどうし。幼き日からお育てした世話係としての叱責――にも見えるが、これ以降の展開を考えると間違いなくその感情だけではないだろう。


ちなみに、姫が

「『人間』と『魔物』って、恋愛とかしても良いの…?」

と発言するページは、たった2コマで構成されている。基本的にコマ割りが細かい傾向の当作品では珍しい大ゴマであり、あくましゅうどうしの受けた衝撃がよく伝わる。

なお、このエピソードはアニメ化されている(11夜収録)が、結末が原作と異なる。アニメでは姫が予行練習で満足してしまったため、パジャマパーティーは中止となった。だが原作ではパーティーは決行されている。詳しくは後述。


6巻71夜

70夜の続きであり、パジャマパーティー本番の話。

ハーピィの部屋で開催されたパジャマパーティーには、呼ばれたネオ=アルラウネと姫の他に、なぜかあくましゅうどうしがいた。女子会の中に男が一人交じって恋バナをするとんでもない光景だが、あくましゅうどうしは姫に「異性の寝室に軽々しく入ってはいけない」という旨の説教をするために来た様子。それを見て、パーティーに混ざろうという煩悩などではないとアルラウネは好意的に捉える。

しかし、説教などどこ吹く風の姫が

「でも私は…みんな好きだから行くんだよ?」

と発言した途端、あくましゅうどうしは――


「まっ…待って今みんな好きって姫、」

「じゃあ わた…」

「わたしの事は…」


――完全に惑わされているのだった(アルラウネ曰く「ナマグサ若作りジジイ」「なまぐさしゅうどうし」)。なお、あくましゅうどうしは途中から、参加している他の女性陣のことを忘れて暴走してしまっている。

この回から、あくましゅうどうしの暴走が顕著になってくる。更にこの話では、姫が既にあくましゅうどうしの寝室にも(本人の知らない間に)侵入済みであることが判明し、あまりの衝撃にあくましゅうどうしは気絶した。

「だって君の寝室はいい匂いするし、何しても全然起きないからすごくいいんだよ?」


7巻79夜

「マンドラゴラ掘り会」というイベントが開催されている魔王城。しかし、あくましゅうどうしは参加せずに悪魔教会に戻る。近頃、姫に関わると挙動不審になる自分に気付いたあくましゅうどうしは姫を避けていたのだ。しかし、なるべく姫のことを考えないようにという努力もむなしく、その日はなぜか姫がやたらと死んで悪魔教会に運ばれてくる。

この回で姫が死にまくったことに目的があったのかは不明だが、自身があくましゅうどうしに避けられているのは気付いており、それを気にしていると判明。

「だってきみ…私を避けてるでしょ。」

その指摘にあくましゅうどうしは動揺するも、気のせいだと言い張った。しかしその流れで、過去に自分と魔王が服装を変えただけで見分けが付かなくなったことを持ち出し、当て擦りのような発言をしてしまう。

「…スーツにサングラスかけたら…私と魔王様の区別がつかなくなるくせに、そんな事わかるのかな。やっぱり気のせいだよ。」

だが姫はそれに対し「目さえ隠れてなければ、きみだってわかるよ。」と答え、更に――


「…きみは避けてないんだね?」

「あ、ああ。」

「…ほんとに?」

「うん。」

「…そっか。」


「なら、いいよ。」


――そう言って、笑顔で立ち去った。

この話はあくましゅうどうしが完全に姫にオチたであろうと思われる回である。あくましゅうどうしの赤面は必見。「死ぬ……‼」

結局その後も、特に何も考えずに死んでは悪魔教会に運ばれる姫だったが、蘇生された際にはすっきり晴れやかな顔をしていたという。


7巻89夜

あくましゅうどうしとのろいのおんがくかが、食堂のホリ=ゴ・ターツで打ち合わせを行う話…だったが、姫の話題に過剰反応することをのろいのおんがくかに指摘され、それをきっかけにあくましゅうどうしが暴走する。

…なお、ホリ=ゴ・ターツの中には姫がいることを知らずに。


この時点でのあくましゅうどうしから姫への心情が、本人の口から明かされる回。あくましゅうどうしはのろいのおんがくかに対し、姫が気になっていることを全力で否定する。しかし、その内容は

・姫のことを考えないようにしているのに、どこにいても姫が現れる

・おかしいのは自分でもわかっているが、姫は無茶をするので目が離せない

・気付いたら姫の前で年甲斐の無いことをしてしまう自分が嫌だ

・どんどん自分がぶざまになっていく気がして悩んでいる

という、聞く人が聞けば自白同然のもの。だが心の機微に疎い姫には(仮に聞こえていても)理解できなかったであろうし、パニック状態のあくましゅうどうしも気付かず吐露し続けた。挙げ句に

「私は姫のこと、好きなんかじゃないんだ!」

とまで口走ってしまう。

終盤で出てきた姫は、その言葉を聞いていたのか聞いていなかったのか分からない反応をするが….この時の眠りは寝苦しかったという。


これ以降、あくましゅうどうしの気持ちは徐々に他の魔物たちにも周知の事実となっていく。この話が収録されている7巻巻末のおまけマンガでは、魔王もかなり正確にあくましゅうどうしの心情を見抜いていた。パジャマパーティー予行練習の時点でブチ切れられたこともあり、痛いほど思い知らされた結果だろう。


8巻96夜

数年に一度更新される魔王城人員雇用名簿。普段は通り名を使用している者も、これには本名を登録しなければならない。本名にコンプレックスを抱くあくましゅうどうしは、姫に見つからないようさっさと提出しようとするが、名簿の回収に来たのは姫だった。


これは、本名を知られずどう姫を乗り越えるかというあくましゅうどうしの奮闘話である。

旧友・睡魔の登場によって場が収まるかと思ったが、

「『姫のこと好きなんかじゃない』から言わないんでしょ。」

と姫が言い出し、なんと上記89夜での発言は聞こえていたと発覚。その後なんとか睡魔の活躍(?)により、名前を「レオたード」と姫に勘違いさせることに成功して場は収まった。しかし、名前をしつこく聞いたことで人の心を傷つけてしまったと感じた姫は、寝心地が悪くなってしまったという。


9巻111夜

どうやら数日前から誰かにつけられている気がする、とあくましゅうどうしに相談する姫。そこであくましゅうどうしは、姫のストーカーを探すべく行動する。だがその犯人は、姫のことを好きなはぐれかまいたちと、それを見守る魔王だった。

あくましゅうどうしは二人に説教をするが…


「それにこの曜日この時間の姫の行き先は食堂で…茶碗蒸し(大)を2コ食べてくるだけですから‼」

「え⁉ケガしたなんて姫に聞いてないのに!」


…等々、妙に姫に詳しいそぶりを見せる。

さすがに聞きとがめた魔王にそれを指摘されると――


「なんでお前、『この時間は茶碗蒸し』とか知ってるのだ?」

「え?ふ、普通に付き合ってたら知ってることですよね?フツーに‼」

「いや…我輩は現に知らないし…」

「えっじゃあ、水曜日によく書物庫へ出向くとか。」

「お前それホントに姫に言わない方がいいぞ…」


――お分かりだろうか。

そう、あくましゅうどうし自身も姫をつけているストーカーだったのである(しかも無自覚)。結局今回の件は、かまいたちと魔王とあくましゅうどうしの全員が犯人であったため隠蔽することに…。

この回では、食い気味に他者の提案を却下するあくましゅうどうしのガチの嫉妬顔が見られる。相手は魔王城の新入りで、幹部ともあろう者(しかも相当な年長者)が実に大人げない。だがそれは本人もよく自覚しており、姫に嘘をついてしまった罪悪感と、自分の気持ち悪さに十歩ごとに倒れ込むあくましゅうどうしであった。


9巻112夜

前話から続くエピソード。自分が姫にストーキングしていたというショックで、自己嫌悪しながら蘇生を行ったあくましゅうどうし。その結果またもや蘇生ミスが起き、なんとでびあくまと自分の体が入れ替わってしまう。時間経過で元に戻るまで隠蔽しようと試みるが、そこに姫が通りかかり…。


他人のふりをしていたら、意中の相手が自分に関する話をしているのを意図せず聞いてしまう…というラブコメの王道ネタ回。姫が普段あくましゅうどうしのことをどう思っているかが、本人の口から語られた。

「いつも助けてもらってる。」

「それにいつも優しいし…」

「倒したおばけふろしき しょっちゅう蘇生してくれるし…」

「いつも落ち着いてるし…」

あくスヤ的には、姫からあくましゅうどうしへの呼び方が変化するターニングポイントでもある。ラストシーン、新しい呼び名に赤面するあくましゅうどうしは一見の価値あり。


11巻143夜

毎朝部屋まで配達される「けんこうミルク」を待ち侘びていたあくましゅうどうし。しかしその日訪れたのは、牛乳屋さん(ミノタウロス)に雇われた姫だった。朝一番での姫との遭遇に動揺しながらも、色々とツッコミを入れるあくましゅうどうし。だが、なぜか姫はタンス預金の場所や冷蔵庫の中身など、妙にあくましゅうどうしの部屋事情に詳しい様子を見せる。

そこで疑問に思ったあくましゅうどうしが、姫を派遣したミノタウロスに連絡をすると――


「あっやっぱマズかったっスか?姫、毎日遊びに行ってるみたいなんでついでに頼んだんですけど…」

(………………毎日……?)

「とはいっても君が寝てるあいだだよ?」


――なんと、姫はあくましゅうどうしの部屋に毎日遊びに行っていることが発覚する。しかもあくましゅうどうしが寝ている間に。さすがのあくましゅうどうしも声を荒げ、パジャマパーティーの件も持ち出して「異性の寝室に入ってはいけない」と叱るのだが、姫は聞く耳を持たないどころか

「君のお部屋がいいにおいで寝ごこちグッドなのが悪いでしょ‼嫌なら臭くして‼」

と無茶振り(?)する始末。説教にも反省の色を見せない姫にあくましゅうどうしは、今後は軽々しくこのドアをくぐるなと命じて部屋から追い出す。しかし姫はあくましゅうどうしの部屋の壁に穴を開けており、そこから悠々と出入りするのだった。


公式が最大手である。

これまでの話で、いい年こいての独占欲やストーカー行為などあくましゅうどうしの醜態が明かされてきたが、実は姫の方も結構なことをやっていると判明する回。

この話の冒頭で、姫の部屋(牢)とあくましゅうどうしの自室はかなり離れていることがわかるのだが、なぜ毎晩その距離をわざわざ来ているのか、部屋で何をしているのかは不明。後に16巻の質問コーナーで「寝ているあくましゅうどうしの枕元に立つ、姫のパジャマの裾」という描写があり、これが現時点で唯一の情報である。


13巻164夜~168夜

姫への想いを抑えられない自身の醜さに耐えかねたあくましゅうどうしが、辞表を残して実家に帰る。それを知った魔王、ポセイドン、そして姫があくましゅうどうしの地元である悪魔の里まで追いかける…という一連のエピソード。おそらく、今まで出されてきたあくスヤ回の中でも最もキーとなるシリーズだろう。

また、魔王とあくましゅうどうし、ポセイドンとあくましゅうどうしなど、他のキャラクターとの絆が再確認される話でもある。


ある日あくましゅうどうしは、魔王へ宛てた手紙と辞表を部屋に残して姿を消す。手紙には、姫への想いゆえに暴走してしまう自分への嫌悪と、それが魔王の目指す世界の足枷になることを危惧した、あくましゅうどうしの懺悔が記されていた。

それを発見した魔王、ポセイドン、改は動揺し、ひとまず伏せておこうとするが姫に見つかってしまう。うろたえる三人に、姫は手紙と辞表を引き裂いた上で「迎えに行く」「どうせ実家で待ってる」と告げた。

悪魔の里では、あくましゅうどうしが実家の塔の上で結界を張って引きこもっていた。結界の解除や門番代わりの召喚獣の相手は他の者に任せ、姫は塔を昇る。手紙を姫に読まれたことを知ったあくましゅうどうしは逃げ惑うが、怒り狂った姫に追い詰められてしまう。

だが、気持ちにとどめを刺されると怯えるあくましゅうどうしに対し、姫が怒っていたのは「急にいなくなったため蘇生業務が滞っていること」「自分への手紙がなかったこと」であった。手紙の内容に怒っているのではないのか、と問いかけるあくましゅうどうしに、姫は――


「レオくん。手紙をわたしが読んでどう思うかは、全部わたしが決めるの。」


――と言い、なかよしの人たちと自分宛の手紙を全て書き上げるまでは魔王城から出て行ってはいけないのだと伝える。姫の心の大きさと、近くに居ていい言い訳まで貰ったことに感涙したあくましゅうどうしは、魔王城に帰ることを決めたのだった。


この一連のエピソードでは、あくましゅうどうしの心情が詳細に描かれている。特に手紙には今まであくましゅうどうしが魔王城に対してどう思っていたか、姫へどういった行動をしていたのか、姫を想いすぎて何をしていたか等が書かれており、あくましゅうどうしの内心を細かく知ることができる。

なお、この手紙の内容(姫へのストーカー行為の自白部分も含む)は姫も聞いていたため知っているが、恋愛感情などの心の機微に疎い姫が、そこからあくましゅうどうしの心情をどの程度まで読み取れているかは不明。後に22巻281夜でその一端が明かされる。


17巻221夜

度重なる仕事や心を乱してくる姫に、疲労を重ねていたあくましゅうどうし。そこで旧友・睡魔が「目の前に癒やしの空間が広がります」という薬を提供してくれたが、あくましゅうどうしは説明も聞かずに薬を飲んでしまう。だがそれは、視界に映る全てが自分にとっての癒しの存在に見えるようになる代物だった。

食堂にいる魔物全てが姫に見えてしまい目の毒な上に、誰が誰だかわからない。あくましゅうどうしは薬が効いていることを隠そうとするが、その結果普段に輪をかけて挙動不審になるのだった。


あくましゅうどうしの癒やしが姫だということを徹底的に説明してくれた話である。前述の実家逃亡エピソード以来、なりを潜めているように見えたあくましゅうどうしの暴走が久々に見られた。

また17巻には王立魔族学園へ視察に行くエピソードがあり、姫の学生服姿が拝める。…のだが、着けているのはどこかの誰かのツノを模したようなヘアバンドだった。詳しくは17巻巻末のおまけマンガを見てみよう。


18巻234夜

好きなバンドのライブに行くために仕事をズル休みしようと、従弟のカモシュを代理に立てたあくましゅうどうし。あくましゅうどうしから頼まれたカモシュは”あくましゅうどうし”に変装して過ごすのだが、あくましゅうどうしの部屋ではいつものように不法侵入中の姫が、我が物顔でくつろいでいた。

カモシュは姫とやりとりをしていく中で、あくましゅうどうしが姫のことを好きであることを悟る。しかし同時に、"自分があくましゅうどうしではないことに姫が気づかない"ため、脈が無いと判断してしまう。

いたたまれなさからカモシュは「ねぇ、髪ぼさぼさだけどいいの?」と言葉を残してあくましゅうどうしの部屋を出ようとしたが、姫はその一言に目を瞬かせ…


「よくないよ。」

「お姫様だもん。クシもある。」

「この部屋に来る時狭い穴を通るでしょ。」

「結んでないとぼさぼさになるの。だからレオくんがよく梳かしてくれる。」


…と答えた。対応を間違えたことに気付き、成り済ましの甘さを悔やむカモシュ。だが、焦ったカモシュが「あ、ああごめん!そうだったね…!」と取り繕うと、姫は――


「でも君はレオ君じゃないからだめ。」

「じゃあね、レオ君に似たにおいの人。」


――と告げた。”あくましゅうどうしが偽物であると気付いていた"上に「レオ君じゃないからだめ」との発言に、カモシュは思わず赤面し、

(…マジか……)

(うわ〰〰〰なんかマジか従兄さん!え〰〰〰⁉)

と、ニヤける顔を隠しながら部屋から逃走する。しかし、ライブから帰ってきたあくましゅうどうしには詳細を報告せず、胸の内に留めるのだった。


ファンたちが次々と墓を建てた衝撃の回。

まず、この話では読者の知らなかった情報が次々に提示された。

・作中では一度も描写されていないが、あくましゅうどうしは老眼鏡を使っており、それを姫は知っている

その老眼鏡は姫と一緒に買いに行ったものである

・老眼鏡を買いに出かけた際、あくましゅうどうしはかなり本気のおしゃれをしていた

・あくましゅうどうしは姫の髪をよく梳かしている

これだけでも十分過ぎるほどの爆弾だが、特に姫がカモシュの変装を見抜いたことに対し、ファンの間で驚きが走った。

そもそも、魔王城でおやすみの世界は変装の認識判断が緩めであり、この回でも城内の魔物はカモシュをあくましゅうどうしと信じて疑っていない。

その上、姫は「いつもと違う服を着られた途端に誰だかわからなくなる人」だと215夜で明示されている。実際、ハロウィーンで仮装したあくましゅうどうしと魔王の区別が付いていなかったり、大人形態に変身したポセイドンに気付かなかったりなど、姫は魔物を識別することが苦手なのではないかと推測されていた。

そんな姫が、あくましゅうどうしが本人かどうかの判断がついたのである(なお、167夜でも既に、あくましゅうどうしの幻影に目を向けることなく、にせものと判断して斬っている)。


更に、「レオ君じゃないからだめ」にかかる姫の一連のセリフ。

18巻でこの話の直前に収録されている質問コーナーにて、姫は身だしなみの中でも特に髪の毛に気を遣っていると明かされている。だがこの回では、姫たる自分がぼさぼさ頭で良いとは思ってない上にクシも持ち歩いているにもかかわらず、髪を整えようとはしない。

髪を結ばずに抜け穴を通るとヘアスタイルが乱れることは承知しているのに、敢えてそのままの髪型であくましゅうどうしの部屋に来ていることになる。「梳かされるのが目的なのか?」等、姫のこの言動はファンを大いに動揺させた。

ちなみにこの回、サンデー本誌コマ外の担当氏によるコメントは『女心に敏感なカモシュ君でした‼』であった。普段のあくましゅうどうしと姫の距離感に慣れている魔王城勤務の魔物であれば、姫の対応を女心と結びつけて考えることはなかったかもしれない。姫と関わりが薄いカモシュだからこその判断だろう。


なお、後に19巻の質問ページで

「あくましゅうどうしと姫が老眼鏡買いに行った時の服を 実際着てる姿が見たいし姫が何着てたかも見たいし どこに買いに行ったのか知りたいし いつの間に行ったのか知りたいし どっちから誘ったのかも知りたい」

という読者の願いを受け、熊之股先生が絵と共に回答している。姫の満面の笑みは一見の価値あり。


22巻281夜

あくましゅうどうしの元に、アイドル活動への助言を求めて姫がやって来る。なぜ自分に、とあくましゅうどうしが理由を尋ねると、姫は

「だってレオ君は私を推してるでしょ。」

と答えた。

自身の気持ちが「応援」「推し」と捉えられていることに戸惑うあくましゅうどうしだが、これを機に姫を「推す」立場に落ち着いてしまえば、諸々の悩みから解放されると気付く。ところが、姫を「みんなのアイドル」として見た褒め言葉を口にしようとすると、本心からの言葉ではないと当の姫に見抜かれ、動揺。本当に推しているのかと問われ、あくましゅうどうしは慌てて取り繕おうとするが、姫は――

「まぁでもそっか……」

「前読んだレオ君のお手紙…ファンレターとはだいぶ空気感違ったもんね。」

――と呟いた。姫が手紙の内容を今も憶えていると知り、その場に倒れるあくましゅうどうし。そして、姫をただの「推し」として見ることなどやっぱり無理だと内心で観念するのだった。


164夜での手紙の内容を姫が覚えていること、それを姫がどう認識しているのかが明かされた。

これまで姫は、好意や愛に種類があることをいまいち理解しておらず、民からの敬愛も両親からの家族愛も同じように受け入れている。魔王に片想いするゼツランへの少しズレた対応でもわかるが、特に恋愛感情についてはめっぽう疎い(70夜を踏まえると、一応「恋愛」「恋バナ」というものの存在ぐらいは知っている模様)。

例の置き手紙は、読めば誰でもあくましゅうどうしの心情が丸わかりになるような内容であった。しかし案の定というべきか、姫は正確にわかっていなかったことが判明。だがこの回で、少なくともファンが推しに向ける感情とは何か違うと理解したらしい。


23巻289夜

睡魔を訪ね旧魔王城に赴いたあくましゅうどうしは、睡魔が姫を抱き寄せる瞬間を目撃する。どうやら睡魔は姫の身を守っただけのようだが、あくましゅうどうしは目を離せなくなってしまい、二人の様子を観察しながら密かに後を追った。

その後も、危なっかしい姫を助けるたび妙に距離が近い上、いつになく頼もしさを見せる睡魔。その姿を見たあくましゅうどうしの脳裏に「睡魔は姫を好きなのでは」という疑念が浮かぶ。自分では睡魔に敵わないという可能性に直面し、動揺するあくましゅうどうし。だが睡魔への対抗心から発奮すると、姫に大声で呼びかける。

「そ…そろそろランチの時間だね‼一緒にどうかな‼」

その気迫に目を瞠る二人だが、ニヤリと笑った睡魔はその場を立ち去った。あくましゅうどうしは一瞬勝ち誇るものの、戸惑う姫の様子を見て我に返る。しかし、謝罪しようとするあくましゅうどうしに対し、姫は

「レオ君が誘ってくれるの初めてだねぇ。」

と嬉しそうに微笑み、意気揚々と食堂へ向かうのだった。


あくましゅうどうしが姫を誘うことに初めて成功した話。この時点で6年以上、300話近くも連載してきた本作品だが、その間あくましゅうどうしの方から姫を誘ったことは一度もなかったと判明した。姫によると「いつもは私がレオ君の部屋の物食べてる」らしい。

回想シーンを除くと悪魔の里編以来となる、長髪姿も披露した。あくましゅうどうしの髪が伸びる場面は必見。


(…もし……本当に睡魔が姫を好きだったら……私は…全然太刀打ちできないんじゃないか…?)

(考えてもみろ…あいつは姫と好きなものが一緒で…私よりきっと姫を理解できる……)

(でも…!)

(睡魔にだけは!! 退きたくない!!!)


ちなみに、その後のランチの様子は23巻のおまけページに描き下ろしで掲載された。髪が伸びたあくましゅうどうしを気遣った姫は、食堂ランチからクーマーイーツへと予定を変更している。

なお、あくましゅうどうしから睡魔への疑念は次話の290夜ですぐに晴れる。しかしその結果、あくましゅうどうしは自らの誤解を悔やみ、激しい自己嫌悪に陥ることに…。


24巻310夜

以前姫に老眼鏡を選んでもらったお礼として、次は自分から姫を城下町に誘おうと考えたあくましゅうどうし。だが、その下見のために一人で城下町へ足を運ぶと、選んだ店ではよりによって姫が「一般魔物の生活を知るため」という理由でバイト中だった。

鉢合わせた姫から城下町にいる理由を問われ、あくましゅうどうしは「地元から訪ねてくる知り合いを案内するための下見」と誤魔化す。しかし、事前に調べていた他の店もことごとく姫のバイト先と重なっており、最後に立ち寄った足湯でまで姫とかち合う始末。あくましゅうどうしは自らの運の悪さを嘆き、姫に下見の成果を聞かれると「出かけるの自体なしかも」と答えた。更に

「それにほら、城下町はいいところだけどそんなに広いわけじゃないし…」

と言い訳を続けると…


「じゃあ私と広いとこ行く⁉」

「人間界だったらさ、私 下見いらないよ。」

「レオくんの好きそうなところ結構知ってる!」

「いつ行く、って言えないけど…」


…思いがけない姫からの提案に、咄嗟に言葉が出せず固まるあくましゅうどうし。我に返ると「また人間界にいきなり行くつもりだね⁉」と姫を詰問しただけで、それ以上は話題も広がることなく終了した。

しかしその夜、ベッドに入った姫はというと――


(一般魔物の生活を知れて……その上その後の睡眠は格別…!)

「…眠くない…」


――目が冴えて寝付けなくなったらしい。


まさかの展開に度肝を抜かれるファンが続出

多くの読者が衝撃を受けた主な理由は、310夜では姫が滅多に見せないリアクションが多かったためである。

この回の中盤、悪魔の里から知り合いが来ると誤魔化すあくましゅうどうしに対し、姫が

「その人女の人?」

と尋ねる場面がある。直後に女性に人気のメニューを薦めており、単純に注文を確認するためかと思われたのだが…あくましゅうどうしが姫の提案に乗り、相手が女性であることを否定しなかった次のコマでは、姫の意味深な無表情だけがセリフも無く描写された。

恋愛感情に疎い姫だが、嫉妬や独占欲については特に理解できていない。例えば、魔王に甘やかされる自身の立場をゼツランに妬まれていると気付かず「仲良し」になろうと持ちかけたり、兄ハデスを取られた気分で魔王に複雑な感情を抱くポセイドンに「君も仲良くなれば解決」と答えたりしている。そんな「みんなで仲良し」を良しとする姫らしからぬ反応に、読者の間で動揺が走った。


更に終盤、日中の労働で適度に疲れ、目的も達成したことで心置きなく安眠できるはずの場面で、まさかの不眠。心配事を抱えていたり、粗悪な睡眠環境などの外的要因で寝付けないことはこれまでにもあったが、それらが解消されているのに眠くならない姫というのは大変珍しい。

この回の本誌掲載時、担当編集による柱コメントは『眠れない理由は「すれ違い?」「思い違い?」…今までの悩みとは「段違い」!』というもの。姫の正確な内心は不明だが、これまでに無い心境であることは確かなようだ。




現在(2023年3月末)単行本は24巻まで発売されているが、本誌(週刊少年サンデー)でもあくスヤの関係性は絶賛更新中である。


小ネタ

姫の瞳の星はたまに2つになる時がある。これが一体何なのかは不明。

しかしそれが今の段階では、あくましゅうどうし絡みの際にだけ見せるのではないだろうかという説があくスヤ界隈で囁かれている。(55夜・79夜・112夜・120夜)


また、あくましゅうどうしがメインでない話でも、コマの隅などで暴走するあくましゅうどうしが見られるので、暇なときなどに探してみると良いかもしれない。


アニメ

アニメの方向性からか、あくましゅうどうしと姫の絡みは大幅にカットされている。強いていうなら8夜・11夜からあくましゅうどうし→姫への感情が読み取れる程度。

そのため、あくましゅうどうしは「爽やかで穏やかでたまに腹黒いおじいちゃん」というきれいなあくましゅうどうしになった。

...が、アニメ公式グッズとして「嫉妬のあくましゅうどうしTシャツ」なるものを販売していたり、2022年2月に開催された【魔王城でおあそび】では、嫉妬のあくましゅうどうしや赤面のあくましゅうどうしといった、姫への気持ちがあること前提のグッズが取り上げられたりもしている。


公式ファンブック

2020年に発売された公式ファンブック。現在では入手困難な、単行本発売当時の店舗特典ペーパーなどのイラストが収録されている。あくスヤ要素が盛り込まれたものもあるのでぜひ見てほしい。

また熊之股鍵次先生へのインタビューも収録されており、あくましゅうどうしの感情について言及している一節があるので必読。


関連イラスト

無題Leo HB♥

无题花吹雪


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魔王城でおやすみ スヤリス姫 あくましゅうどうし 人外×人間

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