概要
ハネカクシ(隠翅虫)とは、甲虫のグループの一つ。
ハネカクシ科に分類される甲虫の総称でもあが、かつて別の科として区別され、ハネカクシと似ても似つかないデオキノコムシやニセマキムシ、オサシデムシモドキ、シデムシも後に本科に内包されるようになったため、ハネカクシ科のうちこれらを除いた総称でもある。
甲虫の中でもかなり多様なグループで、世界で約5万種、日本だけでも約2,600種が記載されるが、未記載種も多く、毎年新種が記載されている。
典型的なハネカクシは、甲虫では一般にお尻までカバーするはずの前翅(上翅)が異様に短く、長い腹部が露出している。飛翔用の大きな後翅(下翅)を細かく折り畳んで、その前翅に上手く隠すことから「ハネカクシ」という名が付いた。後にハネカクシに分類される前述した種類では、前翅が割と普通なものがほとんどである。
生態は種類により様々で、肉食が多いが、花粉やキノコ、糞、腐敗した動植物などを食べるものもいる。アリヅカムシのように、アリやシロアリの群れに紛れ込んで共生する種類もいる。一部の種類は体液に有毒な物質を蓄えて、襲ってきた相手に毒を浴びわせる。
一般的な知名度は低く、やけど虫と呼ばれる有毒なアオバアリガタハネカクシ、テラフォーマーズで知名度を得たメダカハネカクシ、死体の分解者として有名なシデムシなどの一部に限られる。
関連タグ
ハサミムシ:他人の空似。ハネカクシと同様飛ぶ用の大きな後翅を小さな前翅に折り畳んで隠す。体型もよく似ているためしばしば混同される。