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概要編集

ハネカクシに分類される甲虫の一種。ハネカクシには非常に多くの種が属しているが、その中でも特にこの種は非常に有名な種であろう。


ぱっと見は非常に小さいアリのようで(なので「アリガタ」)、は無いように見えて実は非常に非常に短い前翅と小さく折りたためる後翅を持つ(これが「ハネカクシ」と言われる所以)。勿論、飛行能力も持ち合わせており、必要に応じてよく飛ぶこともある。


生態編集

本種は主に湿った地表に生息し、日本全土で3~11月(特に6~8月)に目にすることが出来る。成虫幼虫雑食性だが肉食寄りで、他の昆虫類やダニを好む。また、植物性の腐敗したものも食べる。成虫の体色は赤と黒の横縞模様で、色だけならば目立ちそうなものだが、成虫になっても尚1cmにも満たない小さな身体のため、注意して探さないと気付きにくいこともあるだろう。

前述の通り充分な飛行能力も有し、蛍光灯水銀灯などの灯りに餌を求めて飛来することもある。


毒性編集

さて、この派手な見た目に違わず、本種は強いを持つ。体液に有毒成分「ペデリン」が含まれており、身体に付いた本種を払いのけたり、寝ている間に気付かず潰してしまうなどして被害にあうということも多い。要は「触っただけでアウト」なのである。また、卵から成虫にいたるまで全ての形態でこの毒性は共通している。

この体液が皮膚に付くと、しばらくしてその部分が痛みや痒みと共に赤く腫れ、水膨れができてしまうこともある。この症状から「ヤケドムシ」と呼ばれることもある。また、目に入ろうものなら痛いのは勿論のこと、結膜炎や角膜炎、虹彩炎などをも引き起こし、最悪の場合は失明にまで至るという。


予防・対処法編集

幸いにも一部のハチなどのように向こうから積極的に襲ってくるようなことは無いため、見かけても無闇に殺す必要は無い。特徴をしっかり覚えて、日頃から避けておくようにしてさえおけば問題ない。そればかりか、ウンカヨコバイを食べてくれるため、農業においては益虫とされることさえあるなるほど「アリガタ」とはこういうことであったか。

ただ、人家に入り込んでの被害もあるため、可能であれば夜間は窓を開けないようにするか、網戸に防虫スプレーをかけておくなどした方がよい(ただ網戸にするだけでは、隙間から侵入される恐れもある)。また、照明を消しておくのが一番だが、紫外線を出さないものや黄色い光に替えるのも効果的との事。あまりにも数が多くて困るなら、ライトトラップを活用して捕殺する手もある。

万が一侵入された場合は決して接触しないように速やかに駆除しよう。生死に関わらず毒性は健在なので、たとえ殺虫してもくれぐれも触ることの無いように(大事なことなので何回でも言います、触った時点でアウトです)。

そして、これまた万が一触れてしまったら、すぐにでよく洗い流すこと。腫れたり水膨れになったりしたら火傷と同様の処置を行い、場合や部位によっては速やかに皮膚科の医師の診断を受けるべし。


関連タグ編集

昆虫 甲虫 ハネカクシ

赤と黒 害虫 危険生物

:他人の空似。

ツチハンミョウカミキリモドキ:同じ有毒な甲虫。

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