それは未来でもなく、過去でもない。
また、地球上ではなく、かといって宇宙に散在する無数の星々の中の、いかなる世界の事でもない。
それは君たちの心の中。いつも夢見がちで、冒険の世界に心を飛ばす事の好きな君たちの、空想の中に存在する世界。
概要
双葉社から刊行された『ファミコン冒険ゲームブック(小説)』シリーズのNo.3(1986年)。
文・樋口明雄、挿絵イラスト・田中夕子、編集・スタジオ・ハード。
他にゼルダの伝説シリーズを原作とする作品は
- ファミコン冒険ゲームブックNo.14『リンクの冒険 ~魔界からの逆襲~』(1987年)
- スーパーファミコン冒険ゲームブック『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』(1992年)
がある。
内容
原作となるFC版の後日譚に相当する。
闇の世界から侵攻して来たガノンはリンクによって倒されたが、その弟である魔将軍(ゼネラル)ガイアが登場。世界一の魔道士を名乗って国王と接触し「ゼルダ姫を花嫁に」と持ちかけるが拒否されてしまう。
怒ったガイアは、勇者リンクとゼルダ姫に呪いをかけてしまう。それは二人をクリスタルムーンと呼ばれる水晶球に閉じ込めるというもので、リンクは昼、ゼルダは夜にしか動けなくなってしまう。
お互いに想い合っているのに会うことが出来ない。この忌まわしい呪いを解くべく二人は旅立つこととなる。
物語の進行と共に二人の主人公が交互に入れ替わり、ゲームとしての要素にも影響を及ぼすという実験的な作品。
本作ではゼルダ姫にもリンクに劣らぬ戦闘技術が具わっており、ライネルと一騎討ちを展開するシーンなどがある。他にも戦闘シーンがあり、選択肢を誤ると死亡してゲームオーバーとなる。
魔将軍ガイアの他に妖精ファニー、グレアム二世(ゼルダの父)などのオリジナルキャラクターが登場する。
ちなみにファニーは、小説「黒き影の伯爵」でも登場しているが、名前と性格は似ているだけで別人である。ファニー(Funny)はその名の通り「愉快」という意味がある陽気な妖精である。