ウォッカ(名探偵コナン)
うぉっか
「やっとタバコが吸えるぜ…」
CV:立木文彦
容姿
がっしりとした体格の男性。常にサングラスをかけているため素顔は不明瞭だが、受け口とエラが張った顎が特徴。ジンと同様、常に漆黒の服と帽子を着用している。
人物像
その外見に違わず横暴非道な性格だが、組織の中では人間味がある方で、ジンの提案した作戦に不満を漏らすメンバーを宥める等、フォローに回る事もある。
基本的にジンの「疑わしきは罰せよ」という理念に同意しているが、『純黒の悪夢』では疑惑の段階でキールとバーボンを殺そうとするジンには歯を食いしばって「ぐっ…」と漏らすなど本気で動揺し、「昔のよしみ」を口に出していた。また、アニメでは毛利小五郎を擁護するベルモットに対してジンが即座に拳銃を突き付けた際も動揺する素振りを見せている。ただし、『黒鉄の魚影』ではラム以外の命令を聞かず独断専行し、出世のためならばジンを含む他のメンバーを蹴落とすことも厭わないピンガを珍しく厄介者扱いしている。
そもそも第1話から登場している組織のメンバーでありながら、何気に原作で人を殺したシーンがない。あくまで本編に映っている限りの話なのかもしれないが、基本的に殺すのはジンやスナイパーの役目のようである。ただし、アニメでは『黒の組織10億円強奪事件』で共犯者の男を殺害している。
能力・組織内での役回り
主にジンのサポートを担当しているが、コードネームを持たない格下のメンバー達の指揮を執ることもある。また、テキーラの死後は彼の板倉卓との取引の任務を引き継いでいる。
頭のキレる頭脳派が多い組織の面々の中では珍しく、ガサツさが目立つ脳筋タイプの人間であり、機転や注意力不足を原因とする迂闊なミスが目立つ。以下、その例を挙げると……
(1)トロピカルランドで新一にまんまと尾行され、取引現場の様子を写真に撮られる。
(2)直前に発生した殺人事件の影響で警察官が近くにいるにもかかわらず、取引現場の目撃者である新一を始末するために懐から拳銃を取り出そうとする。
(3)他人に聞かれてはまずい情報を大声で話してしまう。
(4)標的の人物の自宅に直接電話をかけて、留守番電話にメッセージを残してしまう。変声器は一応使用していたが、独特の口調は誤魔化しきれておらずコナン達にはバレバレだった。
(5)イライラしてタバコを吸った後、道端に吸い殻を投げ捨ててしまう。
(6)「取引で受け取るはずの秘密のソフトがセロハンテープで貼り付けられている」という明らかに不自然な状況を警戒せず、不用意に手袋を外して素手で取ろうとする。
……といった具合である。特に(4)は声紋を照合される、(5)は唾液や口腔内の粘膜細胞を採取されて血液型やDNAを特定される、(6)は指紋を採取される可能性がある行為であり、それらのミスをやらかすたびにジンに指摘されたり制止されたりしている。(5)と(6)に至っては板倉のフリをしてコナンが仕掛けた偽の取引にジンに無断で参加して、まんまと罠に引っかかりそうになるという醜態を晒したこともあり、激怒したジンに銃口を突き付けられ危うく殺されかけている。
だが情報収集等のバックアップに関しては優秀で、変装潜入もこなすなど、決して無能という訳ではない。自動車は勿論、バイクや武装ヘリの操縦も出来る。
また、「殺した人間は忘れようとしている」ジンと対照的に記憶力も優れており、殺した人間等に関する情報が必要になった場合は伝える役目も担っている等、己の流儀にこだわり過ぎる兄貴分の補佐としては色々な意味で適任といえる。かつてジンがトロピカルランドでAPTX4869を用いて殺した高校生探偵・工藤新一の事もしっかり覚えており、それ故に任務で「季節外れのハロウィンパーティーに」潜入していた際、新一の姿を目撃した時には本気で動揺しており、ジンに報告している(その後、服部平次による二重変装である事を知り、少し混乱しているが…)。
ジンとの関係性
ジンを「兄貴」と呼んで部下のように振る舞っているが、あくまでも個人的な舎弟分というだけで、地位はラムを除く他のコードネーム持ちの幹部と同格である。実際、キャンティやコルンにはタメ口で接する場面が見られる。
ジンからの信頼もそれなりに厚いようで、彼の愛車である「ポルシェ356A」のキーを投げ渡されて運転を任されている点からもその事が窺える。
本名・国籍
本名や国籍は不明とされているが、『そして人魚はいなくなった』の事件に登場する「儒良祭りの名簿」にある「魚塚三郎(うおづかさぶろう)」はウォッカの記名であると作者は明かしている。
『ラブ・コナン』内のインタビューではジンの国籍を問われた際、作者が「裏設定では黒澤陣っていう名前」と答えている点から、ウォッカも魚塚三郎が本名で、国籍も日本(もしくは日系人)と考えられる。
余談
2023年4月14日の金曜ロードショーで放送された黒鉄の魚影の特別映像では、なんと黒ずくめの組織という敵側のキャラでありながらナレーションを務めている。その際、シェリーが生きていたという情報知り、『どんなカラクリかは解らねぇが、絶対に真実を突き止めてやる!真実はいつも一つ!ってな!』と宣言するという、『お前悪役だろ』と突っ込まずにはいられないコミカルな内容となっている。