ラセスタ星人
らせすたせいじん
「僕は、怖いんだ。新しい星は見つかる?新しい仲間と友達になれる?僕は、僕は…どうなってしまうの…?」
概要
母星が氷河期を迎えたことで住めなくなり、2つの約束をした上で様々な星に移住した宇宙人。その約束とは「母星の氷河期が終わったらその星に帰ってくる」か「もし母星が無くなったらラセスタ周期5歳(地球に換算して10歳)の者がトナカイ座のイリスに集まって、移住可能な惑星を探して旅に出る」の2点だった。母星が無くなった場合、他の種族に同化しているラセスタ周期5歳の者は、自動的に本来の姿に戻ってしまう。
戦闘力はないが、テレパシーや変身能力(ラセスタ周期10歳を過ぎると元に戻れなくなる)の他に、背中の羽で飛行ができる。
母星の名前ラセスタはスペイン語で『第六』の意味であり、ケリガン星系の第六惑星である事実から、地球人(スペイン人ないしスペイン語圏の人間)が命名したものと思われる。
岸悟(きしさとる)
演:崎本大海
地球に移住した家族の1人息子で、自分が宇宙人とは知らずに生活していた。地球周期10歳の日に母星が恒星ビビドラに吸収されて消滅したため、母から真実を告げられて約束の場所に向かうのを決める。まだ幼いためか自分の能力を制御できず、気を抜いた途端に変身が解けたり、巨大化しても飛行能力がうまく発現できなかったりした。
仲の良かった友達のたっちゃんとみのっちの2人に、自分の正体を明かして一旦は拒絶されたものの、彼の孤独を察して戻ってきた2人にラセスタ星人が交わした約束を聞かせる。2人から代表として地球の事柄を教わり、旅立ちの夜に見送られて巨大化したものの、思うように飛び立てずにいた場面をスーパーGUTSに目撃されるや『侵略者』との誤解から攻撃を受け、危うく付近の超高圧送電線に触れそうになった所をウルトラマンダイナに助けられる。
彼に自分の将来に対して抱いている不安を打ち明けるが、
ダイナ「君の未来は、誰にもわからない。なぜだかわかるか? それは、君が作っていくからなんだ」
悟「……作る?」
ダイナ「そうだ。どこへ行っても、どんな時も、君の未来は、君が、君の手で作っていくんだ」
と励まされて宇宙へ飛び立ち、約束の場所に集まった同族達と共に旅立っていった。
悟の母
ラセスタ消滅のニュース映像と悟の変身の兆候を作中で最初に目撃した。
自身もラセスタ星人だがすでに元の姿に戻るlれない。夫もラセスタ星人であり、既に故人である。惑星ラセスタの消滅により息子を失う事態を恐れていた模様。
悟との最後の別れのシーン(無意味と知りつつマフラーを巻かせる、体が温まるスープあるいはホットミルクを飲ませる)は見ていて泣ける。
ウルトラマンフェスティバル1999
第1部に登場。ダイナ本編の個体と同一人物であり、ウルトラマンタロウとも顔見知り。
予言書に書かれた大王に地球を滅ぼさないよう説得を試みるが、誤ってヌアザ星人イシリスの封印を解いてしまった。封印を解いてしまった責任を取るべく、剣を取ってイシリスに向かっていくが軽くあしらわれてしまう。
予言書は人々を恐怖に陥れるために書かれたものではなく、未来の人々に警告を与え、より良い未来を作ってくれる未来を期待して書かれたものであると知り、安堵するのであった。
余談
なお、作中に登場したトナカイ座はかつて18世紀にきりん座の近くにあった星座で、近代になり星座の数が現在の88の数に纏められると、ほとんど使われなくなった(聖闘士星矢Ωにも名前だけなら出ている)。
また、イリスとは元々ギリシャ神話における虹の女神の名前である。
ラセスタ星人の人間態・岸悟を演じた崎本は、放送から約10年後に『クイズ!ヘキサゴンⅡ』にて主演のつるのと再共演を果たし、ユニット『フレンズ』を結成した。
また、ダイナがラセスタ星人に伝えた「未来は誰にも分からない」の言葉は、後に『ウルトラマンデッカー』第21話にてアスミ・カナタ/デッカーにもダイナが伝えていた。
ちなみにたっちゃん役を演じていたのは、後々声優として活躍する豊永利行氏である。