概要
北極星の近くにある星座で、年中沈まない「周極星座」のひとつ(他にはカシオペア座やおおぐま座などが有名)。
地平線に沈まないので一年中見ることができるが、領域に明るい星がないため、観測には暗い星が見える場所が望ましい。
星図のモチーフは実在のキリン(ジラフ)だが、幻獣の麒麟として創作作品に登場する場合もある。
歴史
1612年に天文学者ペトルス・プランシウスが発表し、後にドイツのヤコブス・バルチウスが発表したが、その時は旧約聖書の創世記にちなんでリベカがイサクのもとへと嫁ぐエピソードに記念して「camelus(ラクダ)」だった。
バルチウスの死後に出版された図番でスペルの似ているCamelopardalis(キリン)と間違えられ、そのまま今日に至っている。手違いとは言え、象などの代表的なアフリカの動物を差し置いて星座になったキリンはラッキーなのかもしれない。
ちなみにこの星座の学名「Camelopardalis」は実際のキリンの学名でもある(Giraffe-
Camelopardalis)。
これは「上品なヒョウ柄のラクダ」という意味で、「Giraffe」はアラビア語で「上品な」、「Camelopardalis」がCamelus(ラクダ)+Pardus(ヒョウ)の合成語。
※Leopardは元々イタリア語。ヒョウの学名はPanthera-pardusという。
誤植した人がどういう事情で間違えたのかは不明だが、その後も訂正されずに定着したので特に問題なかったのだろう。